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『ザ・チャンプ  伝説のファイター』

エディプス・コンプレックスを抱え、結婚生活はうまくいかず、仕事はスランプ、そんな主人公が苦境を脱却できたのは、自らの過ちに対し真摯に立ち向かったことだった。

日本未公開。ストーリーの出来はいいし、サミエル・ジャクソンの落ちぶれた元ボクサーの演技は珠玉ものだが、映画自体の評価はなぜかいまひとつのようだった。

サミュエル・L・ジャクソン in ザ・チャンプ 伝説のファイター [DVD]

ザ・チャンプ 伝説のファイター [DVD]

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Resurrecting The Champ
監督:ロッド・ルーリー
脚本:ミッチェル・ボルトマン/アリソン・バーネット
アメリカ  2007年 112分  ★★★★

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ある夜、エリックは街のチンピラに絡まれた老いた黒人の路上生活者(サミエル・ジャクソン)を助ける。チャンプと呼ばれるその老人はかつてヘビー級ランキング3位になったことがあるボブ・サックフィールドであることを知る。エリックは、サックフィールドの栄光と挫折の半生を記事にしようと考えた。

はじめは取材を拒否していたサックフィールドだが、やがて協力するようになる。
資料集めを頼んだ同僚のポリー(レイチェル・ニコルス)は、存命の対戦相手やサックフィールドの息子の存在を調べ上げ、さらに蒐集家が持っていたサックフィールドの試合のビデオを見つけ出してきた。
こうしてエリックは記事を書き上げる。

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記事は高く評価され、エリックの週刊誌部門への昇格が決まり、テレビ局からの引き抜きの話も持ち上がる。有頂天になっているエリックにボクシング関係者から、サックフィールドは20年前に亡くなったはずだと電話がくる。裏を取ることを怠ったエリックは記者として致命的なミスを犯してしまったのだ。

記事の捏造は映画のテーマになる。
ニュースの天才』(03年)は、意図的にニュースを捏造する若手人気コラムニストの話。『ペーパーボーイ 真夏の引力』(12年)は、死刑囚を冤罪と捏造してしまう話。いずれにせよ、記事の捏造は故意であろうとなかろうと記者にとって致命的である。

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妻は訂正記事を書きすべてを明らかにするよう諭すが、エリックは素直には従えない。八方塞がりになったエリックが酔っ払って、チャンプに喰ってかかると、呆気なく殴り倒され病院に運ばれてしまう。チャンプにはサックフィールドになりすまして生きた止む終えない理由があったのだ。

エリックは損害賠償を要求するサックフィールドの息子に謝罪すると、温情のある息子は本物のサックフィールドについて書いてみないかと持ちかけるのだった。エリックはなんと運のいい奴なのだろう。

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エリックは自らが犯した過ちを息子に話すと、偉大な父親の呪縛が解け、妻との関係も修復される。そしてやっと「ムーチョグランデ」の気分になる、チャンプが絶好調のときに口にした言葉だ。→ブログランキングへ

『プリティ・リーグ』

プリティ・リーグ [DVD]

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A League of Their Own
監督:ペニー・マーシャル
脚本:ババルー・マンデル/ローウェル・ガンツ
原案:キム・ウィルソン/ケリー・キャンディール
音楽:ハンス・ジマー
アメリカ 1992年 128分 ★★★★★

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1943年、第二次世界大戦のヨーロッパ戦線に大リーガーが招集され、選手不足でプロ野球の人気が低迷したときに、全米女子プロ野球リーグが発足した。
1988年にはニューヨーク州クーパーズタウンの野球殿堂博物館にて、1954年まで行われた全米女子プロ野球リーグの殿堂入りセレモニーが行われれている。
そのセレモニーに出席するために家を出る主人公ドディが映し出されて映画は始まり、終わりにはかつての選手たちがクーパーズタウンで再開を喜ぶシーンや余興の野球に興じるシーンが映し出される。
本作は史実をもとに、女子プロ野球リーグ創設の1年間を描いたフィクションである。

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オレゴン州の片田舎に住むソフトボールの花形キャッチャー・ドディ(ジーナ・デイヴィス)とピッチャーのキット(ロリー・ペティ)姉妹は、酒場のダンサーだったメイ(マドンナ)、子連れのエブリン、強打者のドリス(ロージー・オドネル)ら個性豊かな選手が揃うピーチーズに所属することになる。

キットには、何もかも万能で美貌の姉ドディに対するコンプレックスがあり、これがストーリーの重要なキーになっている。
監督は、膝を壊して大リーグを引退したアル中の元大打者ジミー・ドゥーガン(トム・ハンクス)。

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選手たちは、厳しい規律もなんのその、監視役の女史に毒を盛ったり、ダンスホールで羽目を外したりして息抜きをしつつ、バスで移動しなから試合を続ける。マドンナの酒場での踊りは見もの。
そうした選手たちの懸命なプレーに女子プロ野球の人気が高まり、監督は酒を絶って真剣にコーチをするようになる。監督は夫がヨーロッパ戦線にいるドディに、いつしか心を寄せていく。

 

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ある試合でピッチャー・キットの交代を巡って姉妹の関係がこじれ、キットがトレードに出されることになり、姉妹の間には決定的な亀裂が生じてしまう。
シーズンが大詰めをむかえ、ピーチーズとキットが移籍したベルズがワールドシリーズの決勝にたどり着く。

 

 

 

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ワールドシリーズでは両チームが譲らず最終戦までもつれ込み、最終打席に立ったキットがヒットを打てば、ベルズがサヨナラ勝ちとなる場面をむかえる。
ドディはピッチャーに、キットのソフトボール時代からの弱点である高めの速球を要求し続ける。

 

個性豊かな若い女性たちが繰り広げる青春グラフティ、女の世界を女性監督ならではの視点からさらりと描いているところがいい。

『レスラー』

レスラー スペシャル・エディション [DVD]
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原題:The Wrestler
監督:ダーレン・アロノフスキー
脚本:ロバート・シーゲル
製作:ダーレン・アロノフスキー/スコット・フランクリン
音楽:クリント・マンセル
主題歌:ブルース・スプリングスティーン
製作国:米国  2008年  115分

80年代後半、人気プロレスラーだったランディ(ミッキー・ローク)は、20年たった今は、満身創痍。引退を考えているが、貯えがない。そもそもレスラー以外の仕事は思いもつかない。
ランディの生き様は、頑な生き方を貫き波乱の人生を送るミッキー・ローク自身にダブって見える。

仕込んでおいたカミソリで自ら額を切り、血を流す壮絶な試合を演出する。あるいは、有刺鉄線に絡まれ、巨大なホッチキスで何箇所も皮膚を留められ、ビンで頭を殴られ、ブリキ缶で背中をしたたか殴られる、という身も心も痛みを伴う試合をしている。

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そんな試合をしても、痛みを和らげる薬や筋肉増強剤を購入するとファイトマネーは消えてしまい、家賃の支払いもままならない。
そうしたツケがたたり、左耳は難聴となり補聴器の世話になっている。腰も肘もガタガタ、心臓病も抱えている。

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ストリップバーで仕事をする2人の子供を抱えるシングルマザーのキャシディ(マリサ・トメイ)も、ランディと同じように身を削ってぎりぎりにところで生きている。そうしたふたりは心を通わせている。
疎遠になっていた娘(ステファニー・ラムジンスキー)との関係を取り戻そうとするのだが、娼婦と一夜を過ごし約束の時間をすっぽかしてしまい、娘から絶縁される。

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そんななか、心臓発作を起こし、心臓のバイパス手術を受けるのだった。
激しい運動はドクターストップがかかり、肉屋の店員として働くが、そんな仕事が続くはずもない。

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やがて昔人気を博したライバルとの再選を企画する。
ランディは会場に駆けつけたキャシディの制止をきかず、リングに上がる。胸痛を感じながら、コーナーポストに上がりダウンしている相手目掛けて必殺技のダイビングを試みようとするのだった。ランディーは、まるでミッキーロークそのものだ。

シモーヌ』(03年)では、まだあどけなかったステファニー・ラムジンスキーが、すっかり大人になった演技を披露している。
アカデミー賞主演男優賞(ミッキー・ローク)、助演女優賞(マリサトメイ)にノミネートされた。

『ザ・ファイター』

ザ・ファイター コレクターズ・エディション [Blu-ray]

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原題:The Fighter
監督:デヴィッド・O・ラッセル
脚本:スコット・シルヴァー/ポール・タマシー/エリック・ジョンソン
原案:キース・ドリングトン/ポール・タマシー/エリック・ジョンソン
音楽:マイケル・ブルック
製作国:アメリカ合衆国  2010年  115分

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弟ミッキー(マーク・ウォールバーグ)はミドル級のボクサー、時間にルーズなトレーナーのディッキーに振り回されれて練習がままならない。おまけに母親(メレッサ・レオ)のいい加減なマネージメントで、試合直前になって階級が上の対戦相手に変わる始末だ。ふたりには7人の姉妹がいる。

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そんなミッキーは、バーで働くシャーレイン(エイミー・アダムス)に一目惚れしてしまい、付き合うようになる。シャーレインは、ミッキーにまとわりつく母親と兄との縁を切って、ボクシングに打ち込むようにと進言する。
そんな折、ディッキーは麻薬所持と暴行で警察に捕まり、助けようと駆けつけたミッキーは大切な右の拳に怪我を負ってしまう。

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刑務所でのディッキーは麻薬が抜けて健康を取り戻し、自らのの復帰戦を夢見てトレーニングを積むのだった。兄がいなくなり、新しいトレーナーとマネージャーの元でボクシングに打ち込んだミッキーは、実力を発揮していく。ついにはタイトル戦に挑戦するまでになる。
出所した兄を、はじめはトレーナーとして受け入れなかったミッキーだが、麻薬と縁を切った兄とトレーニングを重ねるうちに、兄弟でタイトル戦を戦おうと考えるようになる。

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兄弟愛の物語。
実話に基づいているせいか、ずしりとくる内容になっている。
ディッキー役のクリスチャン・ベールと母親役のメリッサ・レオの際立った演技が、この作品を引き締めている。『アメリカン・サイコ』(00年)で狂気の殺人鬼を、『プレステージ』(06年)で天才マジシャンを演じたクリスチャン・ベールは、本作の役作りのために髪の毛を抜き、悪い歯並びに矯正したという。

本作は、アカデミー賞の作品賞、監督賞、助演男優賞、助演女優賞(エイミー・アダムス、メリッサ・レオ)、脚本賞、編集賞にノミネートされ、助演男優賞をクリスチャン・ベールが、助演女優賞をメレッサ・レオが受賞している。

『インビクタス/負けざる者たち』

ネルソン・マンデラの自叙伝『自由への長い道』の発表記者会見で、「自叙伝が映画化されるとしたら、大統領ご自身を誰に演じてもらいたいか」という記者の質問に、マンデラは「モーガン・フリーマン」と答えたという。
それを知ったフリーマンはマンデラに面会し、その後、自叙伝の映画化権を買い取り、脚本をイーストウッドに送って映画化の話をもちかけた。
イーストウッドは二つ返事でOKしたという。

インビクタス / 負けざる者たち [DVD]
ワーナー・ホーム・ビデオ (2010-11-03)
原題:Invictus
監督:クリント・イーストウッド
脚本:アンソニー・ペッカム
製作総指揮:モーガン・フリーマン
音楽:カイル・イーストウッドマイケル・スティーヴンス
製作:アメリカ合衆国 2009年

1990年、ネルソン・マンデラ(モーガン・フリーマン)は27年間の投獄生活から開放される。
1994年には、南アフリカの大統領に就任する。
それまで権力の中枢に仕えていた白人たちは、アパルトヘイト政策に対するマンデラの報復を恐れて大統領府を去ろうとするが、マンデラは就任の挨拶で今まで通りに仕事を続けてくれるように願う。
マンデラは、国の秩序を維持するために黒人と白人の対立を極力避けたかった。

南アフリカでは、ラグビーは白人の富裕階級のスポーツとみなされ、黒人には人気がなかった。
そんななか、南アフリカ代表チームのスプリングボクスは国際試合で負けが続いていた。
この際、チーム名もユニフォームも変えるべきであると黒人たちが指摘するが、マンデラはそれに反対した。
マンデラは、主将のフランソワー・ピノール(マット・デイモン)を大統領府に招き激励する。
その後、スプリングボクスの選手たちは、ボランティアで貧しい黒人の少年たちにラグビーを指導する。
フランソワーたちはマンデラが収監されていたロベン島の監獄を見学して、マンデラの不屈の意志を感じるのだった。

1995年のラグビーW杯でのスプリングボクスの下馬評は、決勝トーナメントに勝ち進めないだろうというもの。
しかし、そうした大方の予想を覆し予選リーグを突破し、決勝トーナメントをなんとか勝ち進み、ニュージーランドのオールブラックスとの決勝戦に望んだ。

いい映画作ってくれるねー、スポーツものは爽やか。

【第3回ラグビーワールドカップ南アフリカ大会】
(1995年5月25日~6月24日)

決勝トーナメントは、南アフリカ、西サモア、フランス、アイルランド、イングランド、オーストラリア、ニュージーランド、スコットランドの8ヵ国で争われた。
優勝:南アフリカ
2位:ニュージーランド
3位:フランス
4位:イングランド
ちなみに日本は、予選C組最下位の4位であった。