高級ショコラのすべて 小椋三嘉
桜が開花する前には桜関連本が、梅干を漬ける頃には梅干関連本が発刊されてきたように、ヴァレンタインデーが近づけばチョコレート関連本が出るのは、出版業界のごく自然ななりゆきである。そんなわけで、ヴァレンタインデーも間近だから、本書が出版された(2010年のことです)。
高級ショコラのすべて 小椋 三嘉 PHP研究所 2010年 |
最近は、チョコレートがショコラと小粋に呼ばれるようになった。今世紀の始めころから、フランス語圏の高級チョコレートが日本で売られるようになり、ショコラという言葉が浸透していったそうだ。著者は、ショコラ研究家として、その一翼を担っている。
そう言えば、雅子様のご実家小和田家の愛犬は、ショコラという名前だった。
チョコ業界は、ヴァレンタインデーの2匹目のドジョウを狙っている。
<日本では新たに、五節句として知られる七月七日の七夕(しちせき)を、冬のヴァレンタインの夏バージョンとして、ショコラを送る日にしようという動きがあるようです。七夕伝説ははかなく切ない恋愛物語。漢詩や『万葉集』などによって若干の違いがあるものの、天の川のそれぞれ両岸にいる織姫と彦星が年に一度、七夕の日に出会うというのは共通しています。たしかに愛の日に相応しい気がします。P57>
なかなかいいアイデアだ。そうなると、チョコで賑わう日が年2日になる。
それに、最近はヴァレンタインデーとは関係なく、頑張っている自分に対するご褒美として、このフレーズは鳥肌ものだが、高級ショコラを買い求める若い女性がいるらしいから、日本の高級ショコラの未来は明るいかもしれない。
ヴァレンタインデー近くになると、にわか高級チョコ愛好家になり、いただいたチョコをあーでもないこーでもないと見当違いの批評し、チョコを食べつくすとチョコとはまったく関係のない生活を送るというのが、ここ何年かのチョコとの付き合い方であった。
本書を入手したことであるし、今年からはチョコとの付き合いをもう少し濃密なものにしたいと思う。→人気ブログランキング
『高級ショコラのすべて』小椋三嘉
『チョコレートの世界史』武田尚子