スポーツ

『レスラー』

レスラー スペシャル・エディション [DVD]
レスラー [DVD]
posted with amazlet at 12.08.17
原題:The Wrestler
監督:ダーレン・アロノフスキー
脚本:ロバート・シーゲル
製作:ダーレン・アロノフスキー/スコット・フランクリン
音楽:クリント・マンセル
主題歌:ブルース・スプリングスティーン
製作国:米国  2008年  115分

80年代後半、人気プロレスラーだったランディ(ミッキー・ローク)は、20年たった今は、満身創痍。引退を考えているが、貯えがない。そもそもレスラー以外の仕事は思いもつかない。
ランディの生き様は、頑な生き方を貫き波乱の人生を送るミッキー・ローク自身にダブって見える。

仕込んでおいたカミソリで自ら額を切り、血を流す壮絶な試合を演出する。あるいは、有刺鉄線に絡まれ、巨大なホッチキスで何箇所も皮膚を留められ、ビンで頭を殴られ、ブリキ缶で背中をしたたか殴られる、という身も心も痛みを伴う試合をしている。

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そんな試合をしても、痛みを和らげる薬や筋肉増強剤を購入するとファイトマネーは消えてしまい、家賃の支払いもままならない。
そうしたツケがたたり、左耳は難聴となり補聴器の世話になっている。腰も肘もガタガタ、心臓病も抱えている。

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ストリップバーで仕事をする2人の子供を抱えるシングルマザーのキャシディ(マリサ・トメイ)も、ランディと同じように身を削ってぎりぎりにところで生きている。そうしたふたりは心を通わせている。
疎遠になっていた娘(ステファニー・ラムジンスキー)との関係を取り戻そうとするのだが、娼婦と一夜を過ごし約束の時間をすっぽかしてしまい、娘から絶縁される。

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そんななか、心臓発作を起こし、心臓のバイパス手術を受けるのだった。
激しい運動はドクターストップがかかり、肉屋の店員として働くが、そんな仕事が続くはずもない。

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やがて昔人気を博したライバルとの再選を企画する。
ランディは会場に駆けつけたキャシディの制止をきかず、リングに上がる。胸痛を感じながら、コーナーポストに上がりダウンしている相手目掛けて必殺技のダイビングを試みようとするのだった。ランディーは、まるでミッキーロークそのものだ。

シモーヌ』(03年)では、まだあどけなかったステファニー・ラムジンスキーが、すっかり大人になった演技を披露している。
アカデミー賞主演男優賞(ミッキー・ローク)、助演女優賞(マリサトメイ)にノミネートされた。

『ザ・ファイター』

ザ・ファイター コレクターズ・エディション [Blu-ray]
原題:The Fighter
監督:デヴィッド・O・ラッセル
脚本:スコット・シルヴァー/ポール・タマシー/エリック・ジョンソン
原案:キース・ドリングトン/ポール・タマシー/エリック・ジョンソン
音楽:マイケル・ブルック
製作国:アメリカ合衆国  2010年  115分

麻薬中毒の兄ディッキー(クリスチャン・ベール)は天才的なセンスを持つ元プロボクサー。シュガー・レイからダウンを奪ったと豪語する町のヒーローだ。薬物撲滅のキャンペーンのためのドキュメンタリーテレビ番組をHBCが作成中。ディッキーは自分の成功の物語を作っていると錯覚している。

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弟ミッキー(マーク・ウォールバーグ)はミドル級のボクサー、時間にルーズなトレーナーのディッキーに振り回されれて練習がままならない。おまけに母親(メレッサ・レオ)のいい加減なマネージメントで、試合直前になって階級が上の対戦相手に変わる始末だ。ふたりには7人の姉妹がいる。

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そんなミッキーは、バーで働くシャーレイン(エイミー・アダムス)に一目惚れしてしまい、付き合うようになる。シャーレインは、ミッキーにまとわりつく母親と兄との縁を切って、ボクシングに打ち込むようにと進言する。
そんな折、ディッキーは麻薬所持と暴行で警察に捕まり、助けようと駆けつけたミッキーは大切な右の拳に怪我を負ってしまう。

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刑務所でのディッキーは麻薬が抜けて健康を取り戻し、自らのの復帰戦を夢見てトレーニングを積むのだった。兄がいなくなり、新しいトレーナーとマネージャーの元でボクシングに打ち込んだミッキーは、実力を発揮していく。ついにはタイトル戦に挑戦するまでになる。
出所した兄を、はじめはトレーナーとして受け入れなかったミッキーだが、麻薬と縁を切った兄とトレーニングを重ねるうちに、兄弟でタイトル戦を戦おうと考えるようになる。

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兄弟愛の物語。
実話に基づいているせいか、ずしりとくる内容になっている。
ディッキー役のクリスチャン・ベールと母親役のメリッサ・レオの際立った演技が、この作品を引き締めている。『アメリカン・サイコ』(00年)で狂気の殺人鬼を、『プレステージ』(06年)で天才マジシャンを演じたクリスチャン・ベールは、本作の役作りのために髪の毛を抜き、悪い歯並びに矯正したという。

本作は、アカデミー賞の作品賞、監督賞、助演男優賞、助演女優賞(エイミー・アダムス、メリッサ・レオ)、脚本賞、編集賞にノミネートされ、助演男優賞をクリスチャン・ベールが、助演女優賞をメレッサ・レオが受賞している。

『インビクタス/負けざる者たち』

ネルソン・マンデラの自叙伝『自由への長い道』の発表記者会見で、「自叙伝が映画化されるとしたら、大統領ご自身を誰に演じてもらいたいか」という記者の質問に、マンデラは「モーガン・フリーマン」と答えたという。
それを知ったフリーマンはマンデラに面会し、その後、自叙伝の映画化権を買い取り、脚本をイーストウッドに送って映画化の話をもちかけた。
イーストウッドは二つ返事でOKしたという。

インビクタス / 負けざる者たち [DVD]
ワーナー・ホーム・ビデオ (2010-11-03)
原題:Invictus
監督:クリント・イーストウッド
脚本:アンソニー・ペッカム
製作総指揮:モーガン・フリーマン
音楽:カイル・イーストウッドマイケル・スティーヴンス
製作:アメリカ合衆国 2009年

1990年、ネルソン・マンデラ(モーガン・フリーマン)は27年間の投獄生活から開放される。
1994年には、南アフリカの大統領に就任する。
それまで権力の中枢に仕えていた白人たちは、アパルトヘイト政策に対するマンデラの報復を恐れて大統領府を去ろうとするが、マンデラは就任の挨拶で今まで通りに仕事を続けてくれるように願う。
マンデラは、国の秩序を維持するために黒人と白人の対立を極力避けたかった。

南アフリカでは、ラグビーは白人の富裕階級のスポーツとみなされ、黒人には人気がなかった。
そんななか、南アフリカ代表チームのスプリングボクスは国際試合で負けが続いていた。
この際、チーム名もユニフォームも変えるべきであると黒人たちが指摘するが、マンデラはそれに反対した。
マンデラは、主将のフランソワー・ピノール(マット・デイモン)を大統領府に招き激励する。
その後、スプリングボクスの選手たちは、ボランティアで貧しい黒人の少年たちにラグビーを指導する。
フランソワーたちはマンデラが収監されていたロベン島の監獄を見学して、マンデラの不屈の意志を感じるのだった。

1995年のラグビーW杯でのスプリングボクスの下馬評は、決勝トーナメントに勝ち進めないだろうというもの。
しかし、そうした大方の予想を覆し予選リーグを突破し、決勝トーナメントをなんとか勝ち進み、ニュージーランドのオールブラックスとの決勝戦に望んだ。

いい映画作ってくれるねー、スポーツものは爽やか。

【第3回ラグビーワールドカップ南アフリカ大会】
(1995年5月25日~6月24日)

決勝トーナメントは、南アフリカ、西サモア、フランス、アイルランド、イングランド、オーストラリア、ニュージーランド、スコットランドの8ヵ国で争われた。
優勝:南アフリカ
2位:ニュージーランド
3位:フランス
4位:イングランド
ちなみに日本は、予選C組最下位の4位であった。

『心を整える。』 勝利をたぐり寄せるための56の習慣 長谷部誠

心を整える。 勝利をたぐり寄せるための56の習慣
長谷部誠
幻冬舎
2011年3月20日
1300円
ISBN 978-4-344-01962-1

ワールドカップやオリンピックがある時にだけ、にわかサッカーファンになる者にとって、「長谷部ってドイツでプレーしているやつだろ?」くらいの認識しかなかった。
目立つ選手ではない印象なので、国際マッチでキャプテンマークをつけているのは意外だった。
ところが、試合のあとの長谷部のコメントは、多くのスポーツ選手の「そうですね」で始まる通り一遍のものではなっかった。
内容のあるコメントに感じた。

本書を読むと、試合後の長谷部のコメントが通り一遍でない理由がわかる。
日頃からコメントに使えそうなフレーズをピックアップして記憶しようとしているのだ。

サッカー選手が試合で求められるギリギリのパフォーマンスを発揮しするにも、さらに選手生命を長く維持するにも、おのれを律しなければならない。
それにしても、リラックスする時間あるのだろうかと、同情したくなるくらいの日常生活が書かれている。
著者が、やってはいけないと決めていることも、積極的にやろうとしていることも、すべてがサッカーのパフォーマンスを向上させるためである。
100万部のベストセラーだそうだ。
特に女性が購入しているという。

装丁のことだが、表紙に著者の顔写真をもってきたら、これほど売れなかったように思う。
水色の表紙が落ち着いていて内容によく合っている。
本書の表紙が著者の写真だとしたら、いざ本を手にとってその写真と目が合ったら、買うのちょっと躊躇してしまうかもしれない。
本書の印税のすべてを東日本大震災に寄付するというのだから、見上げたものだ。