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三体 Ⅱ 黒暗森林 劉 慈欣

『三体』三部作の第二部。
文化大革命により父親を亡くし自らも辛酸を舐めさせられ人類に絶望した葉分潔が宇宙に向けて発信したメッセージは、およそ4光年離れた三つの太陽を持つ三体世界に届いた。そして三体人が地球を侵略する計画が明らかになった。新天地を求める三体人は、千隻を超える侵略艦隊を地球へ向けて送り出す。太陽系への到達は四百数十年後。第一部はここで終わる。

Photo_20200710083201三体 Ⅱ 黒暗森林
劉 慈欣/
大森望、立原透耶、上原かおり、泊 功
早川書房
2020年6月
Photo_20200710083202 三体 Ⅱ 黒暗森林

本書の冒頭で、宇宙学者の羅輯(ルオ・ジー)は葉分潔に、宇宙社会学の公理を伝授される。それは本書の副題ともなっている「黒暗森林」という学説である。
地球よりはるかに進んだ科学技術力を持つ三体艦隊の襲来という未曾有の危機に直面した人類は、国連に惑星防衛理事会を設立し宇宙軍を創設する。だが、三体から送り込まれた、原子よりも小さい極微スーパーコンピュータ・智子(ソフォン)は地球上のあらゆる活動を察知していた。智子は人類文明の発展を阻止するために、基礎研究を妨害した。智子は目に見える思考のすべて解読する。唯一の例外は人間の頭の中にある思考である。つまり、言葉にしたり文章にしない限り智子には悟られない。こうして、地球は三体文明に監視され制御されることになった。

このままでは地球宇宙軍が三体艦隊との最終決戦に敗北することは明らかである。絶望的な状況を打開するため、国連によって前代未聞の「面壁計画」が発動される。人類の運命は4人の面壁者に託される。面壁者は作戦計画を実行する上で、一切の説明を必要としない。それゆえ、面壁者には膨大な権力が与えられる。面壁者は冬眠技術を利用して時を越えることができる。
羅輯を除く3人が秘策を実行に移そうとして自滅していくのに対し、羅輯は遊び呆け、とても面壁者としてなにかをしているとは見えなかった。5年後、羅輯は三体へ向けてへ呪文を発信した。

200年後、人工冬眠から蘇生した羅輯は、かつて自分の警護を担当していた心強い仲間の史強(シー・チアン)と再開する。200年の間に地球上では、大峡谷時代という人口を半分に減らす地獄が訪れ、人々はそれを乗り越えていた。社会は激変し、多くの人々が地下都市で生活するようになり、面壁者は忘れ去られた存在となっていた。

一方、三体艦隊は宇宙塵の斑雪(なだれゆき)によって300隻まで戦力を減らし、太陽系への到着は最初の予測よりもかなり遅れることになった。しかし先発する探査機が間もなく太陽系に到達し、その3年後には後続の探索機9機が到着する。三体艦隊はそれほど脅威ではないという甘い考えが人々の間に広がった。
そして、探査機を向かえ撃つために、2000隻余からなる太陽系艦隊が、楽勝ムードの中、海王星に向けて出撃した。

太陽系に到達したたった3.5メートルの水滴型をした探査機は、2000余隻の太陽系艦隊をまたたく間に殲滅させた。
それを知った人々は精神の崩壊をきたし、地球はカオスとなった。そして「水滴」は地球に向かっていく。
このあと完結篇の『死神永生』に続く。→人気ブログランキング

三体Ⅱ黒暗森林/劉慈欣/早川書房/2020年
三体/劉慈欣/早川書房/2019年

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