深夜勤務 スティーヴン・キング
本書の冒頭で、ホラー小説を書く理由を述べている(→『深夜勤務』はしがき)。小説の中で、ホラーを下位に見る傾向について、あえて否定せずに、淡々と意見を述べている。この表紙イラストは、いまや消えつつある。幼児虐待のニュアンスがあるからだろうか。
ナイトシフト1 深夜勤務 スティーヴン・キング/高畠文夫 扶養社ミステリー 1988年 |
「地下室の悪夢」Graveyard Shift (1970年)
暑い日に4日かけて地下室の大掃除をすることになった。作業は臭くて汚くて重労働だ。掃除が進むと地下2階があることがわかった。まるまると肥ったネズミたちの巣窟に強力噴射のホースを持って降りていく。
本作は、『死の舞踏 恐怖についての10章』のホラーの分類によれば、「ウゲッ」というホラーとしては最も低級な要素と「化け物」の複合型である。
「波が砕ける夜の浜辺で」Night Surf 1974年
インフルエンザA6型が猛威ふるっている。ニューヨークからやってきた男は、頭がフットボールのように膨れ上がり、ひどい幻覚症状に見舞われていた。海辺でその男を焼いた。クリスマスまでには全員が死んでいるだろう。
「やつらの出入り口」I am the Doorway 1971年
金星の周回から地球に戻ってくるときに、パラシュートが開かずに大ケガを負った。なのとか復帰すると手に寄生した異星生物の眼球が現れた。やつらの出入り口にさせられたのだ。
「人間圧搾機」The Mangler 1972年 1971年
蒸気と湿気でむんむんするクリーニング工場の圧搾機が女性を巻き込んで殺した。それまでにも事故が起きていた。圧搾機が指を切った処女の血を吸ったことが原因と突き止た。悪魔払いの儀式を行うが圧搾機の返り討ちにあう。
「子取り鬼」The Boogeyman 1973年
男は医師に自分の3人の子どもを殺してしまったと言った。「子取り鬼だ」と叫んで子どもたちは死んでいったという。部屋のクロセットはわずかに空いていたという。
「灰色のかたまり」Gray Matter 1973年
父子家庭の父が腐ったビールを飲んでから窓のブラインドを落とすようになったという。臭くなり光を嫌い灰色の塊になっているという。雪の降る日、息子がビールを父のために買いにきたが、主人公とヘンリーはビールを届けにアパートに向かった。ヘンリーは45口径のピストルを携帯した。
「戦場」Battleground 1972年
キング版ガリバー旅行記。
「トラック」Trucks 1973年
高速道路のパーキングエリアで、トラックが人間を襲おうとする。ガソリンが尽きてきたトラックたちは、給油をねだる。火炎瓶をトラックに投げつけたところ反撃を受けた。
本作は、スティーヴン・キング自身の脚本・監督により映画化されている『Maximum Overdrive』(1986年) 、邦題は『地獄のデビルトラック』(1987年)。
「やつらはときどき帰ってくる」Sometimes They Come Back 1974年
ジムは高校の英語の教師になっていた。ジムの授業に集まった連中は半分が問題の生徒だった。20年前に、ジムが兄とともに3人組に脅され兄が殺された。犯人はうやむやになったままだった。その3人が転校してくる。
「呪われた町」〈ジェルサレズ・ロット〉Jersalem's Lot 1978年
その町に住む人間も住もうとしている人間もきちがいになろうとする人間だと噂されていた。呪われた町に暮らしていた先祖の話。
英語版の『Night Shift ナイトシフト』は、日本語版では『深夜勤務』『トウモロコシ畑の子どもたち』の2冊に分冊。『Skeleton Crew スケルトンクルー』は『骸骨乗組員』『神々のワードプロセッサー』『ミルクマン』の3冊に分冊されている。→人気ブログランキング
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