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2021年1月18日 (月)

オルタネート 加藤シゲアキ

著者は人気アイドルグループNEWSの加藤シゲアキ。
直木賞にノミネートされ、直木賞は逃したが、第42回吉川英治文学新人賞を受賞した。
ミッション系一貫校の高校生たちを中心に描いた青春小説である。オルタネートは、高校生限定のSNSマッチングアプリ。登場する料理レシピは冒険的なアイデアが溢れていて大いに楽しませてくれる。
Image_20210118120101オルタネート
加藤シゲアキ
新潮社
2020年

中心人物が3人いる。
円明学園高校3年生、調理部部長の新見蓉(いるる)は、学校対抗の高校生の料理コンテスト「ワンポーション」に、年上の多賀澪(みお)と組んで出た去年の大会の決勝で敗れたのは自分のせいだと思っている。今年は絶対優勝する意気込みだ。蓉はオルタネートに入っていない。オルタネートやっている人から見ればやっていない人は原始人に見えるという。

2人目は1年生の奨学生伴凪津(ばんなづ)で、オルタネートの信奉者。オルタネートに自分の情報をどんどん知ってもらうと、オルタネートを育てる感じがするという。AIがマッチング率が高い相手を見つけてくれる。

3人目は大阪から出てきたた楤丘尚志(たらおかなおし)。小学生3年の頃から尚志はドラム、安辺豊はギターでセッションした仲だ。豊が小5で転校するまで続いた。高校を中退した尚志は、豊にもう一度バンドをやろうと誘う。
豊の親は医者で、自分も医者になると尚志の誘いを断る。当てが外れた尚志は一時目標を失う。中退したことででオルタネートには入ることができない。

凪津はオルタネートの新機能ジーン・マッチングを試してみようと、自らのDNAを調べた。そして、ジーン・マッチングで検索すると、相性最上位は92%の桂田武生だった。今までどれほど相性が良くても、せいぜい60%台だった。相田とデートするが、マッチングがいいとは思えなかった。
そして、再度ジーン・マッチングで見つけた相手とはうまくいきそうだったが、凪津は叫ぶ。「いいたいことあるなら、ちゃんと面と向かって言えよ!お前も!私も!」。「私も!」と付け加えたのは、オルタネート信奉者ですら、SNSの限界を感じ取っているからだろう。

円明学園高校では学園祭が盛況に行われ、蓉は新しい相棒の1年生山桐えみくとともに、料理コンテスト「ワンポーション」に出場する。

本書にはバスケットのルールに関して事実誤認がある。バスケットボールの選手の番号は学生バスケットや国際試合では、ゴール下のエリアに攻撃側の選手が3秒以上いてはいけないという「3秒ルール」があるために、1、2、3番は欠番とすることになっている。
〈「あいつうまいな」
ダイキが指差したのは背番号2の男子だった。p97〉
2番は4番であるべきだ。一番上手い選手は4番をつけることが多い。→人気ブログランキング

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