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八百万の死にざま ローレンス・ブロック 

話の運びの上手さには脱帽するし、何しろ文章がうまい。登場人物たちが目に浮かぶように生き生き描かれ、心理描写も見事だ。タイトルの由来は、本書の発刊当時(1917年)、ニューヨークの人口がおよそ800万人だったことによる。
91bbcdaae3eb48b081842fd3fc544885八百万の死にざま
ローレンス・ブロック/田口俊樹
ハヤカワ文庫
1988年 503頁

アル中の主人公マット・スカダーは、娼婦のキム・ダッキネンからヒモと手を切りたいから、そのことをヒモに伝えてほしいと、1000ドルで依頼を受けた。マットは500ドルは成功報酬としてもらうと返した。なんという潔さだ。マットは自分の撃った弾が子どもを殺し、そのことがきっかけで警察を辞めアル中になり離婚した。

マットはヒモのチャンスという黒人に会おうとする。ヒモといってもチャンスは6人の娼婦を抱え、それぞれにアパートを与え上がりを上納させ、羽振りのいい暮らしをしている。チャンスに会いキムの話を伝えると、キムを拘束はしないし暴力は振るわない、ただキムに会って確かめるという。女が抜けても次々に新しい女が現れるから困らないという。
チャンスはキムに会い、抜けることを承諾したという。マットに興味を持ったようだとキムは言った。

ところが、数日後、キムはホテルで殺害された。惨殺事件の記事を読んでマットは怒り、そして飲んでしまった。発作を起こして救急病院に担ぎ込まれた。元妻のアニタに電話したことも、息子たちと話したことも、アル中自主治療協会の集会に行ったことも、記憶にない。

犯人はチャンスが雇った殺し屋なのか。チャンスは弁護士を伴って検察署に現れたという。キムの死亡推定時刻に、チャンスにはアリバイがあった。マットは、ミッドタウン・ノース署のダーキン刑事にチャンスのことを伝えた。
殺人犯はキムを全裸にしてナタで66箇所傷をつけたという。サイコの仕業ではないか。

チャンスはキムの殺人犯を調べるために、マットを雇いたいという。チャンスはキムが殺されたことで、商売が上がったりだという。
マットは2500ドルで仕事を引き受けた。マットはチャンスが抱えている5人の娼婦にあたってみる。娼婦の一人ずつに話を訊くが、マットはどんな些細なことも逃さない。

マットとダーキン刑事は酒場でニューヨークの犯罪事情について話している。「腐り切った、肥溜めのようなこの町に何があるかわかるか?〈8百万の死に様〉があるのさ」と刑事は言う。ニューヨークでは毎日多数の人が殺されている。

キムにはボーイフレンドがいて、キムに高価なプレゼントをしたと、マットは推理した。そんな折、別の殺人事件が起こり物語は真犯人に近づいていく。→人気ブログランキング
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