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著作権法がソーシャルメディアを殺す 城所岩生

日本はネットビジネスの植民地と化しているという。
その原因は既得権をもつ諸団体の力が強く、せっかく生まれた日本発の画期的なアイディアが育たないことによる。日本が足踏みしている間に、同じようなアイディアが外国でビッグビジネスに育っていく。ネット業界は勝者総取りであるゆえ、日本を草刈り場にしてしまう。これは、日本にとって大きな損失であると著者は訴える。

そうしたことが起こる背景には、審議会の委員構成に問題があるという。既得権益を守る団体をバックに持つ委員の占める比率が高い。つまり役所が操作しているということだ。はじめに結論ありきの審議会運営が行われるという。

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城所岩生
PHP新書
2014年

日本版フェアユースが実現されるまでに4年もかかり、さらに、その法律は見るも無残な骨抜きの形になってしまったという。
日本のデジタル経済に向きあう姿勢が問われている。規制をゆるめないと世界で戦えないことは、素人にも理解できる。イギリスのように、まずデジタル経済で世界をリードするという戦略を打ち出して、そのためにどうするかを議論するのが正しいアプローチでだという。

フェアユースとは、「公正な利用」であれば、著作権者の許諾がなくても著作物を利用できる制度。
アメリカのフェアユースでは、1)利用の目的性質、2)利用された著作物の性質、3)利用された著作物の量や実質性、4)利用行為が著作物の市場や価値に与える影響、の4つの条件を総合的の考慮し、その利用が公正な利用であったかどうかを判断する。

かつて、日本で国産検索エンジンがアメリカと同時に誕生していたが、著作権法の壁に阻まれ、アメリカに日本は負けた。日本にはフェアユースという迂回路がなく、個別の権利制限規定を追加するという対応に遅れをとった。そしてアメリカ勢の草刈り場となってしまった。こうした惨状を招いた立法、行政、司法の責任は大きいという。

アメリカは、公共の福祉が優先されどんな事業であっても国民の大半がその恩恵を受けるなら認めるというフェアユースの社会である。これに対し日本ははじめから規制がかかるオブトイン方式である。この差は大きい。
著作権法をなんとかしななければ、日本はネットビジネスの植民地化してしまう。→人気ブログランキング

正しいコピペのすすめ/宮武久佳/岩波ジュニア新書/2017年
著作権法がソーシャルメディアを殺す/城所岩生/PHP新書/2013年
デジタル時代の著作権/中野祐子/ちくま新書/2010年

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