http://misyuramen.cocolog-nifty.com/tsundoku/2025/11/post-536584.html 人生はスラップスティック: 2025年9月

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2025年9月

2025年9月15日 (月)

謎の香りはパン屋から 土屋うさぎ

2025年第23回『このミステリがすごい』大賞受賞作。
パン屋で繰り広げられるプチなミステリ。

焦げたクロワッサン
大阪の豊中市にあるパン屋「ノスティモ」のありがたいところは、残りのパンをバイトの小春にわけてくれること。小春は漫画家を志しているが、才能がないことを気付いている。親友の由貴子は170センチのモデル体型で、近寄りがたいクールな雰囲を醸し出している。由貴子が何かを隠しているっぽいと小春は勘づいた。それで、小春を欺く行動をとるが、小春の鋭い推理に真相が明らかになる。由貴子は派遣のバイトで推しの俳優と遭遇して仲良くなっていた。小春は由紀子を祝福する。

Photo_20250915202501 謎の香りはパン屋から
土屋うさぎ 
宝島社
2025年1月

 

 

夢見るフランスパン
先輩はシフトをすっぽかして熱海にいる。パテシスリーの堀田さんが助っ人としてきた。切れ目(クープ)を入れる段になって、堀田さんが悲鳴をあげてナイフを落とした。あとは私が感じてなんとか仕上げた。堀田さんはフランスパンにクープ入れる作業ができなくなった。小春は原因を推理していく。人の腕は似フランスパンに似ている。
この話のキーワードは、金属アレルギー、ひび割れ恐怖症、リスカットだ。

恋するシナモンロール
漫画家志望者とって、夏は新人賞が乱立する勝負の季節。投稿した作品は、女子校高校生とゲームマスターを組み合わせた恋愛テーマだ。
「明太子フランスが焼きあがったよ」と声をかけられ、受け取った小春は、「焼きたてでーす!」と店内のお客に知らせた。明太子フランスにはも目もくれない、高校生カップルと豹柄おばちゃんの2個のシナモンロール争奪戦は、女子高生の勝利だった。
高校生カップルの道長と美桜は、美桜がコーヒーを溢して喧嘩になって、美桜はトイレに入った。私は美桜が何かの隠しているのではと疑った。野球部のキャッチャーの道長を慕うマネジャーの桃香がいる。 高校生の恋愛事情。

さよならチョココロネ
投稿していた漫画の落選の知らせを電話で受けとった。
店長は売れないからチョココロコの製造を止めるという。断固反対すると、レナ先輩はチョココロネに対する思いを語った。私も反対の立場の立つことになって、えらいことに巻き込まれてしまった。凛ちゃんのママはバイクに乗った男にひったくりあった。ハンドバッグを奪おうとしてバッグは地面に落ちた。ママの財布に目もくれず凛ちゃんの財布を持ち去った謎。謎は何だ。

思い出のカレーパン
仕事一筋のご主人は朝帰りになることもあった。そのご主人が、定年退職の後、突然亡くなった。30年前主人がいつも買ってきてくれたカレーパンを、梢江はもういちど食べたいと思った。そのパン屋はすでに閉店している。
さんざん調べると、ヤマダパンのお弟子さんが豊中で別のパン屋のオーナーをやっていて、その味を引き継いでいるという。そのパン屋は『ル・マレ』という店だった。
その店のカレーパンを梢江に食べもらうと、ご主人の味だった。

エピローグ
季節は春。
『ベーカリーまんぷく』は、独立した福尾さんと永瀬の店だ。小春は久しぶりに訪れた。
この店の窓ガラスには私が書いたロゴで飾られている。残ったパンを貰いたくて「ノティスモ」に勤めはじめた。それから1年が経つ。スマホが震えた。編集者からだ。送っていたマンガが採用された。

 

2025年9月 5日 (金)

夜明けまでに誰かが ホーリー・ジャクソン

語り手は高校生のレッドフォード・ケニー。
2人の大学生と4人の高校生が乗った長さ31mのキャンピングカーが、ノースカロライナのキャンプ場に向かっていた。途中、道に迷い、携帯の電波も届かなくなり何者かによって、タイヤと燃料タンクが撃ち抜かれてしまった。狙撃犯からのメッセージは6人のうちひとりが「ある秘密」を知っている。その秘密を突き止めて明かせ。逃げようとしたら撃つ。

Photo_20250905105901

夜明けまでに誰かが
ホーリー・ジャクソン 
創元推理文庫 
2025年7月

 

 

車内にいるのは、レッドほか、レッドの親友のマディ、同級生のサイモン、学校は違うがアーサー、それとマディの兄で大学生オリヴァーとそのガールフレンドのレイナ。この中の誰かが、狙撃犯の求める秘密を知っているのか。タイムリミットは夜明けだ。狙撃犯は、秘密を抱えているひとりがそれを明かせば、解放してやると言う。

オリヴァーの母親キャサリンは地区検事補である。現在マフィアの内部分裂起きた殺人事件を担当している。容疑者は特定され証人もいるが、証人は保護プログラムで匿名性は担保されている。容疑者はそれを聞き出し証人を消したいのではないか。

脱出しようと試みる彼らだったが、一転、風向き変わる。
なぜ、狙撃者は自分たちの行動を的確に封じることができるのか。スパイがいるのではないか。 6人がそれぞれを疑い始める。6人の性格は、常に周囲に引け目を感じ、母を失くした衝撃から立ち直れないでいるレッド。お調子者で露悪的なサイモン。レッドのそばいて彼女を気遣うアーサー。常にレッドのことを思いやっているマディ。年長者である責任感を持ちつつもオリヴェーに逆らえないレイラ。そして、エキセントリックで自分の非を認めず独善的なオリヴァー。

キャンピングカーの中の緊迫感が次第に昂まっていく。オリヴァーは自分のプランはうまくいくと思っている。そのくせ、失敗したら他の人のせいという彼のスタンスには周りがイライラさせられる。キャンピングカーから脱出を試みるが、ことごとく失敗する。
一方、サウスカロライナ病院前でライフルによりキャサリン地区検事補が射殺される。犯人は逮捕されていないが、計画的な暗殺と思われている。

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