http://misyuramen.cocolog-nifty.com/tsundoku/2025/11/post-536584.html 経済・政治・国際: 人生はスラップスティック

経済・政治・国際

2026年1月11日 (日)

米国トランプの暴挙

この度のベゼネイゼラに行った米国の所業(1月6日)について、トランプが西側諸国に口出し無用と脅しをかけている。麻薬不正取引で一国の大統領夫妻を、軍隊を使って拉致した蛮行だ。麻薬取締官が実働したという。

モンロー主義を逆手にとって、南北アメリカは米国が自由に扱っていいのだと言い出した。トランプの「ド」をとって、ドンロー主義というそうだ。その代わりヨーロッパには口出し手出しはしない。ヨーロッパ諸国は一瞬息を飲んだが、一斉に米国を批判し始めた。そもそも国際法を無視している。

ちなみに、モンロー主義とは、米国がヨーロッパ諸国との相互不可侵を唱えたもの。5代米国大統領のジェームズ・モンローが、1823年の米国議会で宣言した。(2026年1月11日)

ベネゼイラ、グリーンランド問題(2026年1月10日)
米国、ベネゼイラの運営に乗り出すと(2026年1月6日)
米、グリーンランドの領有に意欲(2026年1月5日)

→人気ブログランキング
にほんブログ村

2026年1月10日 (土)

ベネゼイラ、グリーンランド問題

トランプはベネゼイラを統治するつもりだ。

国の安定化、復興、政権移行の3段階で再建を一方的に想定している。当然のことながらベネゼイラには影の実力者(カベジョ内務・法務相)がいる。内乱を企てている勢力がある。トランプの意に沿わない動きが出てくるだろう。
トランプはグリーンランドには、住民に一時金10万ドル(1570万円)を支払うという。

インタヴューで、グリーンラン獲得と北大西洋条約機構(NATO)の維持のどちらが優先度が高いかについて「選択を迫られるかもしれない」とも述べた。AP通信によると、デンマークの駐米大使と米国安全保障会議の当事者らは、8日に協議。グリーンランド側代表者も出席した。ルビオ米国長官は来週、デンマークと側と協議する予定だという。(2026年1月10日)

ベネゼイラ、グリーンランド問題(2026年1月10日)
米国、ベネゼイラの運営に乗り出すと(2026年1月6日)
米、グリーンランドの領有に意欲(2026年1月5日)

→人気ブログランキング
にほんブログ村

2026年1月 9日 (金)

米、気候変動条約離脱へ

トランプがまた突拍子ないこと言い出した。米国は66の国際機関から脱退するそうだ。ここ最近のベネゼイラといいグリーンランドいい物議を醸している。

トランプは温暖化対策を「地上最大の詐欺」と主張している。
新聞はトランプ後の政権への影響について論じている。米国が27日に正式離脱する温暖化対策の国際枠組み「パリ協定」は、条約に基づいている。一旦条約を離脱すれば、将来の政権交代後も、パリ協定復帰に時間がかかるのは必至である。世界の温暖化抑制に向けた取り組みに大打撃にとなる。米国は第一次トランプ政権下の2020年11月にパリ協定から離脱。バイデン政
権下で復帰したが、今月27日に再離脱する。将来の復帰するには、協定の基盤となる条約を締結していることが前提となる。条約に再加入するには、議会の承認が必要になるとみられ、メディアは「与野党が2極化した状況で、上位の3分の2の賛成を得るのは困難だ」と指摘した。

対象は31の国連機関と35の非国連機関。他には国連人口基金、国連大学、国連女性機関、国連貿易開発会議、国連経済社会局、国連人間居住計画、国連訓練調査研究所などが含まれる。

ルビオ国務長官は7日の声明で、これらの機関を念頭に、「進歩的イデオロギーに支配され、国益からかけ離れている」と批判した。
進歩的イデオローギーとは具体的にはなんだ? 進歩的な考え方についていけないということか。(2026年1月9日)

米、グリーンランドの領有に意欲(2026年1月6日)
米国、ベネゼイラの運営に乗り出すと(2026年1月5日)

→人気ブログランキング
にほんブログ村

2026年1月 6日 (火)

米、グリーンランドの領有に意欲

デンマークにとっては甚だ迷惑な話であるが、トランプ大統領がデンマーク自治領グリーンランドの領有権を主張している。トランプは4日、グリーンランドについて自国防衛の観点から絶対に必要だと述べて、改めて領有に意欲を表明した。改めてということは、前歴があるということだ。

ちなみにAIによると自治領とは、自治領とは、ある国に属しながら、その国の主権の下で非常に広範囲な自治権を持つ領土のこと。かつてのイギリス連邦(コモンウェルス)において、イギリス本国と対等な立場で、独自の外交権なども持つ半独立国のような存在だったカナダやオーストラリアなどを指す言葉として使われた。

ベネゼイラを運営すると表明したと同様に、南北米大陸中心とする「西半球」で影響力の拡大を図る決意を表明した。ロイター通信によると、デンマークのフレデリセン首相は4日、グリーランドは売り物ではなく、米国には「併合する権利にはないと反発。同盟国に対する脅迫をやめるよう訴えた。

トランプは、北極圏でロシアや中国と天然資源や新航路の開発で争っていることを踏まえ、グリーンランドが中ロの船に囲まれていると懸念を示した。中ロの影響力の排除に向け、安全保障上の関与を強めたい意向を示した。トランプ政権は昨年12月に公表した国家安全保障戦略(N S S)で、西半球を重視する姿勢を打ち出している。

米国とデンマークはともに北大西洋条約機構(NATO)加盟国である。トランプは、昨年の1月の第二次政権発足後、グリーンランドを買収するとの主張を繰り返しており、南部ルイジアナ州知事を特任大使に任命した。

西半球とは、西半球とは、地球のうち本初子午線から西回りに西経180度(180度経線)までの半分のことである。残余の部分を東半球という。西半球で経度を示すには、西経を用いる。
西半球には、アメリカ大陸、ユーラシア大陸の西端と東端、アフリカ大陸の一部西部地域、南極大陸の西南極、大西洋の大部分西部地域、太平洋の東部などが含まれる。(20260年1月6日)

→人気ブログランキング
にほんブログ村

2026年1月 5日 (月)

米国、ベネゼイラの運営に乗り出すと

3日、ベネゼイラのマドゥロ大統領が米軍に拘束されてニューヨークの拘置所に収容された。トランプ大統領は政権移行まで米国がベネゼイラを「運営する」と表明した。同国の石油インフラを米企業が修復するとし、権益確保の意欲を露骨に示した。ベネゼイラ側が協力しない場合は再攻撃すると警告した。米大統領は負傷者はいないと発表しているが、メディアによると攻撃により少なとも40人の民間人が死亡した。ロドゲリス副大統領は米国に反発し、マドゥロ大統領の解放を要求しているという。

トランプ大統領は「ベネゼイラの安全かつ賢明な政権移行が実現するまで米国が運営する」と述べた。ルビオ国務長官がロドゲリス氏と電話会談したとし、ロドゲス氏には米国に協力するしか選択肢はないと指摘し、「地上部隊が必要であればためらわない」とも語ったという。トランプ氏が2日夜に拘束作戦戦を命令し、部隊が3日未明にマドゥロ氏と妻の身柄を拘束した。作戦は「数カ月にわたる計画と訓練の集大成だった」と誇示した。陸海空の各群のほか、中央情報局(CIA)も関与した。大体的の行われた「生け捕り作戦」だったことがわかる。ベネゼイラの政府系メディアによると、ロドリゲス氏は「大統領はマドゥロ氏しかいない」と主張。米国の真の目的はエネルギーや天然資源の掌握」にあるとし、攻撃は「恥ずべき行為」と非難した。ベネゼイラ最高裁は3日、ロドゲス氏を暫定大統領に就任するように命じた。

昨年ノーベル平和賞はベネゼイラの野党指導者マリア・コリナ・マチャドが受賞した。実際、ベネゼイラにおける同氏の人気は非常に高い。トランプ氏はマチャド氏について「ベネゼイラ国内では人気がない」と述べマドゥロ大統領が拘束を受けた政権移行の後の指導者には難しいとの見解を示した。トランプ氏はノーベル賞平和賞の受賞を熱望していたため、マチャド氏の受賞が気に食わないのではないかの憶測が流れているという。
徐々に明らかなってくるだろうが、ベネゼイラの運営を目指したこの度の米国の軍事行動は、愚挙と言わざるをえない。

高市総理は、ベネゼイラの民主主義の回復と情勢の安定化に外交努力するとツイッターに(X)投稿したが、攻撃の是非に触れなかった。日本は相変わらず当たり障りのない立場を貫いている。ベネゼイラと関係の深いロシア、中国が米国を非難しているが、会見でプーチン大統領は米国の軍事行動にやられた感を滲ませていた。
トランプの子供じみた行動が明らかになるたびに、トランプが手に入れたくて止まないノーベル賞はどんどん遠のいていく。そもそもノーベル賞財団は、トランプを候補にも挙げないだろう。(20260105)

→人気ブログランキング
にほんブログ村

2025年11月 1日 (土)

世界秩序が変わるとき  新自由主義からのゲームチェンジ   齋藤ジン

著者は見た目は歌手のイルカにそっくりな外見はおいておくとして、経済政策分析のスペシャストである。
これから日本の経済が良くなっていくと、予測している。
2021年以降、著者は世界のプロの投資家に、「新自由主義な世界観に支えられて既存システムはその信認(コンフィデンス)を失った。根幹世界観へのコンフィデンスが崩れた以上、パラダイムシフトが発生する」と訴えきたという。日本は今、数十年に一度のチャンスを迎えている。そしてその結果、日本が勝ち組になる、という喜ばしい話である。
そう言われてみると、数年前から何となく、日本が良くなる予感なものを強く感じていた気がする。

Photo_20251031121501 世界秩序が変わるとき 新自由主義からのゲームチェンジ
齋藤ジン
文春新書
2024年12月

 

 


当初、話のスケール大きすぎて、あまり理解されなかったという。時間の経過とともに、パラダイムシフトが明らかになり、今ではマクロの投資判断の不可欠な、最重要要因の一つになっている。著者が指摘したように、日経平均株価は2023年の春頃から上昇基調にある。

東西冷戦後世界の秩序を支えてきたのが、新自由主義的な世界観である。本書の意味する新自由主義は、1930年代以降、世界システムの支配的な世界観となった「大きな政府」の挑戦として始まり、1991年のソ連崩壊を機に、新しく世界基準システムとして受け入れられるようになった「小さな政府」の価値観を指す。
政府の意思決定や役割を縮小し、市場原理、民権企業や個人の意思、判断、選択をより重要視するものである。たとえば、各国政府裁量が大きい通称政策の代わりに、ルールベースの貿易を推進するために、WTO(世界貿易機関)が作られたのは1995年である。それは新自由主義的な価値観を現実化するためのメカニズムであった。
ところが、新自由主義に対して、世界各地で反発が起きている。新自由主義の世界観は信認を失い、既存システムが大きく揺らぎ、機能しなくなっている。
そうした現象が病気の症状だとすれば、病根こそがそれまでの行動規範となってきた新自由主義価値観の崩落なのだという。

ここで重要なポイントは、既存システムを支えてきた世界観が変化するとき、新しい勝者や敗者が生まれる点であるという。実際、新自由主義へのパラダイムシフトが起きたとき、それを主導し、変化をうまく乗り切ったのは、カジノのオーナーであるアメリカだが、アメリカは日本に勝てないテーブルに座らせた。冷戦下の日本は「大きな政府」の時代のゲームで勝ちすぎたため、アメリカの戦略的競争のターゲットになった。
新自由主義の下で、日本はまさに最大の敗者になった。「失われた30年」で日本の地位は低下し続けた。
逆に、新自由主義台頭の恩恵を最も享受したのは中国である。世界の工場の地位を確立し、技術移転によって急速の成長を遂げている。新自由主義に変わる新たな世界観がこれから登場するとともに、再び勝者と敗者入れ替えが始まるという。

いずれにせよ、今この瞬間、私たちの目の前で、次の30年を規定するであろう、新たなカジノのルールが書かれようとしているという。そして同時に日本の社会、経済は「失われた30年」とデフレのノルム(状態)から解き放たれつつある。日本は既に変わり出したという。

[カバーの著者略歴を抜粋]
在ワシントンの投資コンサルティング会社共同経営者。1993年に渡米。ジョン・ホプキンス大学高等国際問題研究大学院修士。投資コンサルティング業務を営む米国のG7グループを経て、2007年、オブザーバトリー・グループを米国で共同設立。ヘッジファンドを含むグローバルな機関投資家に対し、各国政府の経済政策分析にコンサルティングを提供。
本書は、NHK「ニュースウオッチ9」、「NHKスペシャル」、「おはよう日本」、テレ朝「大下容子ワイドスクランブル」、などのマスコミに取り上げられたと、帯に堂々と書かれている。そして、(投資家の)ソロスに10億ドル儲けさせた、ベンセント財務長官の盟友とある。

人気ブログランキング
にほんブログ村

2024年9月 6日 (金)

習近平の病気

習近平総書長が病気で退陣という記事が先々週発(7月28日)の『サンデー毎日』に載っていた。記事には、「らしい」「多分そうだ」のニュアンスが漂っていた。今週は岸田文雄首相の退陣表明(8月14日)があって、日本の政界が慌ただしくなった。首相候補が毎日のニュースを賑わしている。先週はお盆休みで、週刊誌は一斉に休刊だった。それで今日(8月21日)発売の同誌に、習近平の病気退陣が一層の確信がある書き方で載っていた。記事は次のようだ。「北京では7月中旬から、「脳梗塞の発作で入院した」などの健康悪化の風説が絶えなかった。テレビのニュース出る出る習氏は影武者だと言われた。
タイトルが「世界透視術」の金子秀敏の記事は続いて、「当面総書記の職務代理には前党中央とも書いている」
影武者とのワードが登場するのは、いかにも中央集権国家らしいが、日本のチャイナウォッチャーの第一人車者である著者の言葉は信じるにたるものなのか。

ロシアのウクライナ侵攻の初期はプーチン大統領の病気説が流布したいたのは記憶している。テレビで見る限りプーチンは、ここのところ老けた印象を受けるが、病気説は否定していいのではないかと思う。以前にプーチンの影者武者の映像は流れたことがあった、振り返ってみるとそうだったかもしれないという程度の不確かものだった。
この度の、習近平の退陣説はレベルの違う信憑性がある雰囲気があると思っていたら、病気の気配をが感じられない動きをしてる。9月6日付けの新聞には中国アフリカ協力フォーラム首脳会合の除幕式で参加国代表を握手する習近平の姿が載っている。

週刊誌の記事はあくまで病気説を引っ張る。7月中旬の共産党大会の会場で倒れたといわれたと前置きして、習近平はバイデン大統領との電話会会談を申し入れた伝える。11月18、19日にブラジルのリオでジャネイロ開かれるG20首脳会議の出席には応じなかったという。そもそも脳梗塞で倒れたというのは、ガセネタだったのではないか。脳梗塞となればこれくらいのことでは済まないだろう。そもそも中央集権国家の独裁者の健康状態は、衆人の詳しく知ることではない。
(令和6年9月6日)

2023年5月23日 (火)

半導体有事 湯乃上隆 

有事は2つある。
一つは、台湾有事。中国は台湾の半導体企業TSMCを喉から手が出るほど欲しい。
もう一つは、2021年の半導体不足によって誘発された、常軌を逸した各国各社の半導体への投資である。世界中で狂気的な半導体製造能力構築競争が起きている。その反動で半導体不況がやってくるのではないか。
Photo_20230523143001半導体有事 
湯乃上隆 
文春新書 
2023年 255頁

2022年10月7日、米国商務省は、先端半導体や半導体製造装置の中国への輸出規制を発表した。この輸出規制は、中国半導体産業の息の根が止めるような厳しいものだ。

それ以前の、2020年5月14日、米国はTSMCの5nmの最先端製造技術を手に入れることになったばかりでなく、5G通信基地局で世界を制覇しかけていたファーウェイの野望を叩き潰すことに成功した。TSMCが中国ではなくアメリカ側についた日である。
米国は、台湾有事の際は、台湾自らがTSMCの半導体工場を破壊すべきであると提案しているという。

TSMCは10.7が発表されると、米国・日本・ドイツ・シンガポールの4か国にファウンドリー工場を建設することにした。

また、2022年8月に日本の主要企業8社が出資してロジック半導体などの国産化に向けて「ラピダス」が設立された。2027年までに2nmのチップを作るという。著者は逆立ちしたって無理だという。

半導体はトランジスタという素子を集積することにより形成されている。そのトランジスタを微細化すると高速に動作するなど高性能になる。半導体とは半導体集積回路のことを指している。半導体集積回路はシリコンという半導体基盤上に形成したトランジスタという素子を集積して電子回路を構成したものである。トランジスタとは電流が流れたり流れなかったりするスイッチのようなものである。流れる流れないを2進法としてとらえ、コンピュータの演算になる。トランジスタを微細化すればトランジスタが高速で動き、消費する電力が削減できる。結果的にコストが削減できる。

2019年に、ASMLはEUV(極端紫外線)を使った半導体製造装置リソブラフィを完成させた。TSMCは1年間で100万回の練習を行なって、2019年に7nmの生産にロジック半導体の量産にEVUを使った。

日本の日立や東芝が伸びなかったのは設計から完成まで垂直統合型だったからだ。そのため両社の製品には互換性がない。

ASMLの出荷する1台100億円するEUVリソグラフィは生産が間に合わない。TSMCは毎年20〜30台購入している。ASMLとTSMCの売り上げグラフは共進している。

アメリカのクリスマス商戦は凄まじい。
TSMCはアップルの受注に照準を合わせて高速化を強いられている。
アップルは毎年春から夏に新型アイフォンを発表し12月のクリスマス商戦にターゲットを合わせて約1億台の大量生産を行う。これに合わせてTSMCは最低1億個のアプリケーションプロセッサを製造しなくてはならない。

2021年から、各地域各社の半導体投資は常軌を逸しているという。半導体不況がやってくるのではないか。なぜこのような、ことが起きているのか。7nm以降の半導体の製造がTSMCに偏在しているからだという。

2014年から中国が世界最大の半導体市場であることが確認された。
中国は世界の1/3の半導体を必要としているにもかかわらず、自給率が低い。中国において原油を抜いて貿易赤字の元凶が半導体になっている。
2015年5月に「中国製造2025」を制定し、半導体自給率を2020年に40%、2025年に70%に引き上げる目標を立てた。しかし、米国の調査会社の予測では、2026年でも中国の半導体自給率は21 .2%にとどまるとしている。
中国のファウンドリーSMICが7nm開発に成功した。そして、米国は「10.7」の規制を課すことになった。インテルは10〜7nm以上に進めていない。
紫光集団はM&Aによって半導体会社を買いまくろうとしたが、うまくいかなかった。
爆買いに失敗した中国は、自国に半導体ファウンドリーを爆建設するようになった。

米国も韓国も政府主導で半導体工場を建てようとしている。、半導体工場をどんどん立てている2021年初頭に起きた半導体不足がきっかけとなって、世界中で狂気的な半導体製造能力構築競争が起きている。

日本の半導体産業はなぜ凋落したのか。「過剰技術で過剰品質を作ってしまう」
メインフレーム(汎用の大型コンピュータ)からPCの時代にパラダイムシフトが起きた。DRAMは25年持つ必要はない。そこで、韓国に負けた。

2022年12月末の時点で、TSMCが3nmに到達し、サムソンは3nmの歩留まりが上がらず、5/4nmに留まっており、インテルが10nm〜7nmから先に進めずにいる。そして日本は40nmレベルで停滞したままだ。

日本の半導体産業は挽回不能である。日本のメーカーは2010年頃40nmあたりで止まり脱落してしまった。いったん微細化競争から脱落すると、先頭に追いつくのは不可能である。
①日本の希望の光は、ウエハ、レジスト、スラリ(研磨剤)、薬液半導体材料。
②前工程で10数種類のある製造装置のうち、5〜7種類において日本がトップ。
③製造装置の数千〜十万のうち、6〜8割が日本製である。
日本は半導体製造装置、半導体材料の7〜8割が日本製である。これらの日本優位は徐々に脅かされている。

半道程製造に欠かせない希ガスの供給に暗雲が立ち込めている。ウクライナはネオン、アルゴン、クリプトン、キセノンなどの希ガスの供給国である。
ロシアはC4F6の供給国であり、アメリカは年間8トン消費しているという。
希ガスもC4F6も半導体の微細加工に必要不可欠なガスである。
2025年に3M社のPFAS製造から撤退してしまう。(環境問題や訴訟の問題から)
代替冷媒を探さなくてはならない。

インテルの共同創業者のゴードン・ムーアが1965年に、トランジスタの集積回路は2年で2倍になると発表した。この経験則は「ムーアの法則」と呼ばれている。
ムーアの法則の本質。①トランジスタを微細化することにより、より高性能な半導体が安く実現できる。②微細化により、利潤をうることができる。③その利潤を微細化の研究開発や設備投資に使う。ムーアの法則の本質はこのサイクルを循環させることであり、循環させることによって、ムーアの法則は60年以上続いてきた。このサイクルを守ることが重要。→人気ブログランキング
にほんブログ村

半導体有事/湯乃上隆/文春新書/2023年
半導体戦争 世界最重要テクノロジーをめぐる国家間の攻防/クリス・ミラー/千葉敏生/ダイヤモンド社/2023年

 

2023年5月10日 (水)

半導体戦争 世界最重要テクノロジーをめぐる国家間の攻防 クリス・ミラー

チップウォー(半導体戦争)はどのような状況なのか? 現在、最先端の半導体を大量に生産することができる企業は、台湾積体電路製造(TSMC)、サムソン、インテルの3社である。そのうち、先端ロジック製品の90%をTSMCが押さえている。なぜこのような偏った状況にあるのか?
本書には、1940年代の真空管から始まり現在に至る半導体の歴史を詳細に描かれていて、それらの疑問に答えてくれる。ちなみにロジック半導体は、スマートフォンやパソコンに搭載され電子機器の頭脳の役割を担う。
51psz2v9pl_sx351_bo1204203200_ 半導体戦争 世界最重要テクノロジーをめぐる国家間の攻防
クリス・ミラー/千葉敏生
ダイヤモンド社
2023年 552頁

半導体産業の初期、米国の半導体を使った電化製品を日本が作り米国に売るという構図のうちは、競合関係はなかった。日本は半導体産業に力を入れ、半導体の生産が急速に伸びていった。その後、データの一時的な保持に使われるDRAM (Dynamic Random Access Memory ディーラム)の生産をめぐって、日米は半導体戦争に突入する。その結果日本は厳しい制裁を課され、さらに日本の金融危機と相まって、1992年にDRAMの生産で日本はトップの座から引きずり下ろされた。敵の敵は友という考え方のもとに、米国は韓国のサムソンを支援した。

インテル創業者の一人であるゴードン・ムーアは、1965年に自らの論文に「半導体の集積率は18か月で2倍になる」と書いた。この経験則は「ムーアの法則」として、2010年代まで通用し、半導体の性能は目覚ましい進歩を遂げることになる。1990年代以降、半導体の製造だけを専門に行う企業の「ファウンドリ」と、工場を持たずに設計だけを行い生産を完全に他社にアウトソーシングする企業の「ファブレス」が、隆盛するようになる。ムーアの法則を成し遂げるには、微細な形状をチップに刻み込めるより高い精度のリソグラフィ装置がもとめられた。米国企業はオランダのリソグラフィ装置メーカー のASMLを、ニコンやキャノンに変わる信頼できる取引先として扱った。今や、世界の主な半導体製造会社の80%がASML社のリソグラフィ装置を使っている。半導体の設計や製造には莫大な資金とイノベーションが必要であるため、半導体の水平分業化が進みサプライチェーンは複雑化していった。

米国の半導体会社テキサス・インスツルメンツでキャリアを積んだモリス・チャンは、1985年に台湾政府から招聘され、TSMCを設立した。TSMCは中国と価格で競争しても勝ち目がないので、最先端の半導体を製造する選択肢しかなかった。ファウンドリとしてのTSMCの成功は、米国の半導体産業とのつながりが決定的な要因であった。

最先端の半導体を設計するだけでも、コストは1億ドルを超えることがある。最先端のロジック半導体の製造工場を建築するには200億ドルの費用がかかるが、数年で時代遅れになってしまう。

中国の半導体は、その大半が別の国でも製造できる。ロジック半導体などの先進的な半導体に関していえば、中国は米国のソフトウェアや設計、米国・オランダ・日本の装置、韓国や台湾の製造にまるまる依存している。中国政府は「中国製造2025」を打ち出した。中国の半導体輸入率を、2015年の85%から2025年までに30%まで減らす構想だ。つまり中国は半導体の自給自足を目標に掲げた。オバマ政権は、半導体産業を私物化するために、1500億ドル(およそ20兆円)の産業政策を認めないと中国指導部に主張するといった。しかし、そんな苦言が通用するはずもない。多国籍で複雑なサプライチェーンで成り立っている産業において、技術的な自立を実現することは、世界最大の半導体大国である米国にとってさえ、絵に描いた餅である。しかし中国はそれを達成しようと目論んでいる。

今やチップウォーは、中国対、米国・台湾・韓国・日本・オランダなどの自由主義国家という構図になっている。中国は技術的にも生産設備にも、設計に必要なソフト面でも大いに遅れをとっている。中国が追いつこうにも非常に厳しい道のりが待っている。劣勢を一挙に覆すために、中国は喉から手が出るほど台湾の半導体産業を手に入れたい。最悪のシナリオであるが、台湾有事についても本書は触れている。

本書は言及していないが、2022年8月に日本の主要企業8社が出資してロジック半導体などの国産化に向けて「ラピダス」が設立された。TSMC、サムソン、インテルに割って入ろうとしている。→人気ブログランキング
にほんブログ村

半導体有事/湯乃上隆/文春新書/2023年 半導体戦争 世界最重要テクノロジーをめぐる国家間の攻防/クリス・ミラー/千葉敏生/ダイヤモンド社/2023年

2022年9月 5日 (月)

資本主義の終焉と歴史の危機 水野和夫

著者は、日本大学国際関係学部教授。埼玉大学大学経済科学研究科博士課程終了。経済学博士。三菱UFJモルガン・スタンレー証券チーフエコノミストを経て、2010年より内閣府大臣官房審議官(経済財政分析担当)、2011年より内閣官房内閣審議官(国家戦略室)を歴任。13年より日本大学教授、16年より法政大学教授。主な著書に『人々はなぜグローバル経済の本質を見誤るのか』(日本経済新聞出版社)、『超マクロ展望 世界経済の真実』(萱野稔人氏との共著・集英社新書)『閉じていく帝国と逆説の21世紀経済』(集英社新書)など。

資本主義はやがて終わる。資本主義は中心と周辺(フロンティア)から構成され、フロンティアを広げることにより、中心が利潤率を高め、資本を増殖させるシステムであるという。南米もアジアもアフリカも開拓されて、地球上にフロンティアは残されていない。フロンティアがなくなれば資本主義は成り立たない。
と言っても、これから100年くらいのスパンで起こる事象である。
1185ba6934894b8fa9aa6b109f50b3f7資本主義の終焉と歴史の危機
水野和夫
集英社新書 
2014年 218頁

すでに資本主義は機能不全に陥っている。その証拠に、日本やアメリカ、ユーロ圏で、
金利がおよそゼロの状態が続いている。金利がゼロということは投資しても資本は増えないということだ。資本増殖のサイクルが止まってしまった。歴史の大転換がやってきたという。
中世封建システムから近代資本主義システムへの転換と同じ意味で、経済システムの大転換の時期に来ている。歴史家のフェルナン・ブローデルはこの転換期を「長い16世紀(1450〜1640年)」と呼んだ。この状況に、現在の世界経済が直面している状況が似ているという。

日本の10年国債の利回りは、400年ぶりにイタリア・ジェノバの記録を更新し、2.0%以下の超低金利が20年近く続いている。経済史上、極1 めて異常な状態に突入している。
なぜ利子率の低下が重大かと言えば、金利は即ち資本利潤率とほぼ同じだからだ。現代と同じ状態が、「長い16世紀」の間に起きていた。
利子率=利潤率が2%を下回れば、資本側が得るものはほぼゼロである。そうした低金利が10年を超えて続くと、既存の経済システムは維持できない。利潤率の低下は、企業が経済活動をしていくうえで設備投資を拡大していくことができないということである。
この異常なまでの低金利はいつ頃から始まったのか?
著者は1974年に始まったと考えている。この年、イギリスと日本の10年国債利回りがピークとなった。1981年にはアメリカの10年国債利回りがピークになった。そのあと先進国の利子率は下落している。

BRICS諸国は2000年代に入って急成長を遂げた。しかし現在その翳りが見えている。新興国の成長の足踏みの原因は新興国の成長モデルが輸出主導であることによる。中間層が没落した先進国の消費ブームは2度と戻ってこない。
現在の課題は先進国の過剰マネーと新興国の過剰設備をどう解決するかである。

実物経済の利潤低下がもたらす低成長の尻拭いを、電子・金融空間の創出によっって乗り越えようとしても、結局バブルの生成と崩壊を繰り返すだけである。

では、一体どのような未来が待っているのだろう。無理やり利潤を追求すれば、しわ寄せは格差や貧困という弱者に集中する。

定常状態の維持を実現するアドバンテージを持っているのが日本。世界で最も早く、ゼロ金利、ゼロ成長、ゼロインフレに突入した国である。景気優先の成長主義から脱して、新しいシステムを構築することが重要である。ゼロ成長でも持続可能な財政制度を構築する。そのためには国内で安いエネルギーを自給する必要がある。
とりあえずはプライマリーバランス(基礎的財政収支)を均衡させておく必要がある。
人口減少を9000万ぐらいまでににしておく。エネルギーは1kWhあたり20円以下で作ることができれば名目GDPの減少は止まる。ゼロ金利は、財政を安定させ、資本主義を飼い慣らすサインである。→人気ブログランキング
にほんブログ村

より以前の記事一覧

2026年2月
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
無料ブログはココログ