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2022年10月20日 (木)

“少女神”第9号 フランチェスカ・リア・ブロック

主人公の少女たちは、サブカルチャーの中で、思春期の勘をたよりに、傷つきやすく感じやすく、あるいは、破天荒に、生きている。そんな9篇の短篇が収録されている。
著者のブロック・フランチェスカ・リアは、1962年ロサンゼルスのハリウッド生まれ。カリフォルニア大学バークリー校在籍時に初めて書いた小説『ウィーツィー・バット』とそのシリーズで、新しいヤングアダルトの書き手として一躍注目を集め、その後発表した作品も軒並み高評価を得る。2005年には、ヤングアダルトの執筆活動がアメリカ図書館協会に認められて“Margaret Edwards Award”を受賞した (著者紹介情報より)。

本書は、『娼婦の本棚』(鈴木涼美/中公新書ラクレ/2022年)で紹介されていた。〈オンナノコとオンナの間にある、センシティブで荒々しい時間を、パステルカラーのジーンズやヒョウ柄のソファーや M&Mの緑色のチョコやダイエットソーダで彩りながら、9篇の物語にしたのがフランチェスカ・リア・ブロックの『”少女神“第9号』です〉と紹介されている。
E74908b9e9c14f5c94a2a1057fc283c9“少女神”第9号
フランチェスカ・リア・ブロック/金原瑞人
ちくま文庫
2015年  247頁

「ブルー」ラーという名前はママがつけた。バスルームでママが自殺した。パパは酒ばかり飲んでいる。ママが大好きな詩人の名前をつけた人形たちが2人掛けのソファーに座っている。夢にママが誰かといて、あなたの名前はブルーよと言った。その日からブルーはラーの話し相手になった。先生が自分の好きな人のことを書きなさいと宿題を出した。先生はよく書けているから、みんなの前で朗読しなさいと言った。初めはうまくいかなかったが、だんだん調子にのってきた。読み終えると、友達がラーのママって素敵な人だったのねと言ってくれた。

「マンハッタンのドラゴン」タックには2人の芸術家のママ、イジーとアナスタシャーとマンハッタンで暮らしている。クラスの男の子からママが2人いてパパがいないのかと大声で言われた。パパを探しにいくことにした。そしてサンフランシスコに着いた。勘が冴え、パパとママが泊まったホテルに泊まり、パパの過去に近づいていく。

「”少女神“9号」
2人の少女が同人誌『少女神』を発刊し、大好きな作家に送った。作家は、歌手のニックに紹介したいからもう1部送るようにとの返事がきた。さらにニックのマネージャーからの封書には2枚のコンサート招待券と、雑誌にインタヴュー記事を掲載するからニックの私邸に来るようにとの手紙が同封されていた。2人は舞い上がる。

「レイヴ」
レイヴは顔のスタイルもフランスのスーパーモデルのようで、毎朝リムジンで登校する。ぼくは母親から可愛かった子ども時代にロックバンドのボーカルとして稼がされた。レイヴは昔ぼくに夢中だった。それで打ち解けた。レイヴの美容法はロックスターの体液だという。
そんな15歳のレイヴの成績はオール5だった。その後レイヴとは疎遠になった。ぼくは20代になり、レイヴのその後のことを聞いた。17歳でヘロインの過剰摂取で亡くなったという。

その他、「トゥイーティー・スイートピー」「キャニオン」「ピクシーとポニー」「ウィニーとカビー」「オルフェウス」が収録されている。
解説の山崎まどかによれば、〈アメリカの女性たちにとって、フランチェスカ・リア・ブロックと彼女の書く物語がいかに特別な存在なのか、よく分かる。〉という。→人気ブログランキング
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