経済・政治・国際

『セブンーイレブン 黄金の法則』 吉岡秀子

今やコンビニは全国で5万5千店舗、飽和状態にあるという。
9割の店舗を、セブン・イレブン、ファミリーマート、ローソンで占めている。2016年度、セブン・イレブンは2万店舗あり、コンビニ市場の総売上の40%を越え、チェーン全店売上は約4兆3000億円、1店舗の平均売上げは66万円/日、ファミリーマートやローソンより10万円以上も多い。
創業からトップを走り続けている秘訣はなにか。過去に成功したものを人はなかなか変えることができないが、セブン・イレブンは逆である。ヒット商品こそ変えなければならないという危機感を持っているという。
ちなみに、本書の値段は、711円+税。

本書は書き手の溢れるばかりのエネルギーを感じる。それは取りも直さず、セブン・イレブンという企業の姿勢なのだと思う。

セブン-イレブン 金の法則  ヒット商品は「ど真ん中」をねらえ (朝日新書)
吉岡秀子
朝日新書  2018年1月
売り上げランキング: 48,977

まずは、商品開発担当・MD(マーチャンダイザー)の仕事の紹介している。MDの資質は次のように定義されている。好奇心、徹底力・継続力、謙虚さ、コミニュケーション力、誠実さ、責任感、リーダーシップ。これらが揃っていれば、どんな企業でも出世するだろう。
セブン・イレブンのものづくりは仮説と検証によるという。仮説を検証して前に進むという方針である。

各章は、「セブンカフェ開発による革命」「おにぎりの見直し・麺革命」「スイーツ、コスメ開発」「サンドイッチとカット野菜の鮮度」「和菓子のチルド化」「セブン・プレミアム」について、商品開発の奮闘の軌跡が綴られている。

ほぼ毎日、セブン・イレブンで買い物をする。やむおえない場合は、ファミリーマートやローソンに行くこともあるが、結局セブン・イレブンのレベルの高さを再認識することになる。→人気ブログランキング

『ノーベル賞の舞台裏』共同通信ロンドン支局取材班

1968年の川端康成のノーベル賞受賞について、受賞の50年後に公表された資料によると、まず三島由紀夫が候補者としてあがり、次の年に谷崎潤一郎そして川端康成と候補が入れ変わっている。推薦者は日本ペンクラブであったり、ハーバード大教授であったりしている。
ノーベル賞の裏話が満載。

「ハルキ狂想曲」が始まったのは、村上春樹がカフカ賞を受賞した2006年。
村上は、アカデミー会員の奥さんたちの間では評価が高いが、肝腎の選考委員の間ではあまり評価されていないと、大いに皮肉っている。一般大衆の高い人気と文芸評論の専門家の間での人気のなさのギャップが大きいらしい。
文学賞の場合は地域性が考慮されるというから、2017年に日系のカズオ・イシグロが受賞したので、村上春樹は当分ないということだろうか。

ノーベル賞の舞台裏 (ちくま新書)
ノーベル賞の舞台裏
posted with amazlet at 18.02.06
共同通信ロンドン支局取材班
ちくま新書  2017年11月
売り上げランキング: 45,725

ノーベル賞は、ダイナマイトを発明したアフレッド・ノーベル(1833~96年)の遺言によって、1901年に始まった。物理学、化学、医学生理学、文学、平和、経済学よりなる。
当局がノルウェーとスウェーデンにあるのは、1900年にノーベル財団の設立法令がスウェーデン兼ノルウェー国王によって公布され、1905年にノルウェーとスウェーデンは同君連合を解消したが、授与機関は変更されなかったためである。
経済学賞はスウェーデン国立銀行の設立300周年を記念して、1968年に始まった。経済学賞は批判が多く、身内のノーベル財団からも「ノーベル賞ではない」とされている。
また、すべての科学に母と称される数学賞がないのは、生前ノーベルが著名な数学者と喧嘩したからだといわれている。

韓国(ノーベル賞1個)は、ノーベル賞に対して過熱気味であり焦りがある。中国(3)はマイペースで長期戦で王座を狙おうとしている。日本(23)は中韓に水を開けているが、さらにその差を広げようと政府が力をいれている。3国は今後もノーベル賞受賞で対抗心を燃やし続けるだろうという。
中韓との比較すると日本の留学者数の少ない現状が、将来のノーベル賞の数に影響してくるのではないかと執筆陣は危惧している。

平和賞の選考によって、世界の政治情勢に手を突っ込むようなことが、幾度か起こっている。
その例は、ダライ・ラマや中国の民主化運動家・劉暁波の受賞がそうであった。また2012年にはEUが受賞している。
「オバマは見どころがあるから、平和賞をあげて応援しよう」というノーベル賞側の意向は無残な空振りに終わっている。
2014年に平和賞を受賞した、パキスタン人のマララ・ユスフザイは、欧米主導の演出されたヒロインとの批判がある。

日本はノーベル賞に関して加熱しすぎと当局から指摘されている。マスコミのノーベル賞に対する過剰な報道を煽っているのが、自分たちであるという反省も語っている。→人気ブログランキング

『著作権法がソーシャルメディアを殺す』城所岩生

日本はネットビジネスの植民地と化しているという。
その原因は既得権をもつ諸団体の力が強く、せっかく生まれた日本発の画期的なアイディアが育たないことによる。日本が足踏みしている間に、同じようなアイディアが外国でビッグビジネスに育っていく。ネット業界は勝者総取りであるゆえ、日本を草刈り場にしてしまう。これは、日本にとって大きな損失であると著者は訴える。

そうしたことが起こる背景には、審議会の委員構成に問題があるという。既得権益を守る団体をバックに持つ委員の占める比率が高い。つまり役所が操作しているということだ。はじめに結論ありきの審議会運営が行われるという。

著作権法がソーシャルメディアを殺す (PHP新書)
PHP新書 2014年
売り上げランキング: 105,915

日本版フェアユースが実現されるまでに4年もかかり、さらに、その法律は見るも無残な骨抜きの形になってしまったという。
日本のデジタル経済に向きあう姿勢が問われている。規制をゆるめないと世界で戦えないことは、素人にも理解できる。イギリスのように、まずデジタル経済で世界をリードするという戦略を打ち出して、そのためにどうするかを議論するのが正しいアプローチでだという。

フェアユースとは、「公正な利用」であれば、著作権者の許諾がなくても著作物を利用できる制度。
アメリカのフェアユースでは、1)利用の目的性質、2)利用された著作物の性質、3)利用された著作物の量や実質性、4)利用行為が著作物の市場や価値に与える影響、の4つの条件を総合的の考慮し、その利用が公正な利用であったかどうかを判断する。

かつて、日本で国産検索エンジンがアメリカと同時に誕生していたが、著作権法の壁に阻まれ、アメリカに日本は負けた。日本にはフェアユースという迂回路がなく、個別の権利制限規定を追加するという対応に遅れをとった。そしてアメリカ勢の草刈り場となってしまった。こうした惨状を招いた立法、行政、司法の責任は大きいという。

アメリカは、公共の福祉が優先されどんな事業であっても国民の大半がその恩恵を受けるなら認めるというフェアユースの社会である。これに対し日本ははじめから規制がかかるオブトイン方式である。この差は大きい。
著作権法をなんとかしななければ、日本はネットビジネスの植民地化してしまう。→人気ブログランキング

正しいコピペのすすめ/宮武久佳/岩波ジュニア新書/2017年
著作権法がソーシャルメディアを殺す/城所岩生/PHP新書/2013年
デジタル時代の著作権/中野祐子/ちくま新書/2010年

『デジタル時代の著作権』中野祐子

急速に変化し続けるデジタル技術に著作権法が追いつかなくなっている。著作権法は追加された規則により継ぎ接ぎだらけで、専門家ですら把握できていないくらい複雑になっている。著作権に多様な状況が存在することを認め、それぞれに適応した特例措置を設けることが、これからの著作権のあり方であると説く。著作権について網羅されていて、テキストブックとして使える内容である。

デジタル時代の著作権 (ちくま新書)
野口 祐子
ちくま新書  2010年

デジタルネットワークがもたらした問題点(変化)として次を挙げている。
1)そもそもネットを閲覧するという行為はコピーをすることで成り立っている。複製や頒布を推し進めるデジタル技術とこれを禁止する著作権は、矛盾している。
2)著作権のルールを厳格に運用したならどうなるか。専門の権利処理チームを雇える金持ちや企業だけが、安全な表現活動ができることになり、資力のない一般の人たちは、それができなくなってしまう。
3)「アイディアは保護せず、表現だけを保護する」という著作権の大原則を、文章表現に当てはめるのは比較的容易であるが、音楽や写真などではうまく機能していない。
4)著作権が大衆にまで影響を及ぼすようになった。ブログを公表したりやツイッターでつぶやくことも著作権法の対象である。
5)ベルヌ条約(著作権の国際条約)は、登録などの特定の手続きを取らなくとも、海外では著作物が自動的に保護される「無方式主義」を採用している。このことにより権利者を登録しているデータベースがどこにもなく、権利者を探すのが困難である。

科学に世界では、公的資金で行われた実験のデータは共有できるという発想のもと、データを共有する動きが活発になっている。最先端の解析機で行った結果を共有することで、少ない研究資金でもデモデータを解析できるようになる。
データを共有するときはライセンス(利用条件)を標準化したものを用いる。ところが、データを開示するときにライセンスを厳しくしがちである。

フェア・ユースとは、「公正な利用」であれば、著作権者の許諾がなくても著作物を利用できる制度である。
アメリカのフェア・ユースでは、1)利用の目的・性質、2)利用された著作物の性質、3)利用された著作物の量や実質性、4)利用行為が著作物の市場や価値に与える影響、の4つの条件を総合的の考慮し、その利用が公正な利用であったかどうかを判断する。
フェア・ユースのデメリットは予測性が低いこと、事後にアウトとなることもある。

クリエイティブ・コモンズとは、作品が人の目に触れてからユーザーが権利処理する、という後追いの権利処理ではなく、作品を公表する段階で、権利者が自発的に、事前の許諾を与えておく仕組みを作ろうというライセンス運動のことである。
ライセンスはシンプルで洗練されたものが理想である。さらにライセンス間の互換性を進めることが重要である。

大胆な解決策として、「すべての著作権をなくして、使った分から税金のように金をとる。著作物を登録制にする」と提案している。→人気ブログランキング

正しいコピペのすすめ/宮武久佳/岩波ジュニア新書/2017年
著作権法がソーシャルメディアを殺す/城所岩生/PHP新書/2013年
デジタル時代の著作権/中野祐子/ちくま新書/2010年

『正しいコピペのすすめ』宮武久佳

著作権法は時代遅れとなり、新しいルール作りが必要となった。その際、金持ちや政治家などの都合のいい内容にならないように、「みんなの著作権」という意識を持つことが大切だと説く。ネットやSNSの発達により、著作権と向き合って生活せざるをえなくなった一般の人びと、特に大学生向けに書かれている。

著作権(copyright)とは、「無断で私の作品を利用するな」と言える権利であり、コピーする権利である。
極端なことをいうと、レストランで自分のスマホで店員に集合写真を撮ってもらうと、写真の著作権は店員にある。写真を公開するには店員の許可が必要である。

正しいコピペのすすめ――模倣、創造、著作権と私たち (岩波ジュニア新書)
宮武 久佳
岩波ジュニア新書  2017年3月

ではどのようなものに著作権が認められないのか。
自動車の車体や服装のファッションなどは、工業デザインや応用美術に含まれるひとつの形態とみなされ、著作権の対象ではない。ナイフやフォーク、ボールペンと同じ。
料理はアイデアであり著作権はない。
「国境の長いトンネルを抜けると雪国であった」は、議論はあるが、著作権はないとされる。だれが書いても同じような文章になってしまうからだ。

著作権法の例外規定として、個人が使用する目的でコピーする場合のほか、公共性・公益性が高い、学校教育の現場、図書館サービス、福祉の現場、報道目的などでの使用がある。
たとえ個人使用であっても、映画のDVDのようにコピープロテクトがかけられていたり、パスワードが設定されたりするソフトについては、プロテクトを外したりすることは違反行為である。

著作権は著作者の死後60年、映画70年。因みに特許権20年、商標権10年。欧米の著作権は現在70年。日本に延長が迫られている。著作権が切れると、パブリックドメイン(公共財)となる。

大学教員の著者は、学生のレポートのコピペに否定的な理由として次を挙げる。
学生が考えることなく他人の考えを鵜呑みにしてしまう、どこからが他人の意見で、どこからが自分の意見か不明瞭になりがちである。他人の作品にフリーライドする違法行為である。
いま多くの大学がコピペ答案を見破る「コピペ監視ソフト」を導入しているという。学生間のペーパーで似たものを探し出す機能もある。抑止力を期待して、課題を出すときに「コピペ監視ソフト」を使うと宣言しているという。

上手なレポートを書く秘訣は、課題の意図を見極め、知らないことを知ろうとする好奇心にあるとする。よくわからない課題が出たら好奇心を高めることが大事。知らないものは書けないのだから、知る努力が必須である。

正しいコピペの仕方は、〈①自分のコンテンツとの脈絡において必要性があること、②自分のコンテンツにパーツとして取り込むこと、③自分の作った部分と引用部分がカギカッコなどによって明確に区別されていること、④自分の作った部分と引用部分のメインとサブの関係が明確であること、そして、⑤一字一句正確にコピペし、引用部分の出所を明示すること。〉→人気ブログランキング

正しいコピペのすすめ/宮武久佳/岩波ジュニア新書/2017年
著作権法がソーシャルメディアを殺す/城所岩生/PHP新書/2013年
デジタル時代の著作権/中野祐子/ちくま新書/2010年

『知立国家 イスラエル』米山伸郎

イスラエルは1948年の独立当初、人口が60万人程度だったが、積極的な移民受け入れ政策により現在は868万人となり、さらに増加している。

歴史上、カナンの地(パレスチナ)から追い出されたユダヤ人は、ヨーロッパ各地にディアスポラとして移り住んだ。ユダヤ人は、欧州で賤業とされていた金融業のほか、医師、弁護士、会計士などにつき、さらには仕立て屋や靴屋などの手工業を主な職業としてきた。
ロシアはかつて最大のユダヤ人居住国であり、アシュケナージ(ドイツ人という意味)と呼ばれるロシア東欧系ユダヤ人は優秀な頭脳をもっていた(なぜIQが高い遺伝子が育まれたかについては、『言ってはいけない』〈橘 玲著〉に記載されている)。

知立国家 イスラエル (文春新書)
知立国家 イスラエル
posted with amazlet at 17.11.29
米山 伸郎
文春新書 2017年10月
売り上げランキング: 4,444

イスラエルは、インテル・プロセッサー、 グーグル・サジェストという機能、ページ解析、ライブ・リザルツ、ファイヤー・ウォール、ドローン、電気自動車などの、最先端の科学技術を世界に提供してきた。

「起業家精神」と「イノベーション」はイスラエルの建国の精神であり、イスラエルを発展させてきた原動力といっていい。
イスラエルにイノベーションをもたらしているのはなにか?
それは、移民、ユダヤ人特有の自由な議論を尊重する文化、軍よる理数系エリートの選抜教育といった要素が考えられるという。

イスラエルはユダヤ人の移民を多数受け入れてきた多民族国家である。
資源はない。あくまで人が資源なのだ。
イスラエル人のアイデンティティはヘブライ語と国防である。かろうじて聖職者が書き言葉として使っていたヘブライ語は、ほぼ死語になっていた。それを2000年の時を超えて蘇らせた。国家ビジョンが確立されている国である。
イスラエルの帰還法は「ユダヤ人の母から産まれた者、もしくはユダヤ教に改宗し他の宗教を一切信じない者」をユダヤ人と定義している。

18歳になると、男は3年、女は21~22ヶ月の兵役につく。記憶力、繊細さ知性、性格など、さらに体力、リーダーシップで振り分けられる。
この兵役のあいだに、国防の重要さを徹底的に身につけ、さらに人脈を得るのだ。
軍には、毎年30人程度の理工系最優秀人材を選抜して教育するプログラムがある。

イスラエル人は、質問好きで議論好きである。ルールを守るよりは合理的な方を選ぼうとする。
失敗を恐れない、むしろ糧とするメンタリティは恐れ入るが、性格的には自己主張が強すぎるきらいがあり、人と摩擦を起こしやすいという。→人気ブログランキング

『米国人弁護士だから見抜けた日本国憲法の正体』ケント・ギルバート

北朝鮮がミサイルを発射し核実験を行い、軍拡を進める中国が国境の現状変更を画策する状況の中、日本がいつ有事に巻き込まれてもおかしくないことは、日本人なら誰もが実感していることだ。軍事的に日本人自らを縛る憲法がこのままでいいのか。日本をこよなく愛する著者が、憲法改正の必要性を多角的な視点から舌鋒鋭く説く。

第9条第1項:日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。
第2項:前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。

日本国憲法はGHQが作ったのは明確である。GHQがこの事実を正式に認めて、憲法草案執筆の経緯を詳しく書いて出版している。占領する側は占領先の法律を守るべきで、占領先の憲法を制定するなどということは、戦時国際法の明白な違反である。
こうした事実は日本人に知らされなかった。この状況を可能にしたのは、GHQが命じたプレスコード(報道規制)と、この規制の遵守状況のために行われた検閲、アメリカに二度とは刃向わない国民にするたの、「ウォー・ギルト・インフォメーション・プログラム」の効果である。
「日本国憲法は素晴らしい」「第9条のおかげで日本は平和だ」と小中高の教科書で教えられ、刷り込まれたのだ。

米国人弁護士だから見抜けた日本国憲法の正体 (角川新書)
ケント・ギルバート
角川新書  2017年6月
売り上げランキング: 7,795

多方面から、日本国憲法はおかしいと指摘されている。国際法に違反した制定過程、翻訳調のこなれていない日本語、GHQによる押しつけ憲法、素人が寄せ集めで作ったコピペ憲法などと批判されているが、いずれも事実である。
日本国憲法の内容は国際標準に近いごく普通の憲法だという。「日本国憲法を世界遺産に」という発想は、憲法の国際標準を知らない人の言う戯言である。
日本国憲法には、決定的におかしいところが二つあるという。
それは元首の規定がないことと、もうひとつは軍隊の保持を禁じた第9条第2項。

パラサイト的な甘い考えが許される時代は終わった。アメリカ人全員が、アメリカは日本のために戦うべきだ」と思っているはずがないというのは当たり前のことだが、一部の日本人は現実を見ようとはしない。アメリカにおんぶにだっこの時代は終わったのだ。
まずは憲法9条第2項を削除して国防軍を整備し、専守防衛の方針も見直して、一刻も早く敵基地攻撃能力を備えるべきだとする。 →人気ブログランキング

米国人弁護士だから見抜けた日本国憲法の正体/ケント・ギルバート/角川新書/2017年
儒教に支配された中国人と韓国人の悲劇/ケント・ギルバート/講談社+α新書/2017年

『核大国ニッポン』堤 未果

世界の核兵器と原発を論じている。
LAタイムズに、2016年8月、映画監督のオリバー・ストーンらによる原爆投下に関する意見が掲載された。解禁された公文書に基づく見解である。
「アメリカ人がこれまで学校で教えられてきた、原爆投下を正義だとする歴史が事実ではないこと。原爆投下ではなく、ソ連軍の日本への侵攻が戦争を終わらせる要因であったこと。連合国側の諜報機関がそれを知っていたにもかかわらず、政治的理由から原爆を投下したこと」
この記事は米国内に大きな波紋を呼んだが、自国の名誉を貶める「修正主義」と批判する意見もあった。

スミソニアン航空宇宙博物館の館長らは、広島に原爆を投下したB29の展示を原爆投下の歴史的背景を知らしめる機会にしたいと考えた。ところが多くの反対で内容の変更を余儀なくされた。

核大国ニッポン (小学館新書)
核大国ニッポン
posted with amazlet at 17.10.19
堤 未果
小学館新書
2017年8月

2009年4月プラハで、オバマ大統領が「核なき世界」を訴える演説を行った。同年10月、オバマはノーベル平和賞を受賞したが、オバマは果たしてノーベル賞に値することを行ったのか。
今ある核兵器を近代化するためにオバマ政権がつけた予算は向こう30年間で1兆ドル(100兆円)である。オバマは古いものを減らしながら、安全で効果的な核は維持すると明言している。米露両国は、その8割が劣化して使い物にならなくなった核弾頭をせっせと在庫整理し、削減したと発表して政治アピールを行っている。
オバマは「核を減らしていつかゼロにできるといいね」と言っただけ。ノーベル賞委員会がオバマを買いかぶったのだ。

劣化ウランとはウラン238を含む原発からの廃棄物。劣化ウランで作られた砲弾は、分厚い戦車の剛板を貫通し、ガス化するときの高熱で戦車の兵士を即死させ、放射性物質を放出する。
アメリカは劣化ウラン弾の使用によってイラクとアフガニスタンを放射能まみれにした。イラク戦争がもたらした最大の悲劇は、「がん」と「障害児」。給付有資格者のイラク帰還兵50万4千人中、約半数が体調不良を訴え、37%は病気や障害で就労不能。
劣化ウラン弾は核兵器廃絶の削減リストに入っていない。劣化ウラン弾を核兵器とするよう、定義を変える必要がある。

2011年3月の福島第一原発の事故は、核兵器と原発が危険な双子であることを世界に知らしめた。もはや日本が唯一の被爆国ではない。
チェルノブイリの原発爆発によるウクライナも、劣化ウラン弾が投下されたイラクもアフガニスタンも、使用された劣化ウラン弾で帰還兵が健康被害に苦しむアメリカも被曝国である。→人気ブログランキング

『儒教に支配された中国人と韓国人の悲劇』ケント・ギルバート

アメリカ人だから見える嫌中国・嫌韓国論。
国際ルール無視の中国、手のひら返しと告げ口外交の韓国、ならず者国家の北朝鮮、これら特亜三国の非常識ぶりは際立っている。
その根幹には歪んだ儒教思想があるというのが著者の主張。中国と韓国では、儒教の先祖崇拝や家族愛ばかりが尊重され、仁義礼智信の道徳心や倫理観が欠落している。私や一族の利益のためなら何をしてもよいという風潮がある。

儒教に支配された中国人と韓国人の悲劇 (講談社+α新書)
ケント・ギルバート
講談社+α
2017年2月

中国は国際法という公のルールを守ることよりも、自国だけの利益を追求することの方が重要だと考えている。もともと中国人は国境という概念が薄い。中国こそが世界の中心(中華思想)であり、周辺の国々は属国と考えている。

朝鮮も儒教の強い影響下にあった。中国には媚びへつらい、日本には優越感をもつ華夷秩序を重んじるようになった。
事大主義(自分の信念をもたず、支配的な勢力や風潮に迎合して自己保身を図ろうとする考え方)の韓国は、常に優勢な勢力を選んで接近しナンバー2の地位にいようとする。
韓国社会は自分が努力してのし上がるよりもライバルの足を引っ張る傾向が強いという。

慰安婦問題も南京大虐殺も靖国神社の政府高官参拝反対も、日本の足を引っ張り貶めようとする二国の謀略に過ぎないとする。

日本は中国や韓国とは逆に、儒教思想の仁義礼智信という道徳的なところを取り入れた。日本人のメンタリティの根底には武士道がある。日本人の誠実さ、寛容さ、勤勉さは世界が認めるところであり、それを貶めようとするのが、特亜三国なのである。→人気ブログランキング

米国人弁護士だから見抜けた日本国憲法の正体/ケント・ギルバート/角川新書/2017年
儒教に支配された中国人と韓国人の悲劇/ケント・ギルバート/講談社+α新書/2017年

『ヒルビリー・エレジー』 J.D.ヴァンス

アメリカの白人のうち、WAPS(ホワイト・アングロサクソン・プロテスタント)と呼ばれる人々は、誇り高き白人という自負がある。一方、白人貧困層は、レッドネック(首筋が日焼けした白人)、ホワイトラッシュ(白人のゴミ)、ヒルビリー(田舎者)などと呼ばれている。
ヒルビリー出身の著者は、自らの半生を描くことで、大統領選でトランプ勝利の原動力となった白人肉体労働者の悲惨な状況を明らかにしている。

ヒルビリー・エレジー アメリカの繁栄から取り残された白人たち
J.D.ヴァンス/関根光宏・山田文 訳
光文社
2017年3月

18世紀に移民としてアメリカにやってきたスコッツ=アイリッシュ(アイルランド島北東部のアルスター地方から移住してきた人々のこと)は、アパラチア山脈周辺に住み着いたという。その人たちにとって、貧困は代々伝わる伝統であった。先祖は南部の奴隷経済時代には日雇い労働者として働き、その後はシェアクロッパー(物納小作人)、続いて炭鉱労働者になった。近年では、機械工や工場労働者になったという。ヒルビリーは閉鎖的な独特の文化を築いてきたという。他人とのいざこざ、場合によっては親戚同士のいざこざに、容易に銃が持ち出される。銃規制とは程遠い世界である。
ケンタッキー州東部、アパラチアの丘陵地帯ジャクソン出身の著者の家族は、自らをヒルビリーと呼んでいる。

著者は、子どものころ、勉強していい成績をとるのは、「お姫様」か「オカマ」のやることだと思っていたという。男らしさとは強さや闘いを恐れない心と、教えられた。もう少し成長してからは、女の子にモテるという項目がそこの加わった。ヒルビリーには反知性主義が浸み込んでいることがわかる。
そんな著者だったが、あるとき目覚め、高校を優秀な成績で卒業後、アメリカ海兵隊に4年間所属しイラクに派遣された。帰国後、オハイオ州立大学を1年11ヶ月で卒業した。次にイエール大学のロースクールに2年間在籍し弁護士の資格を得た。現在は、シリコンバレーの投資会社の社長を務める。

ジャクソンは、著者と姉と祖母のために存在するような場所だったという。ジャクソンにいるときは、町の誰もが知っているたくましい女性の孫であり、町でもっともいい車修理をする祖父の孫だった。一方、引っ越したオハイオでの著者の立場は、父に捨てられ、離婚と結婚を繰り返す薬物中毒の母親の子どもだったという。

世論調査の結果、アメリカで最も厭世的傾向にある社会集団は、白人労働階層である。また、アメリカのあらゆる民族集団のなかで、唯一、白人労働者階層の平均寿命だけが下がっている。さらに、アメリカでは地域により成功の可能性に偏りがあるという。貧しい子どもたちが苦境にあえぐ、南部やラストベルト(さびついた工業地帯)、そしてアパラチアでは、アメリカンドリームの実現は困難だという。

著者は次のようにヒルビリーの病理を説明する。
〈何年も後になってようやくわかったのは、どんな本も、どんな専門家も、どんな専門分野も、それだけでは現代のヒルビリーの抱える問題を、完全には説明できないということだ。私たちの哀歌は社会学的なものである、それは間違いない。ただし同時に心理学やコミュニティや文化や信仰の問題でもあるのだ。〉→人気ブログランキング

ルポ トランプ王国―もう一つのアメリカを行く /金成隆一/岩波新書/2017年

より以前の記事一覧