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アメリカーナ チママンダー・ンゴズィ・アディーチェ

アフリカとアメリカとイギリスを舞台に、ナイジェリア人カップルの間で展開される長編ラブストーリー。ふたりの主人公はもちろん、親や親戚や友人たち、そして端役に至るまで、「キャラだちが半端ない」。著者の筆力に圧倒される。全米批評家賞受賞作(2013年)。

主人公のイフェメルが13年間暮らしたプリンストンを去る前に、髪を結いにいく場面からはじまる。イフェメルがアメリカにやって来たときに、初めて自分が黒人であることに気づいた。文化ギャップや階級・人種差別、特に肌の色と髪の毛について何度も描かれる。

話はナイジェリアの最大の都市ラゴスに移る。イフェメルの通う中等学校に大学教授を母に持つオビンゼが転校してくる。イフェメルにとってオビンゼは、自分をいちいち説明する必要を感じない初恋の相手であった。
ふたりは大学に進学するが、不安定な政情のせいで教師のストライキが続く大学は機能が麻痺してしまう。大学に愛想をつかしたイフェメルは、アメリカ留学の資格を得てアメリカに渡った。オビンゼも後でアメリカに渡るはずだった。

Image_20201115102201アメリカーナ
チママンダー・ンゴズィ・アディーチェ/くぼたのぞみ
河出書房新社
2016年

タイトルの「アメリカーナ」という言葉は、イフェメルの友人一家がアメリカに渡ることになったときに、同級生たちの会話に出てくる。「めっちゃアメリカーナになっているよね。ビシみたいに」。1年下のビシは、短いアメリカ旅行から帰ってきてから、気取った態度をとるようになり、方言はわからないふりをしたり、英単語にわざとらしい「r」音をくっつけたりした。つまり、憧憬と嫉妬と軽蔑が入り混じった「アメリカかぶれ」という意味だ。

イフェメルは、アメリカにやってきたばかりの頃、奨学金だけでは暮らしていくことができず、他人の社会保障カードと運転免許書を手に入れ、仕事を得ようとする。ところが職が見つからず、男と同衾するだけで金を手にしたことに苦悩し、オビンゼとの連絡を絶ってしまう。

イフェメルからの連絡が途絶えて苦悩するオビンゼは、アメリカ留学の書類を大使館に申請し続けたが、9・11の影響で留学の道は閉ざされてしまう。そこで仕方なく親戚のつてでイギリスに渡るが、人種差別と不法滞在がばれないかという恐怖にさらされた。
イギリスからラゴスに戻ってきたオビンゼは、ビッグマンに拾われ不動産業で成功をおさめる。やがて貞淑な妻を娶り娘が生まれ、傍目からすれば順風満帆であった。

一方、イフェメルはベビーシッターを経験し、白人男性とつきあい出しアメリカの生活に溶け込んでいく。
薬液で髪をまっすぐにして髪と頭皮を傷めながら、イフェメルは就職の面接を受ける。雑誌の出版社に採用されるが、鋭い意見を持つイフェメルはやがて周囲と意見が合わなくなり辞めてしまう。
イフェメルはブログをはじめる。人種差別と、髪の毛と肌の色の問題と、アフリカから奴隷として新大陸に渡った祖先を持つアフリカン・アメリカンと、経済的・政治的理由でアフリカから渡ってきたアメリカン・アフリカンとの微妙な関係についての、エッジの効いた内容は爆発的なアクセス数を得て、超人気ブロガーとなる。たとえばミッシェル・オバマのストレートヘアを論じる。
そんな折、友人からオビンゼの近況を聞いいたイフェメルは、オビンゼにメールを送ることにし、舞台はナイジェリアに移る。→人気ブログランキング

なにかが首のまわりに/チママンダ・ンゴーズィ・アディーチェ/くぼたのぞみ/河出文庫/2019年
男も女もみんなフェミニストでなきゃ/C・N・アディーチェ/くぼたのぞみ/河出書房新社/2017年
アメリカーナ/C・N・アディーチェ/くぼたのぞみ/河出書房新社/2016年
明日は遠すぎて/C・N・アディーチェ/くぼたのぞみ/河出書房新社/2012年
半分のぼった黄色い太陽/C・N・アディーチェ/くぼたのぞみ/河出書房新社/2010年
アメリカにいる、きみ/C・N・アディーチェ/くぼたのぞみ/河出書房新社/2007年

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