盤上の向日葵(映画)
将棋の街、天童のホテルで、将棋の竜王戦が行われている。若き天才の壬生芳樹竜王に挑戦するのは、彗星のごとく現れた東大出の異色棋士上条桂助(坂口健太郎)。対戦成績は3勝3敗にもつれ込んだ。その会場に二人の刑事を乗り込んでくる。本作の最終の場面である。★5つ。
4か月前、埼玉県の山中で白骨死体が発見された。一緒に埋められていたの初代菊水月作の将棋の駒だった。ベテラン刑事石破(佐々木蔵之介)と、かつて棋士を目指しいた。新米の佐野巡査(高杉真宙)は、駒の持ち主の洗い出す。遺体とともに発見された名駒は初代菊水月が7組作っていた。二人の刑事は残りの6組の駒を追って、東奔西走する。
盤上の向日葵
2024年10月31日封切り
監督:熊澤尚人
原作:柚月裕子
配給:ソニーピクチャーズエンタテイメント/松竹
時間は巻き戻されて、桂助の少年時代が映し出される。桂助は幼くして母を亡くし、父親の虐待を受けて育った。向日葵は母の大好きな花だった。元教師の唐沢(小日向文世)が桂助の将棋の才能の気づき、将棋を教えるとともになにかと支援し、東京に出てプロを目指すように助言する。
東大に入学した桂助は将棋部に所属し、将棋道場で勝負に金を賭ける真剣師たちに出会った。桂助の前に運命の人となる元アマ名人の東名重慶(渡辺謙)が現れる。東明は桂介と出会った瞬間から彼の才能に気付いた。東名は桂助を連れ、山形から青森途へと旅打ちに出る。そこで桂助は対戦者同士が命を削る真剣勝負の将棋を目にすることになる。柄本明演じる地元の勝負師との一騎打ちのシーンは鬼気迫るものがある。
大学を卒業後、桂助は外資系の会社に5年間勤めた後に退職してソフトフェアの会社を立ち上げ、その会社を創業2年で 年商30億の会社にした。しかし父親が桂助に金をせびるようになり、次第にエスカレートしていく。桂助は父親に1千万円やるから付きまとうのは止めてくれと願い出るが、父親は念書を破って金の入ったバッグを持って逃げようとした。
一方、病的にやせ咳をし続ける東名が桂助の前に現れた。二人は将棋を指し、桂助は負けるたびに東名に十万円を払った。東名によって桂助の将棋の実力は伸びていった。東名が語る悲惨な生い立ちは、桂助の生い立ちと重なる部分が多分にあった。そして、東名の勧めで桂助はプロの棋士になる決意をした。
ここからネタバレ
桂助の父親のたかりは限度を超えてくる。東明は桂助のために父親を殺して、すでに自らの体の限界を感じていた東名は自決する。桂介は東名の亡骸を敬意をこめて初代菊水月と一緒に埋葬した。
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