リトル・チルドレン
第79回アカデミー賞で、脚本賞、主演女優賞、助演男優賞にノミネートされた。監督は『イン・ザ・ベッドルーム』のトッド・フィールド。
リトル・チルドレン Little Children 監督:トッド・フィールド 脚本:トッド・フィールド/トム・ペロッタ 製作:トッド・フィールド/アルバード・バーガー/ロン・イェルザ 製作総指揮:ケント・オルターマン/トビー・エメリッヒ/パトリック・パーマー 音楽:トーマス・ニューマン 製作国:アメリカ合衆国 2006年 130分 |
3歳の娘をもつ専業主婦のサラ・ピアース(ケイト・ウィンスレット)は公園デビューをしたものの、主婦たちの輪に加わることに抵抗がある。
主婦たちがプロム・キングと呼ぶ主夫(パトリック・ウィルソン)は、彼女らの注目の的だ。
主婦たちは、サラにプロム・キングの電話番号を聞き出したら5ドルあげるという度胸試しを持ちかける。サラは、ブラッドに近づき、大胆にもハグをしてキスまでしてしまうのである。
けしかけた主婦たちは、「こいつただ者じゃないぞ。なんでもしでかす子どものような女だ」と思ったに違いない。 |
ブラッドにはドキュメンタリー作家の妻がいて、彼自身は目下3回目の司法試験を目指している。ブラッドの妻は稼いでいる分、彼に対してなにかと口やかましい。ブラッドは勉強のため図書館に通う振りをして、実はスケボーで遊ぶ少年たちを眺めて時間を潰しているだけだ。
サラの夫はネットの女性に熱をあげ、その女性の下着を購入しマスターベーションにふけっていて、サラはその現場を見てしまう。
公園でのことがきっかけとなって、サラとブラッドは子供を連れて毎日のように市民プールで落ち合うようになる。にわか雨に降られた日に、サラの家でふたりは関係を持ってしまう。いけないことと分かっていながらも、ふたりは徐々に深入りしていく。
サラにとっては退屈な日々から、ブラッドにとっては司法試験の重圧から、とりあえず逃避できる。 |
ところで、女性だけの読書サークルに誘われたサラは、『ボヴァリー婦人』の感想を求められ、ボヴァリー夫人の不倫を自らを正当化するかのように、「女の自立」と言ってのけ、熟年メンバーの支持を得るのだった。
そんなおり、性犯罪で服役していたロニー(ジャッキー・アール・ヘイリー)が刑を終え街に戻ってきて、街は落ち着きがなくなる。
子どもしか相手にできない異常性欲者のロニーが登場して、「大人になりきれない」という本作のテーマが、浮き彫りになってくる。 |
ロニーはシュノーケルにフィンをつけて市民プールに現れ、人々はロニーの異様な出で立ちに驚き、プールはパニック状態になるのだった。
元警官のラリー(ノア・エメリッヒ)は、ロニーを糾弾するビラを街中に貼り、ロニーと母親(フィリス・サマーヴィル)に対して嫌がらせをはじめる。ラリーは、かつて少年を誤って射殺したことで、警察官を辞めたのだ。
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【ケイト・ウィンスレット出演作品】
『おとなのけんか』Carnage/2011年
『コンテイジョン』Contagion/2011年
『ミルドレッド・ピアース 幸せの代償』Mildred Pierce /2011年
『愛を読むひと』The Reader/2008年
『リトル・チルドレン』Little Children/2006年
『エターナル・サンシャイン』Eternal Sunshine of the Spotless Mind/2004年
『ライフ・オブ・デビッド・ゲイル』The Life of David Gale/2003年
『アイリス』Iris/2001年
『エニグマ』Enigma/2001年
『タイタニック』Titanic/1997年
『いつか晴れた日に』Sense and Sensibility/1995年
『乙女の祈り』Heavenly Creatures/1994年
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