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2020年10月13日 (火)

アリバイのA スー・グラフトン

〈わたしの名前はキンジー・ミルホーン。カリフォルニア州でのライセンスを持った私立探偵である。年令は32、2度の離婚経験があり、子供はいない。おとといある人物を殺害し、今もその事実は胸に重くのしかかっている。〉という有名な出だしから始まる。オールタイムベストの常連作品。
Image_20201013092401アリバイのA
スー・グラフトン/嵯峨静江
ハヤカワ文庫
1987年 

ミルフォーンは、人口8万の美しい住宅地サンタ・テレサ(カリフォルニア州サンタ・バーバラがモデル)に住んでいる。愛車のフォルクスワーゲンに必要なものを積み込んであって、そこらじゅうを精力的に調べ回る。暇があれば1時間ほどジョギングで汗を流す。

夫殺しの8年の刑を終え出所したニッキから、真犯人を探して欲しいとの依頼を受けた。ニッキは夫のローレンスを殺していないという。
腕利きの離婚担当弁護士だったローレンスは何人もの女と浮気をしていて、ニッキは愛想をつかしていた。さて一体、真犯人を突き止めるには、どこから手をつけたらいいのか。

まずは警察の事件ファイルを調べると、24歳のリビーという白人の女性会計士がローレンスの死の4日後に、ローレンスと同じように夾竹桃の粉末を飲んだことで、殺されていた。ニッキはこの事件の容疑者としても疑われていた。

ミルホーンの捜査手法はローレンスと関係のあった人物に会って、徹底的に話を聞くこと。女たらしだったローレンスの評判は著しく悪い。
しかし、ミルホーンが真犯人を調べを始めたことで、新しい殺人事件が起こってしまう。

それにしても、物語の出だしで、〈おとといある人物を殺害し〉というのは穏やかでない。それが明かされるのは最後の最後だ。中盤までは、ミルホーンの捜査は空回りしているようで、パズルのピースは当てはまるところが見つからない。しかし後半はアクセルが踏まれ、スピーディな展開となり、ハードボイルドな結末が待ち受けている。

本書は、キンジー・ミルホーン・シリーズの第1作目。1982年に発刊された。
その後、スー・グラフトン(1940年〜2017年)は、タイトルにアルファベットが含まれる作品を次々と発表し、アンソニー賞の候補になったり賞を獲得したりした。シェイマス賞、ファルコン賞などを獲得している。また、グラフトンはアメリカ探偵作家クラブ(MWA賞の選考を行う団体)の会長を務めていた。最後の作品は、「"Y" Is for Yesterday」。"Z"を書くことはできなかった。→人気ブログランキング

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