令和の米騒動
8月終わりには、スーパーマケットの米のコーナーは空っぽの心細い状態が続いていたが、今週から新米が並ぶようになった。令和の米騒動はなぜ起こったのか。原因は多岐にわたるといわれているが、挙げれば、去年の不作で米の収穫高が減ったこと、そもそも8月は米が少なくなる時期であること、インバウンドで外国人の米の消費が増えたこと、南海トラフの情報が出たりしたこと、台風で買い占があったろう、そんな状況が8月後半の米不足を招いた。とは言っても、米不足を問われた農林水産大臣は政府備蓄米は出さないと答えた。備蓄米を出せば、米の値段が下がり混乱が起こってしまうから放出しないと答えた。落ち着くよう国民に呼びかけた。悪くない対応だったと思う。
日本人の食べている米の量は、2023年度一人当たり51.1kg、1日当たり140g食べていることになる。茶碗に1杯半、これは1960年代の半分になっている。米消費の減少の原因はひとえに食生活の欧米化が進んだことである。2011年には米とパンの消費量が逆転した。米の消費金額は令和4年には麺類にも抜かれてしまった。
1970年代、米余りを減らそうと政府は農家の補助金を払って減反政策を行い、米の生産量をおさえる政策をとった。減反政策は2018年に廃止している。農業に従事する人の高齢化で米生産農家が減ったことと、米より条件のいい作物に変換する農家が出てきたのが、その理由だった。今度は逆に農家に生産力をつけさせるため、輸入米との競争に負けないように減反政策をやめた。1995年には米の売買の自由化が行われた。2004年は米の価格の値段の自由化が行われたが、ちぐはぐなことに、今でもの農家に補助金が出ている現状である。
一方、最近は、あまり聞かない米の種類が増えた。新品種の米が増えたのである。産地間競争も激化している。平成5年の米騒動をきっかけ政府は、100トンの米を備蓄している。毎年20トン買い上げてきた。弱みを見せた日本には国際的にミニマムアクセス米77トンの輸入を義務付けられている。日本は外国産米に290%の関税かけている。日本の米の価格は外国と比較して約3倍になっているということだ。
今年は酷暑に見舞われているが、米の生産量は問題ないそうだ。(20240907)
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