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新訳 アンドロメダ病原体 マイクル・クライトン

『アンドロメダ病原体』は、1969年にアメリカで出版された。現実に起こりうるテーマを、当時の最先端の知識と斬新なアイデアを駆使して描かれている。
宇宙からもたらされた猛毒の病原体に立ち向かった科学者たちの5日間を活写した作品である。1971年に映画化されている。本書の出版から50年が経ち、IT技術が著しい進化をとげた今でも、十分に受け入れられる内容である。
なおアンドロメダの呼称は、アンドロメダ星座やアンドロメダ銀河とはなんら関連ない。

新しい生物兵器を作り出すことを目的として、宇宙空間の微生物を回収する人工衛星からのカプセルが、アリゾナ州ピードモントに落下した。カプセルを回収しようと軍用車で向かったふたりから、人々が死んでるとの連絡があったあと、通信が途絶えた。

Photo_20200805084201アンドロメダ病原体 新訳

マイクル・クライトン/朝倉久志
早川書房
2012年 10✳︎

ワイルドファイア計画のミッションは、カプセルを回収し、住民46名と軍人2名を死に至らしめた病原体の正体を突き止めめることと、病原体を封じ込めることである。
ワイルドファイア計画のメンバーは、細菌学者のストーン、微生物学者のエヴィット、病理学者のバートン、外科医のホールの4名。

4人はヘリコプターでピードモントに向かった。人々はパジャマ姿で外で死んでいた。苦しんだ様子はなく、ハゲタカがついばんだ箇所からの出血は見られない。
円錐型のカプセルの周りにペンチとタガネが転がっていた。遺体をメスで開くと血液は凝固していた。生後2か月の赤ん坊とひとりの老人が生き残っていた。

ワイルドファイア計画の建物は5レベルに分かれている。レベルが上がるごとにクリーン度が増し、外界と遮断程度も強化されていく。病原体(「アンドロメダ病株」と命名される)が漏れれば、核爆発で研究所は病原体ごと消し去られる。

ユタ州でファントム機がの墜落した。墜落寸前、パイロットはゴムが溶けていくと言った。コックピットの中のゴムがすべて溶けていた。
さらにアリゾナ州で男性巡査が疫病発生の直前にピードモント通過し、その後、発狂し銃でカフェの客を撃ち殺し自らも命を絶った。

アンドロメダ病原体についてわかったことは、病原体は2ミクロンの細菌のサイズであり、空気によって伝播される。呼吸によって肺に吸引され、そこから病原体は血液に侵入し、血液が凝固し死を引き起こす。抗凝固剤は無効。死体からは感染しない。

X線結晶構造解析から病原体は六角形の結晶であることがわかった。培地不要、炭素と酸素と日光があれば成長できる。爆弾を落としたら核爆発の膨大なエネルギーを吸収して、とんでもないことになる。すでにピードモントには核爆弾が投下され感染源を消滅させたはずだ。
ところが、不幸中の幸いか、大統領が命令を先延ばしにしていたのだ。ピードモントには核爆弾が投下されていなかった。

泣き叫ぶ赤ん坊とアスピリンを多量に服用しメチルアルコールを飲んでいた老人が助かったのはどういう理由なのか?
そんな中、研究所が汚染され自動爆破装置が作動してしまった。爆破を阻止することはできるのか。→人気ブログランキング

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