青春小説

2023年9月 5日 (火)

成瀬は天下を取りにいく 宮島三奈 

新潮社主催新人賞で史上初の三冠に輝いた圧巻のデビュー作だ。
成瀬あかりは優秀で物おじしない。200歳まで生きると言っている。
成瀬は中学2年までに様々な賞を獲得している。
西武デパート大津店の閉店が各編に底通している。
成瀬あかりの中2から高3までを描く。
Img_0305成瀬は天下を取りにいく
宮島三奈
新潮社
2023年3月 201頁

「ありがとう西武大津店」
「島崎、わたしはこの夏を西武に捧げようと思う」と成瀬あかりが言う。相手の島崎みゆきは同じマンションに生まれついた。成瀬とは幼稚園から一緒だ。
大津市の唯一のデパート西武が閉店することになった。びわテレビの番組「ぐるりんワイド」に、西武のユニフォームを着ている成瀬が映った。
島崎は成瀬にユニフォームを渡されそれを着て、西武に行った。テレビクルーが来ていて鳴瀬は映るような位置に移動した。
そして西武の閉店日前になった。

「膳所から来ました」
成瀬がまた変なことを言いだした。M-1グランプリに出ると言いだした。相手はわたし島崎で、コンビ名は「ゼゼカラ」、1回戦は3週後だという。
ネタ合わせをするが、そうそう思い通りにはいかない。高校3年になるまで出場を続けるが、思い通りにはいかない。

「階段は走らない」「線がつながる」「レッツゴーミシガン」と続く。

「ときめき江州音頭」
成瀬あかりは高校3年の夏休みを迎えた。
成瀬は朝5時に起きて、4キロのランニングをしてシャワーを浴び、洗濯機を回して、両親と3人分の目玉焼きを作る。志望校は京大で、成績は常にA判定である。
そして、中学2年から続けてきた、「ときめき夏祭り」の実行委員の仕事が回ってきた。
ゼゼカラとしての最後の出番だ。相手の島崎みゆきとは意思の疎通が取りづらくなったと感じている。
家族とともに東京に引っ越すことになった島崎との間をなんとかしようとするが、成瀬の思い過ごしであった。→人気ブログランキング
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