さよなら ドビュッシー
ピアノのレッスンに一息ついたとき、16歳の香月遥と従姉妹片桐ルシアの前に新進気鋭のピアニスト岬洋介が現れて、物語ははじまる。
このあと、ルシアは家族の都合でインドネシアに帰化した。そうこうしているうち、スマトラ沖地震起きた。死者22万人、負傷者13万人、その中にルシアの両親が含まれてた。
さよなら ドビュッシー 中山七里 宝島社文庫 2011年 415頁 |
私立高校のピアノ科に通う遥の祖父は金持ちだが、祖父の豪邸が火事に見舞われて、祖父とルシアが焼死してしまう。遥は体表の34%に及ぶ酷い火傷を負うも形成外科医の神業により、ピアノのレッスンに復帰するまでに回復する。
形成外科医の技も凄いが、遥の回復ぶりは超絶そのもの。松葉杖をつき植皮の治療を続けながら遥は奮闘する。
岬洋介の指導により、遥のピアノの技術は著しく進歩する。ここで、それまで大人しくしていた母が、ピアノのレッスンに鬼のように厳しくなった。
祖父の遺言よれば、いっぱしのピアニストになることが、遥が遺産をすんなり手にする条件になっていた。
火傷の後遺症に苦しむ遥は、「あたし、やります。ピアノストになりたいんです」と、岬洋介に宣言して、コンクールの優勝を 目指して猛特訓に励む日々がはじまった。
事故の後、松葉杖を使ってった遥は、階段の滑り止めを故意に剥がされていて滑り落ちそうになった。事故は一度きりでない。松葉杖のスプリングに細工がほどこされていて、松葉杖が折れた。遥は車に轢かれそうになった。
犯人はこの家の人だろうか。包帯交換のときに見せた家政婦のみちこさんの目つきが、汚物を見る目つきだった。そうこうしているうち、母が神社の石段の踏み外して転落し命を落とす。殺人の疑惑ががかけられ遺体解剖が行われたが、確たる証拠はなかった。
一方、ピアノの技術は本人の努力にもあって、めきめき上達していった。
遥はピアノコンクールの優勝を手にすることができるのか。はたまた命を奪おうとする魔の手を逃れることができるのか。巻末には、ルシアが唐突に帰化した理由が明らかになる。第8回「このミステリが凄い!」大賞受賞作。
読み終わるまで作者は女性だと思っていた。不覚。最近読む本の作者が女性に偏っていたことが気になっていた。少しでも挽回できでいい具合だ。→人気ブログランキング
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この様な書込大変失礼致します。日本も当事国となる台湾有事を前に 日本の国防を妨げる国内の反日の危険性が共有される事を願い書込ませて頂きます。
今や報道は無法国の代弁者となり、日本の国益は悪に印象操作、反日帰化の多い野党や中韓の悪事は報じない自由で日本人の知る権利を阻む異常な状態です。
世論誘導が生んだ民主党政権、中韓を利す為の超円高誘導で日本企業や経済は衰退する中、技術を韓国に渡さぬJAXAを恫喝し予算削減、3万もの機密漏洩など数知れぬ韓国への利益誘導の為に働きました。
当時の売国法に未だ後遺症を残し、今も内から中韓化侵略が進む中、再びメディアに踊らされ国を失わぬ為に、各党の傾向を見極め、改憲始め国の強化と成長が不可欠です。
しかし必要なのは、日本人として誇りを取り戻し 掛替えない自国を守る意識だと多くの方に伝わる事を願います。
投稿: aki | 2024年3月10日 (日) 17時21分