生物学

『マンモスを再生せよ』ベン・メズリック

ハーバード大学のジョージ・チャーチ教授の研究室では、約4000年前に絶滅したケナガマンモスの再生プロジェクトが進行している。本書はプロジェクトの進捗状況やライバルチームの動向、チャーチの生い立ちや取り組んできた様々な研究について、物語風に描いている。

合成生物学分野の第一人者であるチャーチの研究室には世界中から優秀な研究者たちが常時90人ほど集まっている。チャーチが手がけた多くの研究は常に時代の最先端を行く研究である。

マンモスを再生せよ ハーバード大学遺伝子研究チームの挑戦
ベン・メズリック
文藝春秋
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チャーチが取り組んできた、あるいは現在も取り組んでいる、研究のテーマには次のようなものがある。
短時間に低価格でDNA解析ができる「次世代シーケンサー」の開発。
大勢の有志のゲノムを解析してデータベース化し、病気や健康状態に特化した治療法を開発する「個人ゲノム研究計画」。
ブタにヒトの肝臓の遺伝子を埋め込み臓器移植用の肝臓を作る。
マラリアを媒介しないよう遺伝子操作された蚊を巨大なドームの中で試す(遺伝子ドライブ)。
老化に逆行するハダカデバネズミの研究。
人工合成生物の作成。(→『合成生物学の衝撃』須田桃子/文藝春秋/2018年)

具体的なケナガマンモス再生計画は次の手順で進められる。
シベリアの凍土の中に冷凍された状態で発見されるケナガマンモスのDNAの解析をする。できるだけダメージの少ない良質なサンプルが必要である。
ゲノムのうち、ケナガマンモスの特徴的な毛、耳、皮下脂肪、ヘモグロビンの遺伝子を探す。これらの遺伝子の役割をノックアウトマウスで確認したのち、アジアゾウの幹細胞に埋め込み、人工子宮に着床させるというもの。アジアゾウをケナガマンモスに近づけていこうとする計画である。

チャーチは絶滅動物のうち、なぜケナガマンモスを再生させるのかという、確固たる理由が欲しかった。ロシアの北東科学センター所長セルゲイ・ジモフの研究から、ケナガマンモス再生プロジェクトを前に進める根拠を得たのだ。
現在、地球温暖化により永久凍土が溶けつつある。永久凍土が溶ければ、そこに何万年も前から凍りついていた有機物を微生物が分解し、二酸化炭素とメタンが発生し地球温暖化が加速される。永久凍土層の崩壊を止めるためには、永久凍土を踏み固めて、温度を下げておく必要がある。その踏み固め役としてケナガマンモスをはじめとする寒冷地で生息する草食動物が必要なのだ。それがセルゲイ・ジモフのいう「氷河期パーク」である。今は戦車で踏み固めているという。
この説は説得力に欠けるが、環境保護の観点からケナガマンモス再生は意義があるというのだ。

ケナガマンモス再生計画を推し進める上で新たに見えてきたことがある。
それはゾウのDNAに隠された癌への抵抗力である。ゾウやクジラなど巨大な動物には癌が発生しにくい。これは癌治療に結びつく謎が隠されている可能性がある。
もう一つは、悪性のヘルペス・ウイルスによりアジアゾウが絶滅の危機に瀕していることがわかった。チャーチたちはゾウのヘルペス・ワクチンを作ろうとしている。→人気ブログランキング

マンモスを再生せよ/ベン・メズリック/文藝春秋/2018年
合成生物学の衝撃/須田桃子/文藝春秋/2018年
ゲノム編集とは何か 「DNAのメス」クリスパーの衝撃/小林雅一/講談社現代新書/2016年
マンモスのつくりかた/ベス・シャピロ/筑摩書房/2016年
サイボーグ化する動物たち/エミリー・アンテス/白揚舎/2016年

『絶滅の人類史 なぜ「私たち」が生き延びたか』更科 功

最近、遺跡の発掘と科学技術の発達、とりわけ遺伝子解析により、人類の来し方が解明されつつあるという。最古の人類は700万年前にアフリカで誕生している。その後、25種類もの人類がいたが、ヒト以外は滅びてしまった。その理由は何かが本書のテーマである。

人類の特徴は二足直立歩行と犬歯の縮小だという。
立位二足歩行は食料運搬を可能にさせ、高度な協力関係の土台となった。犬歯が縮小したのは争いが少なくなったからだという。
チンパンジーの男女比が4〜10:1、チンパンジーより争いが少ないボノボでは2〜3:1、ヒトでは1:1になる。ヒトには発情期がないから、争いはより少なく平和になる。
人類が生息していた疎林では、食べ物を手に入れるために、長い距離を歩かなければならない。それに二足歩行は有利だった。ホモ・エレクトゥスの時代に、歩き回ることが必要とされたため、発汗して体温を下げようと毛が薄くなったという。体毛がふさふさか体毛がほとんどないかの違いは、毛穴の数はそれほど変わらないが、毛の濃さと長さが違うだけだという。

絶滅の人類史―なぜ「私たち」が生き延びたのか (NHK出版新書)
更科 功
NHK出版新書
2018年
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人類と同じ時期に何種類もの哺乳類がアフリカからユーラシアへ移動している。
約180万年前にホモ・エレクトゥスかその近縁種がアフリカからユーラシアに出て、生息範囲を広げた。それは人類が世界中に進出する第一歩となった。
ホモ・エレクトゥスがアフリカの外に広がったあと、アフリカで新たな人類が誕生した。ホモ・ハイデルベルゲンシスである。ヨーロッパに出て行ったホモ・ハイデルベルゲンシスからネアンデルタール人が進化し、一方、アフリカにとどまったホモ・ハイデルベルゲンシスからホモ・サピエンスが進化した。

ネアンデルタール人の脳の容量は平均1550ccで、人類史上最高である。一方、1万年ぐらい前までのホモ・サピエンスは1450cc、現在のヒトの脳は1350ccである。現代人は、使わない部分が整理されて脳の容量が減少したという。
脳は体の2%の重量で、体全体で使うエネルギーの20〜30%が必要であると言われている。むやみに脳が大きくないほうがいいのだ。

2010年にはネアンデルタール人のゲノムの60%が決定された。その結果ネアンデルタール人とホモ・サピエンスが交雑していたことが明らかになった。ホモ・サピエンスはネアンデルタール人以外の人類ととも交配している。ネアンデルタール人とホモ・サピエンスは7000年にわたって共存していた。
ネアンデルタール人の物語は約30万年前に始まり約4万年前に終わる。ネアンデルタール人は、ホモ・サピエンスに比べ体が大きく、脳容量も多かったから、1.2倍の食料が必要だった。ネアンデルタール人は、寒冷な環境とホモ・サピエンスの出現によって絶滅したのだろうという。

ホモ・サピエンスは子孫を多く残すことができた。なんでも食べることができた。どこでも生きていけた。社会性があった。身体的な強さだけでなく衣服のような文化的工夫も行うことができた。それらにより生き残ることができたのだ。→人気ブログランキング

絶滅の人類史 なぜ「私たち」が生き延びたか/更科功/NHK出版新書/2018年
爆発的進化論 1%の奇跡がヒトを作った/更科功/新潮新書/2016年

『合成生物学の衝撃』須田桃子

2010年3月、ワシントン州ロックビルにあるベンダー研究所で、人工ゲノムを移植した細菌(マイコプラズマ・ジェニタリウム)の培養皿に明るい青色のコロニーが出現した(表紙写真)。コロニーのゲノムには、前もって組み込んでおいた「すかし」(研究者のたちの名前やメールアドレスなど)があることが確かめられた。生命の維持に欠かせない最小のゲノムは何かを追求する「ミニマル・セル・プロジェクト」が、20年の歳月をかけて、人工ゲノムから生物を誕生させたのだ。→クレイグ・ベンダー:人工生命について発表する(TED Ideas worth speading)

合成生物学ついて、STAP細胞の騒動の顛末を記した『捏造の科学者』で大宅壮一ノンフィクション賞や科学ジャーナリスト大賞を受賞した著者が、精力的なフィールドスタディをもとに合成生物学の現状を解説する。

合成生物学の衝撃
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須田 桃子
文藝春秋  2018年4月
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MITの学生トム・ナイトは、1990年頃までに、「ムーアの法則」に物理的な限界がきていることに気づいていた。「ムーアの法則」とは、集積回路の上のトランジスターの量(ICの処理能力)は18か月ごとに倍になるというもの。「ムーアの法則」の限界は生物を使えば乗り切れるかもしれないと考えた。
ナイトがやろうとしたことは、トランジスターとシリコンチップに代えてDNA入れ、細菌(大腸菌)を用いて生物マシンを作ることであった。そして、規格化したDNA部品「バイオブリック」を考案した。
今や、毎年、生物版のロボコンである国際学生コンテスト「iGEM」が開催されている。
カタログに登録されたバイオブリックを利用して生物マシンを作り競う。当初は100個余りだったバイオブリックは、2017年現在2万個以上が登録され、機能的に分類されている。バイオブリックはプログラミング言語と同じであり、今は言語開発のごく初期の段階にいるという。

遺伝子の中には次世代へ50%以上の確率で受け継がれる利己的遺伝子(ジェンキンスが唱える利己的遺伝子とは異なる)がある。代を重ねていけばその種は利己的遺伝子で占められることになる。これが遺伝子ドライブである。
ゲノムを自在に編集する技術「CRISPR-Caa9(クリスパー・キャスナイン)の開発により、ゲノムの編集作業が飛躍的に簡素化された。人工的にはRNAとクリスパー機能(遺伝子を切断して別のDNAを差し込む)を持った遺伝子を組み込むことにより、人為的に遺伝子ドライブをを起こさせる。
例えば兵士を派遣した場合、兵士を感染症から守るために、その地域に生息する有害な昆虫を遺伝子ドライブするようなことが行われるかもしれない。

合成生物学の最大の資金源はDARPA(国防高等研究所)である。国防総省が合成生物学に投資することが、生物兵器の開発につながりはしないかという点で問題である。DARPAを取材した著者は、アメリカの多くの研究開発が防衛目的の予算で賄われていることは大きな問題をはらんでいると指摘する。DARPAは、終身雇用資格を獲得した大学教授がその身分をなげうって集まるような魅力的な職場だという。

合成生物学は倫理上のさまざまの問題にぶつかる。臓器移植用のクローン人間たちを描いていたカズオ・イシグロの『わたしを離さないで』について述べ、研究者たちが倫理的課題を解決しないまま突っ走る現状に著者は警鐘を鳴らしている。→人気ブログランキング

合成生物学の衝撃/須田桃子/文藝春秋/2018年
ゲノム編集とは何か 「DNAのメス」クリスパーの衝撃/小林雅一/講談社現代新書/2016年
エピジェネティクス/仲野 徹/岩波新書/2014年
破壊する創造者ーウイルスがヒトを進化させた/フランク ライアン/ハヤカワNF文庫/2014年
生物と無生物のあいだ/福岡伸一/講談社現代新書/2007年

『したがるオスと嫌がるメス』宮竹貴久

身も蓋もないタイトルだ。『オスとメスの性的対立』くらいの穏当なタイトルの方が、売れたのではないだろうか。
実験結果をつい人間と結びつけてしまう。ヒエラルキー下位の者が上位の者にしかける裏をかく行動は人間社会でも目にするとか、男と女はタイトルどおりの傾向があるとか、女性にマメな奴はよく動き回り女性にちょっかいを出すなどと思いながら、自分のことはさておいて読む。それが本書の楽しみ方のひとつだ。

したがるオスと嫌がるメスの生物学 昆虫学者が明かす「愛」の限界 (集英社新書)
宮竹貴久
集英社新書
2018年2月

生物の行動の基本は優秀な子孫をできるだけ多く残すことであるが、生殖に対する戦略がオスとメスではまったく異なる。オスは精子をばらまくことに専念するが、メスはできるだけ優秀なオスの遺伝子を受精するためにあれこれ戦略を立てる。したがるオスと嫌がるメスのせめぎ合い、つまり「性的対立」が生ずる。
子孫にDNAを残すかどうかを最終的に決めるのはメスである。つまり「性的対立」における最終勝利者はメスなのだ。

射精にさいし毒を放ったり、ペニスにトゲを持ったり、あるいはヴァギナを塞いだりと、「性的対立」がエスカレートした種が存在するという。
昆虫の生殖について、著者が試みたいくつかの実験の悪戦苦闘ぶりが書かれていてる。

「クヌストモドキ」という米を好む3mm程度の甲虫の性行動を研究するために、刺激によって動かなくなる虫と刺激を与えても動き続ける虫にグループ分けした。
よく動く個体は捕食者に襲われやすいが、交尾には有利だった。逆にあまり動かない個体は敵に見つかりにくかったが、交尾には不利だった。虫の世界でも「アクティヴとマメさ」がモテるコツだが、それは人間の場合も同じかもしれないという。
ではよく動くメスの場合はどうか。動かないメスと交尾の回数は変わらなかった。メスではたとえ出会いが増えても残せる子供が増えるわけではないからだろうという。

著者は、1990年に沖縄県で、野菜や果実を食べてしまうミバエの幼虫の根絶をテーマに研究を始めた。「不妊虫放飼法」という害虫根絶法は、不妊化された大量のオスをヘリコプターでばらまき、メスと交尾させ卵を産ませるが、卵は幼虫に育たないという方法である。
ここで不妊化したオスと野生のメスが交尾することを確認しなくてはならない。メスが野生のオスとの交尾をする前に、不妊ミバエのオスと交尾させなければならないのだ。ここで体内時計が問題になった。
オスとメスの発情に時間のズレが生じれば、交尾は完結しない。時間がマッチするオスとメス同士の群れを形成することになる。飼育された大量のオスは野生のメスとは発情の時間のズレはなかった。

本研究から、発情する時間のズレでその種が2群に別れれば、ふたつのグループは別々の進化を遂げ、やがて別の種に分化する。交尾のタイミングが鍵となって種分化が起こりうる仕組みを世界に先駆けて発見したのだった。→人気ブログランキング

『バッタを倒しにアフリカへ』前野ウルド浩太郎

定職に就くことができず不安定な暮らしを強いられている博士号取得者を「ポスドク」と呼ぶ。ファーブルを尊敬しバッタをこよなく愛する著者の研究テーマはサバクトビバッタ。著者はバッタの研究のためにモーリタニアに出かけ、論文をものにして一旗揚げ、ポスドクから脱却しようと考えている。
2年間、モーリタニアの国立サバクトビバッタ研究所のゲストハウスで暮らすことになった。

バッタを倒しにアフリカへ (光文社新書)
前野ウルド浩太郎
光文社新書  2017年5月

日本人の昆虫学者がなぜアフリカに出張するのか?
それは、世界のバッタ研究の情報は実験室内で得られたものがほとんどで、野外でバッタを観察したものは極めて少ないという事情があるという。
なお、日本は以前よりモーリタニアの漁業支援に力を入れており、港には日本が出資した魚市場や加工工場が建設されている。現在、日本で消費されているタコの3割はモーリタニアから輸入されている。

著者が「バッタの大発生を目の当たりにし、蝗害を未然に防ぐ方法を突き止め、アフリカを救いたい。バッタの研究に人生を捧げる」と大志を語ると、人格者であるババ所長は、「今日からコータロー・ウルド・マエノと名乗るがいい」と、最大級の賛辞を送った。ウルド(Ould)とは、モーリタニアで最高に敬意を払われるミドルネームで、「◯◯の子孫」という意味がある。
ところが、著者がウルドの名を授かった後に、モーリタニア政府が「みんな、確実にだれそれの子孫なんだからウルドは止めよう」ということになり、法律が改正されたという。

バッタは孤独相では鮮やかな緑色となりおとなしくお互い避けあう。一方群生相では、バッタはお互い惹かれ合い群がる習性が出現し、黄色と黒のまだら模様となる。群生相のバッタは体に対して翅が長くなり、飛翔に適した状態になる。なぜサバクトビバッタは大発生するのか。それは混み合うと変身する特殊能力を秘めているからである。
ちなみにイナゴとバッタは相異変を示すか示さないかで区別される。日本ではオンブバッタやショウリョウバッタなどと呼ばれているが、厳密にはイナゴの仲間である。

著者は、バッタの大軍に遭遇できるのか、さらにどこかの研究機関の正職員の席を手にすることができるのか。波瀾万丈の展開は、さながらサスペンスのようである。→人気ブログランキング

『マンモスのつくりかた』ベス・シャピロ

映画『ジュラシック・パーク』(1990年)のなかで、琥珀に閉じ込められた蚊の腹部から血液が採取され、恐竜のDNAが抽出される。抽出されたDNAをカエルのDNAで補完したのち、ワニの未受精卵に注入し孵化させ、クローン恐竜が誕生する。このようなことは可能なのか。

著者は米国の進化生物学者。カリフォルニア大サンタクルーズ校の准教授。専門は古生物のDNA解析。20世紀初頭に絶滅したアメリカリョコウバトや、3700年前に絶滅したとされるマンモスのDNA解析の第一人者である。
脱絶滅(de-extinction)の試みについての議論は、喧々諤々であるという。
本書では、脱絶滅に関して「科学」と「空想科学」を切り離すことを目指すという。

マンモスのつくりかた: 絶滅生物がクローンでよみがえる (単行本)
ベス シャピロ/宇丹貴代実
筑摩書房
2016年1月

脱絶滅の対象となる種は慎重に選択されるべきだ。
復活に成功したときに、個体群にふさわしい生息地があり、餌動物や食料があり、捕食者は排除されていると同時に、食物網を不安定にさせないような食物連鎖が働き、病気・寄生体・汚染は取り除かれていて、その種がもともと生息していた環境に気温や降水のパターンが近く、自給の個体群を許容できる広さがあるかなどを、クリアしなくてはならない。結構、条件は厳しいのだ。
厚かましい条件だが、絶滅を引き起こした張本人の人間の生活を脅かされないことも求められる。

以上の条件に照らしあわせると、マンモスは脱絶滅に適している。
すでに、ロシアのシベリア北東部にあるロシア科学アカデミー北東科学局は、脱絶滅が成功したあかつきにマンモスが住む更新世パークを準備しているという。

マンモスが寒冷地に住んでいたおかげで、保存状態の良い骨からDNAの分析ができる。
マンモスの最近縁種はアジアゾウで、およそ500万〜800万年前に枝分かれした。変化の速度がほかの哺乳類とほぼ同じとするなら、この種間はおよそ7000万箇所の遺伝子の相違があると予想される。これはゾウのゲノム全体のうちの2%未満だが、それでも7000万は途方もない数だ。
凍土の中から発見される保存状態の良いマンモスから抽出されるDNAといえども、7000万のゲノムの変更点を到底訂正できないだろう。とすれば、核移植によるクローン作製は今のところ難しい。現在可能なのは、マンモスの遺伝子の断片が組み込まれたゾウを作製することだという。

マンモスの形質や行動を復活させるのに必ずしもマンモスのクローンを作製する必要はない。たとえば、マンモスの毛深さを指定(コード)するDNA配列を突き止めたうえで、ゾウのゲノム配列に組込み、ゾウをもっと毛深くすることは可能である。もちろんマンモスを復活させることと同じではないが、その方向へ一歩進むことではある。
そんな大雑把なことでいいのかと思うが、そのあたりが今のところの限界なのだ。

今後も、著者たちによりマンモスのゲノム解析は地道に続けられるだろう。そして、クローン種作成の技術的なハードルはどんどん下がっていくに違いない。
なお、2016年中にマンモスのクローンを作製すると宣言している勇敢な学者が複数いて、しのぎを削っているという。

マンモスを再生せよ/ベン・メズリック/文藝春秋/2018年
合成生物学の衝撃/須田桃子/文藝春秋/2018年
ゲノム編集とは何か 「DNAのメス」クリスパーの衝撃/小林雅一/講談社現代新書/2016年
マンモスのつくりかた/ベス・シャピロ/筑摩書房/2016
6度目の大絶滅/エリザベス・コルバート/NHK出版/2015
サイボーグ化する動物たち/エミリー・アンテス/白揚舎/2016
外来種は本当に悪者か?/フレッド・ピアス/草思社/2016
爆発的進化論/更科功/新潮新書/2016
ゲノム編集とは何か?/小林雅一/講談社現代新書/2016
がんー4000年の歴史/シッダールタ・ムカジー/早川NF文庫/2016
破壊する創造者ーウイルスが人を進化させた/フランク・ライアン/早川NF文庫/2014
生物と無生物のあいだ/福岡伸一/講談社現代新書/2007
人はどうして死ぬのかー死の遺伝子の謎/田村靖一/幻冬舎文庫/2010
できそこないの男たち/福岡伸一/光文社新書/2008
二重らせん/ジェームス・ワトソン/講談社文庫/1986

『6度目の大絶滅』エリザベス・コルバート

地球史において、かつて5度の大絶滅が起こり、それらは「ビッグファイブ」と呼ばれている。「ビッグファイブ」のうち3つは原因が判明している。
最初の大量絶滅は、大半の生物が水の中で暮らしていたオルドビス紀後期(4億5千万年前)に起きた。氷期によってもたらされたとされる。
史上最大の大量絶滅は、ペルム紀末(2億5千万年前)に起きた。大量の二酸化炭素が地球温暖化をもたらし、海水に溶けた二酸化炭素が海水の酸性化を招いたことが原因とされる。
一番最近で最も有名な大量絶滅は、白亜紀の終わりごろ(6千5百万年前)に起こり恐竜が消滅した。ユカタン半島およびメキシコ湾に巨大隕石が衝突したことが原因であるとされる。というように、絶滅の統一理論はない。
そして現在6度目の大絶滅が進行中である。

6度目の大絶滅
6度目の大絶滅
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エリザベス・コルバート/鍛原多惠子 訳
NHK出版 2015年3月

著者は、パナマでカエルの大量死を目の当たりにし、ビッグファイブの最初の絶滅の証拠を求めてスコットランドに渡る。地中海の島では熱水噴出孔からの熱水による海水温の上昇の影響を調査し、グレートバリアリーフでは壊滅的な被害を受けているサンゴ礁を調べる。アンデス山脈の樹林帯では、樹木の組成の変化を知らされる。マサチューセッツの洞窟に入りコウモリの大量死を見届け、シンシナティ動物園でサイの人工授精に立ち会う。こうして著者は各地に出向き長期にわたるフィールドスタディを積み重ねていく。

18世紀末、フランスの博物学者キュヴィエは「現生ゾウと化石ゾウの種について」と題された公開講義で、生物の絶滅の事実を知らしめることに成功した。それまでは、種が絶滅するという概念はなかったのである。
種の誕生にかかわるダーウィンの理論は種の消滅の理論でもあったが、ダーウィンは絶滅についてほとんど関心をはらわなかった。

ショッキングな数字が並べられている。

現在、両生類はもっとも絶滅の危機に瀕していると考えられており、その絶滅率は背景絶滅率の4万5千倍という試算もある。ところがその他の多くの動物種の絶滅率も両生類に迫りつつある。造礁サンゴ類の1/3、淡水生貝類の1/3、サメやエイの仲間の1/3、爬虫類の1/5、哺乳類の1/4、鳥類の1/6がこの世から消えようとしていると推定される。・・・生命の消失にはさまざまな理由がある。しかし、その過程を丹念に追っていけば、必ず同じ犯人ーあるひ弱な種ーにたどり着く(つまり、人間である)。

ちなみに、「背景絶滅率」とは、100万種につき年あたりの絶滅種数で表される。哺乳類の背景絶滅率は、約0.25と考えられている。つまり、現在約5500種の哺乳類がいるので、背景絶滅率に従えば大雑把に言って700年ごとに1種が消えることということになる。

考古学的な証拠から、ネアンデルタール人はヨーロッパまたは西アジアで進化し拡散したが、河川や海などの障害物があったところで止まっている。現生人類のみが、そうした障害物を越え、あるいは陸の見えない海に漕ぎ出していった。そこにはなにか狂気じみたものがあるという。

ネアンデルタール人をはじめとする古人類の絶滅も現生人類が引き起こした。さらに、現代における類人猿の生存数の極端な減少も、森林伐採を行ったわれわれが主犯である。
現生人類が地上に現れたときから、その影響で種の絶滅がはじまっていることが、最近明らかになったという。人類は過剰殺戮犯なのだ。

著者は6度目の大絶滅を食い止める処方箋を示すわけではない。ただ、絶滅危惧種を救おうと懸命に努力する人びとがいることに、かすかな光を見出しているのである。

6度目の大絶滅/エリザベス・コルバート/NHK出版/2015
サイボーグ化する動物たち/エミリー・アンテス/白揚舎/2016
外来種は本当に悪者か?/フレッド・ピアス/草思社/2016
爆発的進化論/更科功/新潮新書/2016
ゲノム編集とは何か?/小林雅一/講談社現代新書/2016
がんー4000年の歴史/シッダールタ・ムカジー/早川NF文庫/2016
破壊する創造者ーウイルスが人を進化させた/フランク・ライアン/早川NF文庫/2014
生物と無生物のあいだ/福岡伸一/講談社現代新書/2007
人はどうして死ぬのかー死の遺伝子の謎/田村靖一/幻冬舎文庫/2010
できそこないの男たち/福岡伸一/光文社新書/2008
二重らせん/ジェームス・ワトソン/講談社文庫/1986

『サイボーグ化する動物たち』 エミリー・アンテス

バイオテクノロジーが、どのように動物たちにかかわっているかがテーマ。著者は旺盛な探究心で、会社や研究機関を訪れ担当者にインタビューし、それらの動物たちに会いに行く。原題は、『Frankenstein's Cat』。

最初のテーマは遺伝子組み換えである。米国では、サンゴやイソギンチャクのDNAを埋め込んだ観賞用の光る魚が、ペットショップで売られている。FDA(米食品医薬品衛生局)が許可した米国初の遺伝子組み換えペットである。
例えば、成長が早いサーモンや、人間にアレルギーを誘発する遺伝子をなくした猫を作ろうとしている。
ファーミングは単純な遺伝子操作によって、ヤギの乳やニワトリの卵から、人間の病気を治すための薬を抽出する方法のことである。

サイボーグ化する動物たち-ペットのクローンから昆虫のドローンまで
エミリー・アンテス/西田美緒子 訳
白揚社
2016年8月

遺伝子組み換えの動植物を販売する際には、FDAやEU当局の許可が必要である。規制当局は遺伝子組み換え動物の販売を容易に許可しない。また、ミュータントたちが研究室から抜け出すかもしれないことにも目を光らせている。

愛するペットを亡くした飼い主にとって、クローンは福音ともいえる技術だが、成功の確率が著しく低い上に、遺伝子が同じでも表現形が同じとは限らないのだ。ペットのクローンは今のところ商売にならない。
しかし、すでに何頭かのクローン牛が、米国最大の酪農産業博覧会で優勝していて、これらは種牛として活躍している。また、2012年には、国際馬術連盟がクローン馬を許可したという。

地球上にいる哺乳動物の1/4近くが絶滅の危機に瀕し、両生類ではおよそ1/3、鳥類では1/8が同様の状態であるという。動物の個体数は、最も多かった時点に比べて89%も減少してしまった。歴史上では5回の大絶滅が知られていて、5回目の大絶滅では恐竜が消え去った。多くの科学者は今が6度目のはじまりだと確信している。
冷凍動物園と呼ばれるDNAバンクは、マイナス225度に保たれている。大惨事が襲う前に、遺伝的多様性を保存しようとしているのである。

マグロ、ウミガメ、ゾウアザラシなどの海洋生物に、情報収集機器(タグ)を取り付け、データを集めている。データの解析から動物たちの知られざる生態が明らかになっている。

肢体が不自由な動物に、人工の装具をつけるリハビリテーションの分野がある。
漁船の網にひっかかり尾をなくしたイルカに、世界初の人工の尾びれをつけた。これを映画にしたのが『イルカと少年』(2011年)。
あるいは、去勢手術を受けた犬に人工睾丸をつける。これまでに49の国で25万匹以上が、CTI社の偽の睾丸が用いられたという。

猫やラット、甲虫や蛾やゴキブリに、電子機器を移植して自在に動かそうという試みがなされている。

最終章では、動物たちの権利と福祉について、心理学者ハロルド・ハーツォグの意見を紹介している。「(悩める中間域にいる人々は、)動物を心から愛しながら、たまには資源、物体、道具としての役割を負わせることもよしとする。動物を大切に扱うべきだと確信しながら、医学研究への利用禁止は望まない。家畜を人道的に飼育してほしいと気づかいながら、肉食をすっかりやめたくない。・・・私には、悩める中間域は完璧に筋が通っているという確信がある。モラルの窮地に陥るのは、大きな脳と寛大な心をもつ種では避けられないことだからだ」
著者は、動物の福祉を追求するために最新技術を活用すべきだと結論づけている。

6度目の大絶滅/エリザベス・コルバート/NHK出版/2015年
サイボーグ化する動物たち/エミリー・アンテス/白揚舎/2016
外来種は本当に悪者か?/フレッド・ピアス/草思社/2016年
爆発的進化論/更科功/新潮新書/2016年
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人はどうして死ぬのかー死の遺伝子の謎/田村靖一/幻冬舎文庫/2010
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二重らせん/ジェームス・ワトソン/講談社文庫/1986年

『外来種は本当に悪者か?』フレッド・ピアス

人類が地球を痛め続けている今、外来種の力を借りながら新しい自然(ニュー・ワールド)を構成していくしかないというのが、著者の主張である。
ここ半世紀余り、環境保護主義者は固有種とその生態系を守り、押しよせる外来種を阻止しようと努力してきた。しかし環境保護とうたいながら、その実、根底にあるのは単なる差別意識であり、移民排斥運動にも似た、外来種嫌いの感情論ともとれるような内容であった。原理主義といってもいいほどだ。

外来種は本当に悪者か?: 新しい野生 THE NEW WILD
フレッド・ピアス/藤井留美 訳
草思社
2016年7月

環境保護主義者は、外来種は在来種を絶滅させ、生物多様性を低下させると唱える。
その背景には、次のような考えがあるという。生態系は調和をとって動いている機械のようなもので、すべての在来種が食べたり食べられたり、受粉したり、廃棄物を処理したりと、それぞれの役割をつつがなく果たしている。生態系は在来種だけで完成された状態にあって、侵入者が入り込む余地はない。だから外来種が定着すれば、その分在来種が居場所を失うことになる。生態系から押し出された在来種は、その場所から消えていくしかない。

アセンション島(西大西洋に浮かぶイギリス領セントヘレナ諸島のひとつの島)、ハワイ島、オーストラリア、北アメリカについて紹介し、孤島や新大陸に人間が持ち込んだ動植物は、その地にとっては外来種であったが、結果的には、生物の多様性が育まれていったという。この事実に対し、環境保護主義者は関心を抱くどころか、見て見ぬ振りをしているという。

侵入生物を目の敵にする学者のデータの使い方は、古臭く詰めが甘いという。彼らの主張を追いかけていくと、曖昧さ、引用の誤り、根拠のない主観的な解釈、具体例からの強引な一般化、局所から地球全体への無茶な飛躍がこれでもかと出てくると指摘する。
基本的に、外来侵入種の90%はすぐに姿を消し、悪さをするのは残りの10%前後である。侵入者が危険だと騒ぎ立てることも、外来種の侵入は防ぐべきだとする結論も、科学ではなく科学の皮を被った神話創作だと強調する。

「手つかずの自然」「前人未踏の自然」をありがたがるが、アマゾンのジャングルもアフリカの奥地の森林にも、先住民の暮らした痕跡が発見されている。
森は数百年もすれば完全に再生し、老齢林か二次林か区別がつかなくなる。森以外の生態系も同じことが最近の研究でわかってきた。人類が破壊した自然は二度と蘇らないという主張には根拠がない。早ければわずか数十年で大部分が蘇るのだ。
自然が一定の状態を続けることはまずない。ダイナミクスこそが重要であるのに、研究者は長い間そのことを否定してきた。

気候変動が進む世界では、老齢林をはじめとする歴史ある自然、つまりオールド・ワールドは、人間の介入に頼らないと存続できなくなる。
動植物の多様性が失われつつある今は、あるものでやっていく、やりたいようにやらせる、自分の足でしっかり立つ、それがいずれニュー・ワールドとなる。外来種はときとして生態系復活の切り札にもなりうるという。

6度目の大絶滅/エリザベス・コルバート/NHK出版/2015年
サイボーグ化する動物たち/エミリー・アンテス/白揚舎/2016
外来種は本当に悪者か?/フレッド・ピアス/草思社/2016年
爆発的進化論/更科功/新潮新書/2016年
ゲノム編集とは何か?/小林雅一/講談社現代新書/2016
がんー4000年の歴史/シッダールタ・ムカジー/早川NF文庫/2016
破壊する創造者ーウイルスが人を進化させた/フランク・ライアン/早川NF文庫/2014
生物と無生物のあいだ/福岡伸一/講談社現代新書/2007
人はどうして死ぬのかー死の遺伝子の謎/田村靖一/幻冬舎文庫/2010
できそこないの男たち/福岡伸一/光文社新書/2008
二重らせん/ジェームス・ワトソン/講談社文庫/1986年

『爆発的進化論 1%の奇跡がヒトを作った』更科 功

進化論の真髄を最新のトピックスを交えて解説している。使われている専門用語が少なく、曖昧なところがなく、非常にわかり易い。

ウイルスは半生物であり、あえて生物か無生物かに二分すれば無生物である。
生物とウイルスは、タンパク質を作る道具「リボゾーム」の有無で、一線が引かれる。ウイルスは生物のリボゾームを借りないと、タンパク質を合成することができない。

動物が最初に作った硬い組織は「流体骨格」であった。哺乳類のペニスが典型的な流体骨格である。そもそも流体骨格を持っていない動物はいない。「鉱物化した骨格」の役割は、運動と保護と支持である。

カンブリア紀(約5億4200万年前〜約4億8830万年前)は10期に分けられ、第2期には生痕化石(動物が這った痕など)だけでなく、小さな化石が世界中の地層から見つかるようになる。第3期は、現在生きている多くの動物の祖先が化石として出現する。そのため、第2期から3期にかけての、約1500万年間を、慣例で「カンブリア爆発」と呼んでいる。

カンブリア爆発が起こった理由は、一つはこの時期に多くの動物が骨格を発達させたからであり、二つめは多くの動物の「ボディプラン」がこの時期に出来上がったことである。動物の体の基本的な構造を「ボディプラン」といい、同じ構造のグループを「門」と呼ぶ。

カンブリア爆発では捕食者が出現し、捕食者にとって有利な眼を発達させた。
カンブリア紀に眼を発達させたのは、アノマロカリスが属する節足動物門、ハルキゲニアが属する有爪動物門と、脊椎動物門であった。
「眼は知性ある何かによって作られた」と主張する「インテリジェント・デザイン」という考え方がある。眼が進化によるとすれば、半分しかできていない眼も存在するはずであるというのが根拠。

上腕骨1本、前腕骨2本、手根骨、中手骨、指骨という上肢の作りをたどっていくと、人類の祖先がわかってくる。四肢動物は、DNAなどのデータからハイギョの仲間から進化した。

鳥は恐竜の獣脚類から進化した。鳥は完全に恐竜なのだ。だから、恐竜は絶滅していないという。

チンパンジーと人類は同じ祖先を持つが、人類はチンパンジーから進化したわけではない。700万年前に現れたサヘラントロプス・チャデンシスからホモ・サピエンスまでに、およそ25種類の人類がいたことがわかっている。すべてが2足歩行していた。
ホモ・サピエンスは、およそ20万年前にアフリカで誕生した。これがすべての現生人類の祖先である。そして、約10万年前にアフリカを出て世界に散らばっていった。

「赤の女王仮説」とは、生物の種は絶えず進化していなければ絶滅するという仮説。
無性生殖よりもコストがかかるにもかかわらず、有性生殖が行われる理由として、有性生殖は絶えず新しい組み合わせの遺伝子型を作ることによって、進化速度の速い細菌や寄生者に対抗していると考える。ルイス・キャロルの小説『鏡の国のアリス』で、アリスが赤の女王に手をひかれて、全速力で走っていた。もうこれ以上走れないへとへとのアリスが、木に寄りかかってあたりを見まわすと、そこは元の場所だった。女王は言う。「ここでは、同じ場所にとどまるためには、絶えず全力で走っていなくちゃいけないのよ」

「DNA→RNA→タンパク質」 という遺伝情報の流れは、すべての生物が共有している特徴であり、これは生物学における「セントラルドグマ」と呼ばれる。
DNAとRNAの構造はよく似ているが、異なるところが1箇所ある。RNAでは「OH(水酸基)」という原子団が結合している箇所が、DNAでは「H」になっている。
OHとなっていることで、RNAは分解されやすい。RNAはタンパク質を作ったら役目は終わりで分解される運命にある。

『破壊する創造者 ーウイルスが人を進化させた』 フランク・ライアン