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『ザ・プロフェッサー』ロバート・ベイリー

学部長の理不尽な方針により大学を追われた老教授が、娘一家を交通事故で亡くしたもと恋人の要請を受け、教え子とともに運送会社の悪徳経営者を相手どって裁判に挑む。相手側のなりふり構わない隠滅工作に敢然と立ち向かう、勧善懲悪のリーガルサスペンス。

実際に、アラバマ州タスカルーサにあるアラバマ大は、アメリカンフットボールの名門校である。かつて活躍したプレーヤーは、今でも町で一目おかれる人物たちである。
物語は、68歳になるトーマス(トム)・マクマトリーが主人公。かつてディフェンスの名プレイヤーであり、アラバマ大学が全米チャンピョンに輝いたときのメンバーである。現在、トムはアラバマ大学の教授として証拠学の権威であり、トムが率いる模擬裁判チームは3度の全国優勝を誇っている。

ささいなことで激昂した学生のリックに殴られたトムが、リックの腕をつかんだ動画が youtube に流れ、トムが暴力をふるったとされ窮地に立たされる。トムの授業で学生が虐待を受けたと申告し、さらに女子学生と不適切な関係にあるとでっち上げられる。
トムに最後通告を言い渡したのは、最近アラバマ大学の顧問弁護士に就任したかつての教え子であるタイラーであった。

ザ・プロフェッサー (小学館文庫)
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トムは実際の裁判には長年携わっていない。また3年前に妻を乳癌で亡くし、最近大学を不本意なから辞めさせられ、さらに膀胱癌が見つかり、すっかり意気消沈している。そこで、トムはかつてトラブルがあった教え子のリックを紹介する。リックは事故があったヘンショーの出身である。

被告の弁護士はアラバマ州で最も勝率の優れた弁護士として君臨する、トムを大学から追放することに策を労したタイラーだった。一方、リックは弁護士に成りたてのヒヨッコである。

運転手に法定速度を無視した運転を強要していた運送会社は、証拠となる書類を燃やし、原告に有利な証言をしようとする関係者を買収したり、脅したり、あるいは口封じのために殺したりしていた。
裁判は被告有利に運ぶかに思われたが、トムの過去の栄冠やリックの土地の利が陪審員たちに効果的に影響し、被告側の悪行にほころびが生じるのだった。→人気ブログランキング

 

 

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