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『機巧のイヴ 新世界覚醒篇』乾 緑郎

スティーム・パンクの大傑作。
前作『機巧のイブ』から100年後、万国博覧会開催を1年後に控えた新世界大陸の大都市ゴダム(シカゴ)が舞台。日下國(日本)のパビリオンは、天府(江戸)に建てられていた妓楼・十三層が解体され移築されたもの。目玉の展示物は機功人形の伊武だが、修繕がされてこなかったため眠ったままである。

それが、万博で働く見習い工・八十吉の伊武に対する純愛によって、伊武は100年の眠りから目覚めた。八十吉は護身術である馬離衝(バツリ)を心得ている。


機巧のイヴ 新世界覚醒篇 (新潮文庫)

乾 緑郎
新潮文庫 2018年 ✳︎10
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万博運営委員会の理事長のゴーラムは人形偏愛症で、〈スリーパー〉という名の寝たきりの人形を妻として大事に扱ってきた。フェル電気社主の発明家フェル女史は、自社が供給する直流電気が万博で採用されることを画策している。

日向丈一郎はかつて所属していた警備会社から、伊武と図譜を盗み出す依頼を受けている。日向は日下國館から伊武を拉致し、自ら宿泊するホテルに連れて行った。
ホテルの所有者マードックは妻を殺した殺人鬼である。マードックは、日向の留守中に伊武を地下室に連れ込み、胸から恥骨までを縦に切り開いた。人形に興味のないマードックは、伊武を5000ドルでフェル女史に売ってしまう。
フェル女史は伊武をゴーラムの館に連れて行った。ゴーラムは伊武を一目見るなり心を奪われてしまう。

フェル女史は伊武のような機巧人形を作ることができないかと、図譜を読み解き、釘宮久蔵や田坂甚内の技術を習得しようとする。自らの電気会社の電力が、万博で不採用となったゴーラムへの仕返しも込めて、フェル女史は伊武を日下國に返してやるべきだと悟った。伊武がいつも大切にしている鯨の絵が書かれた腰掛けらしき箱と一緒に。

そして、万博が開催される。
万博の目玉は75メートルの大観覧車だ。大観覧車には予定通り大統領が乗り、ゴーラムは嫌がる伊武を強引にゴンドラに乗せた。
伊武を救うために、八十吉は回り出した観覧車の中心から伸びるアームにしがみつく。果たして八十吉は伊武を救い出せるのか。→人気ブログランキング

ねなしぐさ平賀源内の殺人/宝島社/2020年
機功のイブ 帝都浪漫篇/新潮文庫/2020年
機巧のイヴ 新世界覚醒篇/新潮文庫/2018年
悪党町奴夢散際/幻冬社時代/小説文庫/2018年
機巧のイブ/新潮文庫/2017年
塞の巫女 甲州忍び秘伝/朝日文庫/2014年

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