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2019年8月29日 (木)

ブラック・サンデー

原作は、あのシリアルキラーのハンニバル・レクター博士を世に送り出したトマス・ハリスの同名小説。パレスチナ過激派「黒い9月」は、大義なき個人的理由によりアメリカに復讐しようとする男を利用して、多数の罪なき人々を殺戮しようとする。それを阻止するモサドプラスFBIの死闘が描かれている。
「黒い9月」は、ミュンヘンオリンピックの開催中の1972年9月に、選手村を襲撃し、イスラエル人選手を人質にして殺害した実在したテロ集団である。この人質事件は、スティーヴン・スピルバーグによって、映画化された(『ミュンヘン』2005年)。

Photo_20211217142301ブラック・サンデー Black Sunday
監督:ジョン・フランケンハイマー
脚本:アーネスト・レーマン/ケネス・ロス/アイヴァン・モファット
原作:トマス・ハリス
音楽:ジョン・ウィリアムズ
アメリカ 1977年 143分

ベイルートの「黒い9月」のアジトをモサドが襲撃する。その時、ガバコフ少佐はシャワーを浴びていた女闘士ダーリアを目の前にしながら殺さなかった。いままで殺し屋として何人も殺してきたはずなのに、なぜか引き金を引かなかった。痛恨のミスを犯したのだ。このことが後々、ガバコフたちが苦しめられる大量殺人テロ事件につながっていく。ダーリアは、もちろん「黒い9月」の主要メンバーだった。

無差別大量殺人をダーリアに提案したのは、ベトナム戦争で捕虜となったマイケル・ランダーである。4年間の屈辱的な捕虜生活を送ったあと、帰国した彼を待っていたのは、妻の裏切りと世間の冷たいた仕打ちだった。そして、マイケルは祖国アメリカに復讐しようと考えるようになった。
彼が思いついたのは、フットボールの最高峰、スーパーボウルのスタジアムでプラスチック爆弾を使った22万発のライフルダーツを発射しようというもの。スタジアムに集った大統領を含めた人間を飛行船で空から襲撃し、皆殺しを計画した。

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しかし国内でプラスチック爆弾を入手するのは困難で、マイケルは「黒い9月」の手を借りることにしたのだ。
大量殺人マシン・ライフルダーツを作製するマイケルに、ダーリアは何かと世話をする。

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一方、カバコフ少佐はアメリカ国内での「黒い9月」の不穏な動きを察知、正体不明の男の影を追ってアメリカに渡る。テロ集団が仕掛ける大量殺戮計画をモサドとFBIが阻止しようとする。
ここから、追う者と追われる者の死闘が展開される。

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飛行船を奪い取ったマイケルとダーリアはスタジアムにたどり着けるのか、ガバコフはライフル発射を阻止できるのか。手に汗を握る飛行船をめぐる攻防が繰り広げられる。

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1970年代以降、いつ大規模テロ事件が起こっても不思議ではない世界情勢で続いてきた。→人気ブログランキング
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