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2018年3月20日 (火)

オンブレ エルモア・レナード

「オンブレ」のほか、「三時十分発ユマ行き」が収録されている。
「オンブレ」は、危機に瀕した登場人物たちの切羽詰まった様子が「私」の目を通して淡々と描かれている。舞台は乾燥しきった灼熱の荒野。もちろん西部劇の見所である銃撃戦も堪能できる。傑作だ。
村上春樹の「掘り出し物を翻訳したぞ、どうだ」というニュアンスの長い解説つき。
Image_20201114171001オンブレ

エルモア・レナード/村上春樹訳
新潮文庫 2018年

「オンブレ」
鉄道の発達で、駅馬車の路線が廃止される状況の中での話。
駅馬車に乗り合わせるのは、まずは、ジョン・ラッセル、別名「オンブレ」、メキシコ人だ。
3/4は白人の血が入っていて、あとはメキシコ人の血、目は青い。6歳から12歳までアパッチと一緒に暮らしていた。その後ラッセル氏と暮らし、学校に通った。
かつて、第3騎兵隊の補給ラバ隊と行動を共にしたラッセルは、アパッチに襲われたが、3人分の働きをしてアパッチを撃退したという武勇伝の持ち主。そして「オンブレ(男)」と呼ばれるようになった。
次は、アパッチに連れ去られて1か月以上アパッチと暮らしていた美しく芯の強い17歳の白人娘マクラレン。好奇心の的になる存在だ。
あとは、ドクター夫妻、除隊兵、御者メンデスと助手の「私」アレンの計6人。
ドクターといっても医学を極めたわけではない。いわばインディアン管理官、神学博士だという。金儲けのために聖職についた男だ。政府からだまし取った巨額の金を持参している。妻は夫より15歳ほど若く30歳ぐらい。ふたりの関係は冷え切っているようだ。強盗が狙うのはドクターの金だ。

出発直前に、無頼漢のブレデンが現れ、除隊兵に席を譲れと迫る。アレンがメンデスを呼んでこようとすると、ブレデンは2人の問題だから、他人が割り込むなという。結局、除隊兵はブレデンに脅され駅馬車から降りた。
こんなメンバーだから、何が起こっても不思議ではない。
そして近道をしたばっかりに、がけ崩れで道をふさがれたところで立ち往生してしまい、強盗に襲われる。

「三時十分発ユマ行き」
囚人の仲間が見守る中、保安官補佐がひとりで囚人をホテルから連行し、街中を通り、駅にたどり着くまでを描く。→人気ブログランキング

オンブレ/新潮文庫/2018年3月
ラブラバ/ハヤカワ・ミステリ/2017年
ラム・パンチ/角川文庫/1998年(『ジャッキー・ブラウン』DVD)
ミスター・マジェスティック/文春文庫/1994年

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