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パット・ホビー物語 F.スコット.フィッツジェラルド

「ロスト・ジェネレーションの旗手」、あるいは、「ジャズ・エイジの象徴」と呼ばれたF.スコット.フィッツジェラルド(1896〜1940年)の最晩年の作品。1940〜42年に雑誌『エスクァイア』に連載された連作短篇。

トーキー時代に引っ張りだこの脚本家だった49歳のパット・ホビーは、ここ5年間は仕事が少なくなるばかりだ。パットは、企画書もまともに読まないくらいでいい加減で通してきた。自分には、まだそれなりの力があるかのような態度を、ことあるたびにとるが、ほとんどの場合無視される。金の無心をしなければならないほど素寒貧である。いつもジンかウィスキーのパイント瓶を尻ポケットに忍ばせてアルコール臭い。
落ち目のパット・ホビーがヘマをしでかす話がオチがついて並んでいる。
本書に収録されている短篇は、ほとんどが本邦初訳だという。

主人公と同じように、1920年代に名声をほしいままにした著者だが、本作品の執筆の頃は、妻エルダは精神病院に収容され、自身はアルコールに蝕まれどん底の状況にあった。著者はパット・ホビーに自身をダブらせていたのだろう。

Image_20201206102901パット・ホビー物語
F.スコット・フィッツジェラルド /井伊順彦、今村楯夫ほか
風濤社
2016年

「パット・ホビーのクリスマスイブ」第1話
パットはクリスマスイブだというのに重役に命じられた仕事をしている。新任秘書のヘレンから重役の弱みを握っていると聞かされた。パットは重役をゆすってプロジューサーにしてもらおうと企てるが。。

「パット・ホビーとオーソン・ウェルズ」第5話
撮影所には入構書がなければ出入りできなくなった。警備員に屁理屈を並べてなんとか入ろうとするパットだが、警備員は「たとえオーソン・ウェルズだとおたくが言ったとしても入れるわけにはいかない」と返す。
パットは、映画界の重鎮の車に乗り込み、入構書の発行をお願いする。しぶとく食い下がるパットに、重鎮は新顔のオーソン・ウェルズと会うことになっていると言って、面倒臭そうに名刺入れに手を伸ばした。
金を無心した相手に強要されて、パットはオーソン・ウェルズに変装させられた。急に心臓発作で倒れた重鎮をパットが乗っている車で病院に運ぶことになった。パットは変装がばれてはまずいと、バーに駆け込みカウンターの髭面のエキストラたちに紛れ込んだ。

「パット・ホビーの学生時代」第17話
秘書はパットに机の中のものの廃棄を命じられ、袋に詰めて車で捨てる場所を探していた。大学を舞台とした映画を作ることになって、パットはアイデアを探りに大学を訪れた。教授会の席でとっさに浮かんだ学生の窃盗事件のストーリーを語った。そこに捨てる場所が見つからなかったと、秘書が袋に入った大量の空の酒瓶を持って現れた。→人気ブログランキング
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