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『11月に去りし者』ルー・バーニー

本作は、『このミステリがすごい 2020年度版』』では6位、『週刊文春』では20位と評価が大きく分かれている。エルモア・レナードを彷彿とさせるノアール小説であり、恋愛小説でもある。ノアール小説は好みが別れるのかもしれない。

1963年11月22日、ジョン・F・ケネディ大統領が暗殺された。
ニューオリンズの暗黒街のボス、カルロス・マルチェロは、自身とケネディ暗殺を結ぶすべての糸を断ち切るために、暗殺に少しでも関わった人物を次々と殺していく。
実在したカルロス・マルチェロは、ケネディ大統領暗殺の黒幕との疑いがある。


11月に去りし者 (ハーパーBOOKS)

11月に去りし者
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ルー・バーニー/加賀山卓朗
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ケイジャン人のギドリーはダラスで狙撃犯の逃走用の車を手配しただけだった。その車を処分した男が殺された。ギドリーは自分にも魔の手が及ぶと読んで、テキサスを脱出しカリフォルニアに向かおうとする。

一方、オクラホマの田舎町でふたりの幼い娘を抱え、飲んだくれの夫に悩まされているシャーロットは、ある日決断した。義父母と夫を捨てて、娘たちと病気の犬を車に乗せ、ロサンジェルスのおばの家に向かったのだ。
国道66号線のニューメキシコ州に入ったところで、雨に濡れた路面でスリップしてしまい、側溝にタイヤがはまってしまう。
ギドリーは、事故に遭い途方にくれているシャーロットたちの脇を車で通り過ぎるときに、アイディアが浮かんだ。チャーロットたちと一緒に行動すれば、殺し屋の目を欺けるかもしれない。

本来なら絶対に接点を持つことのないふたり、ニューオリンズのマフィアの幹部候補生とオクラホマの主婦が出会い、そこに非情の殺し屋が追跡をするという構図である。殺し屋は、ギドリーに専念する前に、不覚にも手をナイフで貫通させられる創を負ってしまい、その創が治りきらないハンディを抱える。

シャーロットの利発でチャーミングな幼い娘たちの存在が、一服の清涼剤となっている。

本作はアンソニー賞、バリー賞、マカヴィティ賞、ハメット賞の4冠に輝いた。
読後の評価は、20位ではなくて、6位あるいはそれ以上だ。→人気ブログランキング

11月に去りし者/ルー・バーニー/加賀山卓朗/ハーパーBOOKS/2019年
ガットショット・ストレート/ルー・バーニー/細美遥子/イースト・プレス/2014年

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