室町無頼(映画)
『室町無頼』を観る。
発刊された2016年に原作を読んだ。映画の撮影はコロナの影響により8年が伸びたという。
前に書いたブログを見ると、ストリートは原作にほぼ忠実だが、苦言を呈すると、斬りあうシーンがやたらと多くて、食傷気味になる。
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室町時代中期、応仁の乱が起こる前、頻発する飢饉と室町幕府の失政により、人々の生
活はどん底に落ち不満は極限に達していた。世直しの土一揆を企み着々と準備を進める蓮田兵衛(大泉洋) 、その先頭に立って戦わねばならない兵法者の才蔵(長尾謙杜 なにわ男子)。一揆を制圧する側の骨皮道賢(堤真一)。これらの人物に、高級娼婦の芳王子(ほおうじ 松本若菜)が絡む。蓮田兵衛、骨皮道賢は実在の人物。
15歳で浪人の父親を亡くした才蔵は独学で棒術を身につけ、17歳のときに僧兵を束ねる法妙坊暁信に土蔵の用心棒として雇われた。才蔵は生まれてはじめて、他人に期待される立場にいることに自信を持った。土倉とは銭貸し業のこと。
ある日、土倉が襲われ、 用心棒のうち最後まで盗賊と闘った才蔵はとらわれの身とな
った。盗賊の首謀者は骨皮道賢。配下に浮浪人やならず者300人を集める頭目である。
幕府は道賢に京の警護を任せていた。警察でありながら強盗も働く道賢は、乱世ゆえに
まかり通る存在である。
法妙坊暁信は才蔵を賊の一味の一味と疑い探していた、道賢は才蔵を蓮田兵衛に預けることにした。兵衛はその才蔵を唐崎の老人に預けた。そこで9か月間、文字通り命をかけた修行をこなし、老人から先端に三角錐の金具がついた六尺棒を授けられた才蔵は、逞しい武芸サイボーグとなって兵衛の元に帰ってきた。
兵衛の屋敷には多彩な人物たちが寝泊まりし、金も払わずに食事をしていく。兵衛はいざという時のために、そうした人々の話を聞き情報を集め、心を掌握しているのだった。こうして、兵衛は着々と土一揆の準備を進めていく。一揆が起これば、道賢や法妙坊暁信は制圧する側に回らなければならず、誰も生き残る見込みはない。
そして、一揆の蜂起に向かってストーリーは進んでいく。長く生きてもいいことなどあろうはずもない乱世に、無謀な戦いに挑む「無頼」な男たちの、痛快なピカレスク・ロマンである。