木漏れ日に泳ぐ魚 恩田陸
掴みどころのないストーリーだ。ミステリに分類されている。
女と男が代わり順番に話す形式をとっている。
木漏れ日に泳ぐ魚
恩田陸
文春文庫
2010年11月
男には男性を殺した疑惑がある。あるいは転落死だったかもしれない。片付けた2LDのアパートを、これからふたりは別々に出ていくことになっている。その前に段ボールを挟んで缶ビールで乾杯した。やがてビールはワインに変わる。考えをめぐらせたり独白したり繰り返している。ふたりは二卵生双生児らしい。女はナイフをスカートのポケットに入れた。意味深な行動だけれど問題は起きない。ふたりは愛し合っていたらしい。
女によって男が別の女と付き合いはじめていることを明かされる。話は行ったり来たり、戻ったり進んだり、堂々巡りをしている。のらりくらりが続く。死のうかと言うとそれもいいかもと答えたりする。そのうち二卵性双生児でなくて、いとこであることが分かって、一瞬ふたりを包んでいた重圧感が軽くなった気配だ。一線を越えることにびくびくしていた。いとこ。女が携帯電話の番号を押すと相手が出た。これから引越しだと言って短い間話をする。女がポケットに手を突っ込むとナイフがあった。土を深く掘ってそれを埋めた。空を振り返る。ついに、太陽が姿を現したのだった。
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