http://misyuramen.cocolog-nifty.com/tsundoku/2025/11/post-536584.html 映画・テレビ: 人生はスラップスティック

映画・テレビ

2025年12月21日 (日)

Kaedeニュージランド南島をレンタカーで車で走っている。助手席に乗っているのは28歳の木下亜子(福原遥)、車を運転しているのは須永恵(福士蒼汰)。ひとつ年上の恵は亜子の恋人。ふたりの趣味は天体観察、恋人同士なってから10年以上が経つ。小さなカフェのテラス席で喉を潤した後、近くを散策した。亜子は夕焼けの色の楓を拾う。亜子は高校生の頃は毎日星を見ていた。ナミビア、アイベラ半島、そしてここテカポは、世界一星空が綺麗なところに選ばれている。亜子は助手席に背中を沈めると手にしている楓をくるくる回す。その時の反対車線を走ってきた大型車が道を逸れてこちらに突っ込んできた。恵は死んで、亜子は物が二重に見える後遺症が残った。
ショックで混乱した亜子は瓜二つの双子の弟涼を恵だと思い込んでしまうが、涼は本当のことを言えずにいた。幼馴染の梶野(宮沢氷魚)だけが真実を知り涼を見守っていた。涼を慕う遠藤日和(石井杏奈)と亜子の行きつけの店の店長(宮近海斗)が違和感を抱き始める。亜子が涼を恵君と呼んだからだ。


監督:行定 勲
脚本:高橋泉
原案・主題歌:スピッツ「楓」
ネタバレあり

Kaede4 亜子と梶野は共同で、天体アプリの開発を手掛ける小さな会社を経営している。恵の本棚には天文関係の本が並び、望遠鏡の鏡筒には「Kei」の文字は刻印されていた。出勤の手段は亜子は電車で、涼はバスで通っている。涼は公園の裏手のコインロッカーからリックを出した。黒いリックには薄手の上着、Tシャツ、パンツが収められている。公衆トイレで着替えて恵に変装するのだ。涼は大丈夫、自分はまだ演じ続けることができると自分に言い聞かせている。
二重の生活に戸惑いながらも、明るく真っ直ぐの亜子に涼は惹かれていく。いつしか亜子は涼にとって一番大切な人になっていた。一方、亜子は打ち明けられない秘密がある。
12年前の冬の夜、暗い空き地で2人とも高校のブレザーを着て亜子と恵は望遠鏡で星空を見ていた。彗星に発見3_20251221192501者の名前が命名されるのを知ってわくわくした。亜子が発見すれば、木下彗星となる。
亜子は複視の手術が必要だった。入院する期間を出張と偽って涼に伝えた。涼が仕事道具を運んでいるのを後輩の日和が見ていて、「亜子さんの手術の日に浮気かよ」と雄介に言われ、亜子の入院している病院に向かって走り出した。亜子は「すぐ終わるし、いつまでも頼ってばかりじゃー」「頼っていいんだよ」涼は優しく言った。雄介と日和は恵と名乗る涼に疑問を抱いた。雄介はネットで検索をして、「ニュージランド レンタカーで正面衝突 日本人男性死亡」の記事を見つけた。

病室に初対面の日和がアコを訪ねってきた。
「わかっているんですよね?・・・ずっといっしょにいるの・・・涼君だって」と日和が聞くと 、「・・・最初からわかっていました」とあっさり亜子は認めた。
亜子は恵の葬儀の行われた日、暗い部屋に死んだように横たわっていた。メッセージアプリを開いて、「そちらは彗星が見えますか?」と打った。既読がついた。一瞬、恵が生きていると思った。
3年が経った。雄介の店で亜子と日和が飲んでいる。日和がバッグから雑紙『星ナビ』を取り出した。須永涼の記事が載っている。記事にはナミビアからアイベラ半島を回っていると書かかれている。
亜子は新星発見アプリで新星を発見したと思った。急いで国立天文台に連絡をすると、残念ながら亜子より早く連絡した人がいた。亜子の他にも遅れて発見を連絡してきた人がいたという。その人物の連絡先を尋ねた。
亜子はニュージランドの夕方にテカポ湖にきている。涼がカメラを構えて夜空を見上げる人たちを撮っていた。そこで亜子が涼を見つけ、ふたりは満天に星空を見上げた。

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2025年12月19日 (金)

新解釈 幕末伝(映画)

語り部の歴史学者(市村正親)の解説で物語は始まる。ちなみに歴史学者はときどき現れて解説を加える。ムロツヨシのおちゃらけぶりが半端ない。

1853年(嘉永6年)、浦賀沖にペリーの黒船がやってきて、日本に開国を迫る。海岸で丸太を縄で縛り筏を作っていた桂小五郎(山田孝之)は、ぶらりと現れた坂本龍馬(ムロツヨシ)に手伝ってもらい、筏で黒船に近づこうするが、筏が壊れて海に投げ出されてしまう。

新解釈 幕末伝
監督脚本:福田雄一
主題歌:「龍」福山雅治
公開:2025年12月19日
☆4.5

Photo_202512192113011857年(安政4年)、吉田松陰が(高橋克己)は、幕末の志士の高杉晋作、桂小五郎、伊藤博文など多くの有能な人物を輩出した私塾・松下村塾を開いた。
ある日、勝海舟(渡部篤郎)、龍馬、人斬り岡田以蔵(岩田剛典)が町を歩いていると、尊皇派の侍たちに絡まれ斬り合いになった。龍馬が如何にも剣の遣い手のような素振りをするが、以蔵が相手をすべて始末してくれて、龍馬は刀に手をかけただけだった。龍馬はからっきし喧嘩が苦手だった。

 

 

 

 

 

 

Photo_20251219211401京都の警護を幕府から委託されている壬生浪士の近藤勇 (小手伸也)ら新撰組がコンセプト 茶屋に入ろうとする。近藤勇が血相変えて土方歳三(松山ケンイチ)と沖田総士(倉悠貴)の入店を阻止しようとする。理由は値段高いことだ。すったもんだの末、近藤は入店を許す。茶屋にいたのは勝海舟、龍馬だった。気まずい雰囲気も束の間、くノ一の(山下美月)が注文をとりにきて、近藤勇ら新撰組は隠し扉の裏に消えるのだった。
1865年(慶応元年)、龍馬は日本で最初の株式会社「亀山社中」を立ち上げた。
1866年(慶応2年)、西郷隆盛(佐藤二朗)と桂小五郎との間で、龍馬の「まあ、まあ、まあ、まあ、まあ」の「まあ」を5回いう仲介で、時間がかかって難航するが、敵対関係にあった薩摩藩と長州藩が薩長同盟を結んだ。

3_20251219211401この年、龍馬と妻のおりょう(広瀬アリス)が小松帯刀(薩摩藩の重要人物)邸や霧島を訪れ、日本最初の新婚旅行を果たす。おりょうの色気はこの映画の趣旨を捻じ曲げるほど強烈だ。
1867年(慶応3年)、船の中で龍馬がまとめた新国家構想「船中八策」を土佐藩士後藤象二郎(賀来賢人)に示し政治改革を説く。
龍馬は西郷に「大政奉還」の構想を話すが、西郷は龍馬の誇大妄想を受け入れられなかったが、実際は1867年(慶応3)、15代将軍徳川慶喜(勝地涼)が大政奉還を明治天皇に奏上した。
明治の世になって、龍馬と西郷は庭を眺めながらつくづく満足そうにうなづくのだった。

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2025年12月18日 (木)

ロマンティック・キラー(映画)

上白石萌音主演のバイオレンス・ラブ・ロマティック・コメディ。
いつもゲームに浸り、チョコを貪り、猫と戯れ合うぐうたらな生活を送っているのは高校生の星野杏子。
ある日そんな杏子の前に人間の恋愛エネルギーを糧にする魔法使いのリリ(高橋ひかる)が現れる。杏子が恋愛をしないことが魔法界では大問題になっているらしい。リリは絶対、恋をしてもらいますと宣言して、杏子のゲーム、チョコ、猫を取り上げてしまう。そうして、恋をしたくない杏子と恋をさせたい魔法使いの戦いが繰り広げられていく。

Photo_20251218114801 ロマンティック・キラー
監督:英勉(『東京リベンジャーズ』、映画『おそ松さん』、『ヒロイン失格』)
脚本:山岡潤平(『モエカレはオレンジ色』 『ピーチガール』) 
原作:「ロマンティック・キラー」 百世渡 (集英社「ジャンプコミックス」刊)
制作:TOHOスタジオ ダブ
配給:東宝
評価は☆4、5(豪快、痛快、主人公の星野杏子のひたむきさが沁みる)

 

それからというもの、杏子の生活は一変し、リリの仕掛ける恋愛の罠が杏子を執拗に襲ってくるようになった。杏子の服装は高校の制服の白のTシャツに紺色のスカート、それと時には体育着上着の着たり雀だ。
郵便局勤めだった父親が、なんの前触れもなく、突然ニューヨークに転勤なり母親は父親について行ってしまった。そんな折、学校で男子転校生の香月司(高橋恭平)が杏子の隣の席に座ることになり、どういう訳が父母のいない杏子の家に強制同居することになった。挙句には料理上手な特技を生かして朝食を作ってくれようになった。

Romannthikku その上、クラス替えで男子クラスに杏子が1人となり、突如杏子の前に謎のSAT、謎の兵士、謎の刀剣(?)など現れ、杏子はそれらロマンティック・トラップを斬って斬ってぶちのめしていく。
そして、杏子はクールな転校生の香月司、野球部のエースで幼馴染の速水純太(木村柾哉)や、某国の世間知らずの御曹司小金井聖(中島颯太)の同級生と距離を縮めていく。

絶対に恋をしたくないヒロイン杏子と絶対に恋をさせたい魔法使いの仁義ない戦いが繰り広げられていく。杏子は次々に押し寄せるロマンティック(恋愛)をぶっ飛ばし、ゲームとチョコと猫の平穏な生活を取り戻せるのか。ロマティク・キラーの杏子は同級生の男子全員をぶっ倒せるのか。果てしのないバトルが繰り広げられる。

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2025年12月12日 (金)

天文館探偵物語(映画)

夏の鹿児島の祇園祭(おぎおんさぁ)の熱気に包まれる中、宇佐美蓮(寺西拓人)は相棒の山下健斗(肥後遼太郎)と共に、天文館の繁華街をタモ網片手に脱走したペットの亀を探していた。ちなみに蓮はバーで働きながら密かに探偵業を続けている。
蓮と健斗はDV夫から逃げてきたシングルマザーの凪(大原優乃)と出会う。男児を抱える凪は、それまではお金を盗み、財布をすることに長けていた。その後、バーの金庫を開けるシーンがあるが、盗みを働かず踏みとどまった。

Photo_20251212180901天文館探偵物語
監督・脚本:諸江 亮
上映時間81分
2025年12月5日(金)公開
☆3

 

 

 

 

 

 


蓮と健斗は、凪の働き口と凪の息子を預けられるバーに隣接する託児所を紹介するが、安心したのもつかの間、凪の息子が誘拐される。
凪は息子が地方創生担当大臣・板倉雄馬(西岡德馬)の息子・靖幸(室龍太)と凪の間に生まれた子だと明かす。凪には親権はなく、板倉の息子にすれば凪が男児を誘拐された形なっているため、息子を取り戻そうとしたのだ。

一方、板倉は天文館の再開発を強引に進め、街の人たちの居場所だけでなく思い出をも奪おうとしていた。蓮たちは凪親子と天文館を守るため立ち上がり、天文館の再開発阻止の署名集め奔走する。
一時は再開発に舵が切られたよう思われたが、蓮たちの努力が実を結び板倉を翻意させることに成功する。

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2025年11月26日 (水)

東京タクシー(映画)

木村拓哉演ずる宇佐美浩司は個人タクシーの運転手。中学3年生の一人娘は音大の推薦入学が決まった。浩司は入学金が100万円、そのほかに車検料、家賃など金のかかる現実に頭を悩ませている。
Photo_20251126121701 東京タクシー(映画)
公開日:2025年11月21日 103分
原作:フランス映画「パリタクシー」
監督:山田洋次
配給:松竹
☆4


そんなある日、85歳の女性の高野すみれ(倍賞千恵子)を、葛飾柴又から神奈川県の葉山にある高齢者施設まで送るという依頼の電話がかかってきた。すみれは「東京の見納めにいくつか寄ってみたいところがあるの」と寄り道を依頼する。
すみれは浩司に自らの過去を語り始める。ここで若き日のすみれを蒼井優が演じる。すみれの恋人は在日朝鮮人2世だった。朝鮮戦争が終わって帰還事業が始まると、恋人は新潟から船で夢の国と言われていた北朝鮮へ帰国した。すみれは妊娠していたが、恋人とは音信不通になった。
男児を抱えるすみれはサラリーマンと結婚する。この男が下司野郎で、男児の背中を物差しで叩く。息子への暴力を知ったすみれは夫を許せなくなって、夫の陰部に熱した油をかけたのだった。これが殺人未遂罪として裁かれ、懲役7年の実刑をくらうことになる。

すみれに提案でファーストネームを呼び合うことにした。すみれは浩司に奥さん(優香)のどこが気に入ったか尋ねると、浩司は目と答えた。すみれは浩司の妻に会いたいと言う。
浩司はすみれの爪が手入れが行き届いことに気づく。ソウルオリンピックのとき、フローンレンス・ジョイナーの爪に魅せられたすみれは、ニューヨークに渡っていち早くネールの技術を学び、財産を築いたと明かす。
そうこうしているうちに車は横浜ベイブリッジを渡った。レストランで食事をした後、すみれが浩司に腕を組んでいいか聞く。浩司が娘に電話でねだられたシュークリームを土産に買ってもらった。浩司はシュークリーム入った紙袋を下げ二人は腕を組み横浜の街を歩くのだった。

そして、施設にたどり着く。すみれが「今夜はホテルに泊まりたい」と言うと、「だめです」と浩司が言った。
タクシー代を貰っていなかったので、1週後に妻と施設を訪ねると、すみれは亡くなっていた。すみれがホテルに泊まりたいと言ったとき申し出を叶えてやれば良かったと浩司は後悔した。浩司に遺言と高額の金額の小切手を残してくれた。

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2025年11月25日 (火)

てっぺんの向こうにあなたがいる (映画)

エベレストに登頂した登山家田部井純子の物語である。
田部井の若い頃をのんが、年齢を重ねてからを吉永小百合が演じている。純子を陰で支える夫役は佐藤浩。
女だけでエレベストに登頂するために会議がひらかれる。現地にはおよそ10名が約半年間滞在する予定である。隊員は資金集めに奔走する。その活動を記者の目で見ていた北山悦子(天海祐希)が、メンバーに加わることを宣言する。女性だけでエベレストを登頂することに資金にを出すとなると、世間の財布の紐は硬かった。費用は4000万円かかる。

Photo_20251125082401 てっぺんの向こうにあなたがいる    
監督:阪本順治 脚本:坂口理子
2025年10月31日公開
☆3

 

1975年、日本で初めて女性だけの登山隊でエベレスト登頂に成功した純子は一躍メディアの注目を浴びるが、そんな彼女に反発を覚え去っていく仲間たちがいた。手柄を独り占めにしたとの反発も食らった。順子の周りには誰もいなくなると陰口を叩く者もいた。
一方では反抗期の息子が勝手に高校を辞めてしまったこともあった。

純子は自分の体調不良に気づき、夫を伴って精密検査を受ける。そこで腹膜に癌が発見されるが、抗癌剤の投与を受けながら弱みを見せず 、新しいにことにどんどん挑戦していった。常に純子を支えたのは夫であり、要所要所で心の支えとなったのは友人の北山悦子であった。

赤いドレスに身を包みステージでシャンソンを歌ったり、当時まだ開けている人が少なかったピアスを開けたり、50歳を過ぎてから、運転免許の取得したり、ブログの執筆をしたり、競馬の予想などにも挑戦した。また登山を通して青少年の育成に貢献し、病を抱えながらも前向きに人生を謳歌した姿が描かれている。
かつて反抗期にあった息子は、今では登山に関わり母と共に一般の人々の富士山登山に手助けをするようになった。
晩年には余命宣告を受けながらも、朗らかな笑顔で家族や友人や周囲を巻き込みながら、山に挑み続けることをやめなかった。

2025年11月18日 (火)

ブルーボーイ事件 (映画)

1965(昭和40年)、東京オリピック、大阪万博と国際的なイベントが続く中、世界に向けてクリーンな日本をアピールしようとする国の方針に従い、赤坂書が売春婦を取り締まりしたところ、手術を受けた男娼がいた。ブルーボーイと呼ばれる、性転換手術を受け、体を女性的に変えた者たちである。戸籍は男性のまま女性として売春する彼女たちは売春防止法では摘発対象にならない。そこで、警察は生殖を不能にする手術は、優生保護法に違反するとして、性転換手術を行なった赤城(山中崇)医師を逮捕した。

Buruboy ブルーボーイ事件
2025年11月14日公開 飯塚花笑 監督 脚本:三浦毎生 加藤結子 飯塚花笑
原作:中川千英子 朝日文庫 2025年10月
日活/KDDI 配給 
☆4

 

 

 

 

 

Blueboy坂口吉郎の名を捨てて、サチ(中川未悠)になってから7年過ぎ、恋人の若村篤彦(前原滉)と同棲して1年になる。サチはオフィス街にある喫茶ビーナスのウェートレスとして働いている。篤彦は次の開発チームに抜擢されて仕事は順調だ。篤彦が結婚指輪を渡そうとすると、サチは「ちゃんと女になってからにして」と言った。

そんなある日、弁護士の狩野(錦戸亮)がサチのもとを訪れる。赤城の弁護を引き受けた狩野は、証人として出廷して欲しいと依頼する。今の生活を壊したくないと証言を拒んだものの、赤城が逮捕され残りの手術ができなくなった。新たな医師を探すうち、かつて働いていたゲイバーの同僚アー子(イズミ・セクシー)と再開した。自分のバー『アダム』の開店の奔走するアー子は、裁判での証言を決めていた。一方、ブルーボーイたちの元締めとして働くメイ(中村中)も承認を引き受けるが、和装で現れた彼女はこんな裁判は茶番だとバカにする。

アー子が証言台に立つ日がやってきた。手術の正当性を証明したい狩野は、アー子たちは「性転換症というか精神疾患を「抱えた人々であり、手術はその治療の一環である」主張した。その言葉にアー子は猛然と怒り、自分は「女として普通に生きたいだけだ」と声を荒げる。
そんなふたりを傍聴席のサチは不安げに見つめていた。その後、サチは証言台に立つことを拒否していたが、狩野弁護士の説得に証言台に立つ決意をする。

アー子の店『アダム』のオープン記念リサイタルは延期された。アー子は2〜3日経って遺体で発見された。撲殺だった。

赤城医師は、「正当な医療行為と認めることはできない。40万円の罰金刑に処する」と、有罪判決を受けた。このとき、性転換手術に至る5つの指針が示された。
1969 年 、「性転換手術に関する考え方」が次のように示されている。「現在日本におい ては、性転換手術に関する医学研究も十分ではなく、医学的な前提条件ないしは適用基準 は勿論法的な基準や措置も明確でないが、少なくとも次のような条件が必要であると考え る。 (イ) 手術前には精神医学ないし心理学的な検査と一定期間にわたる観察を行うべきで ある。 (ロ) 当該患者の家族関係、生活史や将来の生活環境に関する調査が行われるべきである。 (ハ) 手術の適応は、精神科医を混えた専門を異にする複数の医師により検討されたうえで決定され、能力のある医師により実施されるべきである。 (ニ) 診療録はもちろん調査、検査等の資料が作成され、保存されるべきである。 (ホ) 性転換手術の限界と危険性を十分理解しうる能力のある患者に対してのみ手術を 行うべきであり、その際手術に関して本人の同意は勿論、配偶者のある場合は配偶者の、 未成年者については一定の保護者の同意を得るべきである。

1977(昭和48年)、カルーセル麻紀がモロッコで手術を受けたことが話題になった。
1998(平成10年)、埼玉医科大学病院で「公に認められた医療行為として性転換手術が行われた」と報じられた。

狩野弁護士は、角を曲がったところで足を止めた。鮮やかな水色のワンピースを着た女性が帰宅した男性から楽しそうに鞄を受け取っている。ふたりはそのまま小さな商店に入っていった。商店の看板には『テーラー サチ』とあり、ショーウィンドウーには女性物のワンピースが飾られていた。

本作は、すべて群馬県で撮影したという。
脚本ができ上るまで8年かかったという。

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2025年11月 3日 (月)

盤上の向日葵(映画)

将棋の街、天童のホテルで、将棋の竜王戦が行われている。若き天才の壬生芳樹竜王に挑戦するのは、彗星のごとく現れた東大出の異色棋士上条桂助(坂口健太郎)。対戦成績は3勝3敗にもつれ込んだ。その会場に二人の刑事を乗り込んでくる。本作の最終の場面である。★5つ。

4か月前、埼玉県の山中で白骨死体が発見された。一緒に埋められていたの初代菊水月作の将棋の駒だった。ベテラン刑事石破(佐々木蔵之介)と、かつて棋士を目指しいた。新米の佐野巡査(高杉真宙)は、駒の持ち主の洗い出す。遺体とともに発見された名駒は初代菊水月が7組作っていた。二人の刑事は残りの6組の駒を追って、東奔西走する。

Photo_20251102173301 盤上の向日葵
2024年10月31日封切り
監督:熊澤尚人
原作:柚月裕子
配給:ソニーピクチャーズエンタテイメント/松竹
☆4.5

時間は巻き戻されて、桂助の少年時代が映し出される。桂助は幼くして母を亡くし、父親の虐待を受けて育った。向日葵は母の大好きな花だった。元教師の唐沢(小日向文世)が桂助の将棋の才能の気づき、将棋を教えるとともになにかと支援し、東京に出てプロを目指すように助言する。

東大に入学した桂助は将棋部に所属し、将棋道場で勝負に金を賭ける真剣師たちに出会った。桂助の前に運命の人となる元アマ名人の東名重慶(渡辺謙)が現れる。東明は桂介と出会った瞬間から彼の才能に気付いた。東名は桂助を連れ、山形から青森途へと旅打ちに出る。そこで桂助は対戦者同士が命を削る真剣勝負の将棋を目にすることになる。柄本明演じる地元の勝負師との一騎打ちのシーンは鬼気迫るものがある。

大学を卒業後、桂助は外資系の会社に5年間勤めた後に退職してソフトフェアの会社を立ち上げ、その会社を創業2年で 年商30億の会社にした。しかし父親が桂助に金をせびるようになり、次第にエスカレートしていく。桂助は父親に1千万円やるから付きまとうのは止めてくれと願い出るが、父親は念書を破って金の入ったバッグを持って逃げようとした。

一方、病的にやせ咳をし続ける東名が桂助の前に現れた。二人は将棋を指し、桂助は負けるたびに東名に十万円を払った。東名によって桂助の将棋の実力は伸びていった。東名が語る悲惨な生い立ちは、桂助の生い立ちと重なる部分が多分にあった。そして、東名の勧めで桂助はプロの棋士になる決意をした。

ここからネタバレ
桂助の父親のたかりは限度を超えてくる。東明は桂助のために父親を殺して、すでに自らの体の限界を感じていた東名は自決する。桂介は東名の亡骸を敬意をこめて初代菊水月と一緒に埋葬した。
 
ブログ:盤上の向日葵/盤上の向日葵/柚月裕子/中公文庫/2020年

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2025年10月19日 (日)

おーい、応為(映画)

応為に関する本は2冊読んでいた。『北斎と応為』(キャサリン・ゴヴィエ モーゲンスタン・陽子 彩流社 2014年、『眩(くらら)』(朝井まかて 新潮社 2016年)である。
『北斎と応為』は、応為の生涯を、カナダ人女性作家が描いた異色の歴史小説。応為は北齋が40歳くらいのときに生まれ、本書では還暦過ぎまで生きた設定であるが、実際は生没年不詳で資料は乏しい。『眩』は、お栄の出戻りの姉が息子の時太郎をおいて、あっけなく亡くなってしまう。後年この時太郎が北斎親子の厄介の種になる。
映画の原作は、飯島虚心の 『葛飾北斎伝』(岩波文庫)と杉浦日向子 の『百日紅』(筑摩書房)。
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おーい、応為
監督・脚本:大森立嗣
原作:飯島虚心『葛飾北斎伝』(岩波文庫)
杉浦日向子『百日紅』(筑摩書房)より「木瓜」「野分」
配給:東京テアトル、ヨアケ
2025年10月17日公開
☆4

北斎がいつも「おーい、おーい」と呼んでいたので、雅号が応為となったという。長澤まさみが
着流し気風のいい応為(お栄)をクールに演じている。
北斎(永瀬正敏)の三娘であるお栄は絵師に嫁ぐが、夫の絵を見下して離縁される。というか、啖呵を切って家を出ていく。
北斎のもとに戻ったお栄は、北斎と生涯をともにすることになる。2人が暮らす貧乏長屋は画材や絵で散らかり放題で、茶も入れられず針仕事もできないお栄だが、絵の才能だけは父親譲りだ。女性の浮世絵師として、絵を描くことに生涯を捧げる。お栄の姉弟のような友情で結ばれるよき理解者となる浮世絵師・渓斎英泉を、髙橋海人(King & Prince)演じている。

北斎は絵の具代には糸目をつけないが、絵以外には無頓着で、出前をとって暮らしたうえ、掃除が嫌いで引っ越し魔だ。90年の生涯になんと93回、ひどいときには1日に3回も引っ越したという。雅号は30回変えている。家財道具と愛犬さくらを大八車に乗せ、応為と共に引っ越しを繰り返す。派手な出来事はないが、出戻り女ののらりくらりの日常が描かれている。

北斎は「美人画では娘にかなわない」と応為を高く評価していたという。北斎のサインがある作品のなかにも、実際には応為が描いたあるいは部分的に手伝ったとされるものがあるといわれている。
お栄は代表作『吉原格子先之図』を描こうと吉原の芸妓を観察する。妓楼のなかで灯りに照らされる花魁たちを、闇夜に紛れてお栄が見つめるシーンがある。『吉原格子先之図』は、レンブラントの絵と並び称されるほどの光と影を巧みに操った傑作である。

公式サイト:https://x.com/oioui_movie

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2025年5月23日 (金)

かくかくしかじか(映画)

田中圭とのスキャンダルで女優引退が囁かれている永野芽衣演じる漫画家志望の高校生と、大泉洋を演じる絵画教室講師の師弟愛の物語。原作は東村アキコの同名のタイトル『かくかくしかじか』。2015年のマンガ大賞の受賞作。
かくかくしかじか
東村アキコ:原作/脚本
関和亮:監督
https://youtu.be/gHwMfnhcu_w

Photo_20251028220301 宮崎の田舎と金沢と東京が舞台。
高校生の林明子は、竹刀をもって闇雲に「書けぇ」と怒なり散らす日高先生の油絵のスパルタ指導を受ける日々を送っている。明子は漫画家を目指しているが、日高先生にそのことを伝えていない。それが心のどこかに引っかかっている。

お気楽な明子は金沢美術工芸大学に入学して、彼氏と付き合って、能天気な学生生活を送る。明子のことが気にかかる日高先生はちょくちょく連絡をするのだった。アパートに訪ねてきて、図々しくも泊まっていったこともあった。実家で夏休みの宿題を描きあぐねていた明子を、「書けぇ!」と叱咤する。単純な「書け」ではない、あくまで「書けぇ!」と怒鳴るのだ。

大学を卒業すると、郷里に帰って明子は電話交換手になった。日高先生は二人展を開くことを提案するが、明子はのらりくらり受け流す。そんな明子は漫画雑誌に繰り返して応募して、次第に実力が認められていく。そして晴れて漫画家としてデビューを果たす。上京した明子は漫画家の階段を上がり、超人気の漫画家に上り詰めるのだ。

そんなある日、日高先生から電話があり肺癌で余命4ヶ月と打ち明けられた。
大いに笑って泣かせられる、心に沁みる傑作だ。→人気ブログランキング
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