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2023年2月18日 (土)

人類の起源 古代DNAが語るホモ・サピエンスの「大いなる旅」 篠田謙一

次世代シークエンサーの実用化により、古代DNA研究は新しい知見が次々と明らかになっている。2022年にはこの分野で、スバンテー・ペーボ博士(スウェーデン)がノーベル生理学・医学賞を受賞した。
人類の進化は、ゴリラとチンパンジーの共通の祖先から約700万年前に別れ、猿人・原人(ホモ・エレクトス)・旧人(ホモ・ハイデルベルゲンシス、ネアンデルタール人)・新人という段階を経て進んできた。

ホモ・サピエンスは、30万年前アフリカで誕生した。現代人のゲノムの解析からホモ・サピエンスの世界展開は6万年前以降のことであると推察される。
ホモ・サピエンス、ネアンデルタール人、デニソワ人は数10万年にわたって共存して、互いに交雑してきた。ホモ・サピエンスが、ネアンデルタール人やデニソワ人から受け取った遺伝子と排除した遺伝子がある。 
Photo_20230217134701人類の起源 古代DNAが語るホモ・サピエンスの「大いなる旅」
篠田謙一 
中公新書 
2022年2月 294頁

ホモ・サピエンスとネアンデルタール人とデニソワ人の共通祖先との分岐は64万年前と考えられている。分岐してから30万年の間どのような進化の道筋を辿ったかは、化石証拠からは全くわかっていない。

デニソワ洞窟にはデニソワ人が20万年前から5万年前、ネアンデルタール人が住んでいたのは19万3000年前から9万7000年前と推定されている。デニソワ洞窟で、デニソワ人とネアンデルタール人の混血の少女の骨が見つかった。
複数のホモ属が存在し、互いの間で交雑が起こっていた。ネアンデルタール人は4万年前まで、デニソワ人は1万1千年前まで生存していた可能性がある。
ちなみに、デニソワ人は、前期・中期旧石器時代にアジア全域に分布していた旧人類である。デニソワ洞窟は、シベリアの南、アルタイ山脈のバシェラスキー山脈にある洞窟。

デニソワ人のDNAはパプアニューギニアの人々に受け継がれている。パプアニューギニア人のDNAの3〜6%はデニソワ人に由来していた。
南アジアや東アジア、アメリカ先住民にもデニソワ人のDNAが共有されていることから、ホモ・サピエンスはデニソワ人と2回、別の機会に交雑している。

ホモ・サピエンスはアフリカを出たあと、中東に1万年におよぶ停滞を経て、5万年前よりヨーロッパからシベリアまでの広い地域に拡散した。ユーラシア東部への拡散は北ルートと南ルートがあったと考えられている。南ルートは洞窟で発見されたデニソワ人とは別のグループと交雑した可能性があり、そのグループがパプアニューギニアやオーストラリアに展開することとなった。

日本列島にホモ・サピエンスが到達したのは、4万年ほど前のことである。この時代は旧石器時代に括られる。およそ1万6000万年前から土器を作るようになる。3000年前に北九州で稲作が始まる。それまでを縄文時代と呼ぶ。
縄文人は4万年前以降に、東アジアに展開した異なる2つの系統が合流することで形成された。それぞれの系統が日本列島で合流したのか、大陸沿岸で混合したのち日本列島に流入したのかは不明である。

弥生時代になると朝鮮半島を経由して北九州に稲作をもたらす集団が現れて、それが渡来系弥生人と呼ばれる人々になった。弥生時代は、稲作と弥生式土器と青銅器の3つが特徴的である。稲作は中国の長江中流付近から伝えられ、青銅器は北東アジアから入ってきた。

縄文時代の人骨と弥生時代の人骨には明確な違いがある。
現代の日本列島には形質の異なる集団が存在している。北海道のアイヌ集団と琉球列島集団、そして本州四国九州を中心とした集団。この3つの集団には姿形に区別しうる特徴がある。二重構造モデルとは大陸からの稲作文化を受け入れた中央と、それが遅れた周辺で集団の形質に違いがあるというもの。
稲作が入らなかった北海道と2000年遅れて10世紀ごろに稲作が始まった琉球列島では、縄文人の遺伝的な影響が強く残ることになり、それが見た目の類似性を生んだ。
現代日本人に占める縄文人由来の遺伝子は、本土日本人10%、琉球列島現代人30%、北海道アイヌ集団で70%である。→人気ブログランキング
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