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日本の誕生  皇室と日本人のルーツ 長浜浩明

本書は日本人のルーツと天皇家についての「嘘」を指摘し、それらを科学的にあるいは考古学的な証拠に基づいて改め、自虐史観を払拭する痛快な内容になっている。
なぜ、戦後の古代史論は正気を失ってしまったか。
天皇の国民への影響をなくすというアメリカGHQの思惑が元凶であるという。戦後、『記紀』を肯定する考古学研究者や教育者が、教育の現場から徹底的に排斥され、まっとうな研究がされなくなった。
もうひとつは、「韓国が日本人の祖先の国」とする司馬史観の呪縛である。
さらに、確たる証拠がないのに専門家や作家や古代史愛好家が、「だろう」「と思う」などと古代史を好き勝手に語って引っ掻き回してきたことが、古代史を混乱させたという。
著者は、歴史を語るには論理的で実証的であることが重要であるとする。
Photo_20201207144401日本の誕生 皇室と日本人のルーツ
長浜浩明(Nagahama Hiroaki
ワック
2019年

ウルム氷期はおよそ1万年前に終了した氷期である。その頃の地球の海面は今より100メートル以上低く、樺太と北海道はつながっていた。また、大阪湾から瀬戸内海にかけては陸地であった。
アフリカを出た人類は、日本列島には主に地続きだった樺太経由でやってきた。日本の旧石器時代(〜1万6先年前)に、朝鮮半島からヒトは来ていない。
弥生時代に大陸から渡来人がやってきて、在来の縄文人と交配し、日本人ができたというのはデタラメである。アイヌの祖先は縄文人であるというのも嘘。これらはゲノムの比較からも明らかである。そもそも日本語と中国語や韓国語の文法はまったく異なる。

戦前は『日本書紀』に書かれていることが受け入れられていたが、戦後、『日本書紀』は天皇家が自分たちに都合のいい話を作り上げたもので信用できないとされた。今も多くの歴史学者が「「神武東征」は嘘だ、『日本書紀』は嘘だ」と主張している。
しかし、『日本書紀』に記載されている地理や歴史的事件と現在集めうる証拠を科学的に再検討すると、数々の新事実が明らかになったという。

「神武東征」とは、天照大神の5代後にあたる神武天皇が45歳の時に、「東の方に都をつくるのによい土地がある」と聞いて、諸皇子の賛同を得て「東征」の旅に出、橿原(奈良)にたどり着くまでの波乱の物語をいう。
神武一行は、高千穂(宮崎)を出発して 海路や陸路で、宇佐(大分)、筑紫(福岡)、安芸( 広島)、吉備 (岡山)にたどり着くまでに8年を要した。
その後、吉備から大阪湾に入り、川を遡上して生駒山麓にある白肩津に上陸した。そこで長髄彦(ながすねひこ)と戦うも敗れ、大阪湾に逃れ南下し、紀伊半島の東へ回り込んだ。熊野に上陸し、山中を進軍して宇陀から橿原の地になんとかたどり着いた。

橿原の地で神武天皇は事代主の娘と結婚し、その後、歴代天皇は大和を中心に、各地の豪族と婚姻関係を結び、絆を強め、大和朝廷の基盤を固めていった。
『旧唐書・日本』には、大和朝廷が北部九州の倭国連合(邪馬台国)を併呑したことを彷彿とさせる記述が遺されているという。
日本の古代史論は見直す時期にきていると著者は力説する。→人気ブログランキング

日本の誕生 皇室と日本人のルーツ』長浜浩明 ワック 2019年
魏志倭人伝の謎を解く』渡邉義浩 中公新書 2012年
倭人伝を読みなおす』森 浩一 ちくま新書 2010年

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